200平成1 6  20 曜日

肉用牛販売 過去最高の24億円余/03年度競り市まとめ

 2003年度最後の3月肉用牛競り市が19日にJAおきなわ宮古家畜市場で開かれ、1億8730万1000円の取り引きが成立。この結果、宮古地区2市場(宮古、多良間)の今年度の総販売額は過去最高の24億299万9000円となった。前年度比では1億6255万9000円の増加。JAおきなわ宮古地区営農センター畜産部の川上政彦部長は好実績の要因として、全国的な和牛子牛不足と枝肉価格の高値安定を挙げている。

 今年度の上場頭数は宮古5763頭、多良間1329頭の計7092頭。このうち宮古5676頭、多良間1299頭の計6975頭の取り引きが成立した。
 2市場合計の販売体重は184万6472キロ。1頭平均の体重は265キロ、1頭平均価格が34万4516円、平均キロ単価は1301円の高値を記録した。
 性別に成績を見ると去勢は1頭平均価格39万629円、キロ単価1508円。雌は1頭平均29万3788円、キロ単価1084円。
 市場別の実績は宮古が販売額20億2500万1000円。1頭平均が35万6766円、キロ単価が1327円。月別のキロ単価は1月の1458円が最も高かった。
 多良間は販売額が3億7799万7000円、1頭平均29万991円、キロ単価が1180円。月別キロ単価最高は10月の1391円。宮古と多良間では1頭当たり約6万6000円の開きが出ている。
 全体の売り上げの9割以上を占める生後12カ月以内の子牛について見ると、1頭平均が35万8782円、キロ単価が1420円。性別では去勢が1頭平均39万1340円、キロ単価1511円の高値となった。雌は1頭平均31万215円、キロ単価1267円。
 宮古地区の肉用牛販売額は2年連続20億円の大台を突破。次の目標に08年度までの30億円達成を掲げている。

・子牛1頭 36万4000円/3月肉用牛競り
 宮古地区の3月肉用牛競りが19日、JAおきなわ宮古家畜市場で開かれ、子牛(生後12カ月以内)1頭平均価格は36万4472円で取引が成立した。前月の38万6958円に比べ2万2486円下がった。子牛の上場頭数は517頭でこのうち498頭の取り引きが成立し、取り引き率は96%。総販売額は1億8150万7200円で、上場頭数の関係で前月比3248万700円減となった。総販売体重は12万6531キロで、1頭当たりの平均体重は254キロ。平均キロ単価は1434円となった。
 成牛を含めた全体の上場頭数は550頭で529頭の取り引きが成立した。取り引き率は96%。総販売額は1億8730万1100円(前月比3085万2150円減)。総販売体重は14万618キロで、1頭当たりの平均体重は265キロ。平均キロ単価は1331円だった。

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合併住民投票実施せず/城辺町議会・

与党「時期遅すぎる」と条例案否決

 城辺町議会(伊志嶺幹夫議長)は19日