200平成1 6  23 曜日

伊良部架橋の予算確保に意欲/茂木沖縄担当相が宮古視察

 茂木敏充(もてぎ としみつ)沖縄担当相は21日、伊良部架橋建設予定地などの視察のため来島し、平良市内のホテルで宮古6市町村長らと意見交換した。席上、宮古市町村会長の伊志嶺亮平良市長から▽宮古島―伊良部島間の架橋の早期着工▽電線類地中化の整備▽台風災害による支援策―の3項目の実現を求める要請書が手渡された。帰任前に、マスコミの取材に応じた同担当相は、伊良部架橋について、「基本設計に向け、来年度予算の確保に努めたい」と述べ「要請の3項目は政府の対策に生かしたい」と前向きに取り組んでいく姿勢を示した。

 要請では、「伊良部架橋の実現により、伊良部島の医療・診療の改善や経済の活性化および観光資源の活用はもとより、下地島空港とその周辺の土地利用計画の推進にも弾みをつけ、さらに若者にも夢と希望を与える事業として、21世紀の宮古圏域発展に大きな役割を果たす」と強調した。
 電線類地中化の整備については「 宮古圏域は、2003年9月に襲来した台風14号により、壊滅的に被害を受けた」と述べた上で、その実現に向けての措置として▽電線類地中化事業の県内での事業量の拡大▽宮古地域における電線類地中化事業の早期整備▽電力会社などの電線類管理者に対し、電線類地中化のための必要な支援―を要望した。
 台風災害による支援では「今回の台風により壊滅的な被害を被ったにもかかわらず、国の定める災害救助法や激甚災害法のような災害復旧制度は、地震や大規模な土砂災害など家屋が数多く倒壊する災害を想定していることから、同制度の適用基準に当てはまらないのが現状」と説明。その上で「現制度で難しいのであれば新たな制度の創設を講じていたただきたい」と理解を求めた。
 同担当相は「離島という地理的な制約があり、伊良部架橋も含めてさまざな整備の必要性を感じた」と述べた。
 意見交換では、武田宗高内閣府政策統括官(沖縄担当)、成田一郎沖縄総合事務局長、比嘉茂政県副知事らが同席した。
 同担当相はこの日、同建設予定地のほか、下地島空港、ティダファームたらま、福里地下ダム、東平安名崎などを視察した。
 視察に先立ち、宮古空港ターミナルそばの特設会場で歓迎式典があり、子供たちが太鼓の演舞を
披露。伊良部架橋促進協議会長も務める伊志嶺市長が歓迎のことばを述べた。
 同担当相は「予想以上の歓迎を受け、感激の極み。歓迎の垂れ幕に書かれた伊良部架橋早期実現は、きちんとやっていきたい」と語り、決意を新たにした。

  写真説明・宮古市町村会長の伊志嶺市長(左)から要請書を受け取る茂木沖縄担当相=21日、平良市のホテルアトールエメラルド宮古島

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県政との連携強調/県議選宮古郡区・

現職、砂川氏が事務所開き

 6月6日投開票の県議会議員選挙で、宮古郡区からの立候補を予定している現職砂川佳一氏(60)の後援会事務所開きが21日夕、城辺町砂川の同事務所前で行われた。砂川氏は「稲嶺県政とともに、県政与党の立場で全力を尽くす」と強調、詰め掛けた大勢の支持者と2期目当選に向け気勢を上げた。
 事務所開きには、城辺町、伊良部町、下地町の首長や各町村議会議員らをはじめとする大勢の支持者が参集した。
 後援会の新城武男会長は「砂川氏は1年生議員でありながら、離島振興議員連絡会幹事長や県議会文教厚生委員会の委員長を務めるなど注目を集めた人物。今回の選挙でも、郡区5町村が一体となって前回同様に圧勝したい」と決意を述べた。
 この後、3町の首長が支持の拡大を訴え。後援会の青年部長、女性局長も続いた。
 これらのエールを受け砂川氏は「県議会で多くの経験や体験ができたのも多くの皆さんの支持のおかげ」と感謝。その上で、離島振興計画の作成作業など自らがかかわってきた活動について「これらを継続することが2期目の課題。稲嶺県政とともに、県政与党の立場で頑張ることが私の責務と使命だと考えている」と力強く述べた。
 最後は参加者全員でガンバロー三唱を行い、砂川氏の2期目に向けて気勢を上げた。

 写真説明(上)・2期目に向けて決意を述べる砂川佳一氏
 写真説明(下)・ガンバロー三唱で気勢を上げる支持者ら=21日、城辺町砂川の後援会事務所

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「事実上の不起訴処分だ」/下地さん釈放・弁護団が報告集会

 1998年7月17日に平良市西原の真謝漁港近くの道路わきで城辺町新城に住む無職、城間カ子メガさん=(かにめが、当時85)=が他殺体となって発見された事件で、殺人の容疑で逮捕・送検され、20日に処分保留のまま釈放された同町新城に住む下地フジ子さん(63)。釈放から一夜明けた21日、弁護団は下地さんが通っている平良市西里の宮古バプテスト教会で説明会を開催した。下地さんは涙を流しながら切々と「みんなが私の無実を信じてくれてうれしい。これからは自由だ」と逮捕からの23日間を振り返った。担当弁護士は「フジ子さんは今後、警察に追い回されることは絶対にない。事実上の不起訴処分だ」と説明。「だが、このままでは第2、第3のフジ子さんが出る可能性がある」と強調した。

 報告会では下地さんの無実を信じていたという同じ教会に通う仲間たちに逮捕から釈放までの経緯が説明された。
 弁護団の1人、西太郎弁護士は「殺害方法、動機、場所などが特定されていない状態だった。そもそも逮捕された時点で不当だった。警察は容疑者を間違えた。間違えたのに謝罪しない。捜査は適正だったかもしれないが、間違えたのは事実。また、裁判所も検事の言いなりで、弱腰だった。裁判所に不信感を抱く」と指摘した上で、「検事は黙秘のため、起訴できなかったとコメントしているが、逮捕、送検前に確固たる証拠をつかめなかった言い訳に過ぎない」と捜査機関などを厳しく批判した。
 夫、肇さん(66)とともに仲間の前に立った下地さんは「取り調べは朝3時間、昼4時間、夜3時間行われた。『お前の胸を裂いて中が見られればいいのに』、『お前の頭を割ってのぞいてみたい』などの言葉の暴力を受け、拷問以上だった。ちょっとの移動でも手錠をかけられた。忘れられない屈辱を受けた」と辛い23日間を振り返り、「でも、夫や皆さんが支えてくれたおかげで自分の勝利を勝ち取った。ありがとう」と感謝した。
 また、肇さんは「思ったより元気な姿で戻ってきてホッとしている。これからも皆さんとともに支え合って生きていきたい」と感想。しかし「このままでは第2、第3のフジ子が出てしまう。弁護士と相談し、奪われた幸せに対する抗議を積極的に行っていきたい」と捜査機関に対し怒りをあらわにした。
 同教会の瑞慶山道弘牧師も「釈放されたが、これまでの逮捕報道などで、今後、偏見が2人に注がれるかもしれない。みんなで支えていこう」と訴えた。
 処分保留のままの釈放について宮古署の石垣用秀署長は下地さんが釈放された20日、「警察では適切な捜査を行ってきた。今後も検察と捜査を進めていきたい。細かいことは言えない」と述べるにとどまった。また、那覇地方検察庁の川見裕之次席検事は「容疑者は取り調べにおいて黙秘するなどしており、現時点では起訴、不起訴を決することができないので、捜査を継続していきたい」とコメントを発表した。

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さらなる歳出抑制を/平良市議会一般質問

 開会中の平良市議会(池間青昌議長)の3月定例会は22日、一般質問2日目が行われ登壇した6人の与野党議員が当局の姿勢をただした。この日も実質的に多額の不足額が発生している新年度予算案について当局の見解を求める質問が相次いだ。また、今定例会に提案されている三役人事案件について真栄城徳彦氏が「財政難の状況でこのまま三役を置かずに報酬を財源に充ててはどうか」と指摘。これに対して伊志嶺亮市長は「三役は必要」との見解を示した。

 この日は、真栄城氏のほか、下地秀一、奥平一夫、川満俊夫、富浜浩、亀浜玲子の六氏が登壇した。
 真栄城氏は「助役、収入役が4月から就任した場合、合併までの今年12月までに支払われる報酬はいくらか、厳しい財政状況下でこれまで不在でやってこれたのであれば合併まで三役を置かないでその分歳出を抑制すべきではないか」と質問した。
 これに対して伊志嶺市長は「三役は市にとってどうしても必要。現状では不足する部分がある。ぜひ、今回の提案を認めてほしい」と理解を求めた。また、4月から12月までの報酬額について糸数健総務部長は「助役、収入役2人で2160万円になる」と説明した。
 川満氏は赤字に至った理由や当局の財政に対する認識不足を指摘。これに対して糸数総務部長は「自主財源の柱である市税が長引く不況などの影響で落ち込んでいることと、ここ数年の交付税の落ち込み幅が大きいことも影響しているが自助努力も足りなかった」と述べた。
 また、下地氏がトゥリバー地区売却についての現状説明を求めたのに対して与那嶺大港湾課長は「現在2、3の企業と接触している。相手企業からも詳細な説明を求められており今後、企業訪問などを行いたい」と説明した。
 そのほか、奥平氏は新年度予算や宮古空港駐車場の夜間駐車問題など、富浜氏は三位一体改革による影響など、亀浜氏は市環境保全条例の検討委立ち上げや日程になどついてそれぞれ当局の見解をただした。

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住宅地、商業地とも下落/04年度地価公示・

宮古の最高価格 初の10万円割れ

 【那覇支局】県土地対策課は県の2004年地価公示を発表した。全用途平均は対前年比6・9%減となり、12年連続の下落で、下落幅は若干拡大している。住宅地は6・0%減で、9年連続の下落。商業地は8・8%減で、13年連続の下落となった。宮古地域は、住宅地が1・3%減(前年0・8%減)、商業地は10・4%減(同9・7%減)で、それぞれ前年より下落幅が拡大した。宮古の最高価格は平良市西里(ジブラルタ生命)の1平方メートル9万3100円で、初めて10万円台を割った。不動産市況の低迷や、郊外型大型店舗の進出などによる既成商業地の空洞化や利便性の低下が下落の要因となっている。

 宮古の住宅地の標準値は平良市に3、城辺町と下地町、上野村に各2の計9地点。下落したのは平良市のみで、他の3町村は変動はなかった。農村集落での土地取引がほとんどない状況。住宅地の最高価格は平良市西里前比屋273番(旧伊志医院の東方)の1平方メートル当たり6万3000円で、前年より4・7%(3100円)の減。城辺町は福里の9220円、下地町は上地の8640円、上野村は宮国の5500円が高かった。
 宮古の商業地の標準値は平良市のみで2地点。両地点で下落幅が拡大した。最高価格は平良市西里羽立391番(ジブラルタ生命)の9万3100円で、前年より7・8%(7900円)の減。初めて10万円台を割った。郊外型大型店舗の進出の影響で、既成商業地の需要の減退が要因とみられている。
 県地価の特徴で、住宅地は那覇市、浦添市で下落幅が縮小したのに対し、その周辺市町では下落幅が前年並み、または拡大した。那覇市、浦添市は、周辺市町との地価格差縮小による需要回復、沖縄都市モノレール開業による期待感などが要因とされる。商業地においても那覇市、浦添市はモノレール開業による期待感などで下落幅が縮小、周辺市町は郊外型大型店舗の進出が影響。
 地価の動向を用途別でみると、住宅地、宅地見込地、工業地、市街化調整区域内宅地で下落幅が拡大し、商業地、準工業地では下落幅が縮小した。全国との比較では、住宅地は沖縄が対前年比6・0%減に対し、全国は5・7%減。商業地は沖縄が8・8%減、全国は7・4%減で、いずれも沖縄の下落幅が大きい。

 写真説明・宮古地区で最も高価となったジブラルタ生命

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平良(六段)、宮城(5段)、知念(5段)が決勝リーグへ/宮古本因坊戦

 第26期宮古本因坊戦(主催・宮古毎日新聞社、主管・日本棋院平良支部、協賛・こすみ囲碁教室)の2次予選が21日、同教室で行われ平良博彦6段=写真左、宮城實一5段=写真中央、知念正夫5段=写真右=の3人が決勝リーグに勝ち進んだ。知念5段は今回の勝利とこれまでの実績が認められ、6段に昇段した。決勝リーグは28日に同3人と現本因坊・宮里光雄6段の4人によって争われ、第26期宮古本因坊が決まる。
 開会式で松原清吉宮古毎日新聞社編集局顧問は「平常心を持って実力を十分に発揮し、りっぱな碁を打ってください」と激励した。黒島正夫日本棋院平良支部長は「囲碁は古くから伝わる素晴らしい文化。後輩も育てて、すそ野を広げてほしい」とあいさつした。
 大会には1次予選の勝ち残りと5段以上を合わせて32人が参加。対局はブロックトーナメント方式で行われた。
 Aブロックでは平良6段と仲間勝之6段が勝ち上がり決勝は両者の顔合わせ。黒番の平良6段は中盤の攻めが成功して優勢となり、そのまま押し切った。
 Bブロックは宮城5段と知念一将6段の対戦となった。両者は中盤までじっくり打ち進め、互角の形成。その後、黒番の宮城5段は白の緩着を機に、ほかの大きな所に手を回してリードを広げ逃げ切った。
 Cブロックは知念5段と崎山純義5段のカード。中盤すぎまでは、黒番の知念5段がリードしていたが、白は終盤に入って追い上げ微細な形勢に持ち込んだ。最後はヨセ勝負となり、黒が2目半を残しきわどく勝った。
 本因坊経験者の平良6段は「全員手強い相手なので、気持ちを引き締めて臨みたい」、初めてリーグ入りした宮城5段は「思いっきり打ちたい」、2年連続リーグ入りの知念5段は「昨年よりいい成績を目指す」とそれぞれ決勝リーグの抱負を語った。

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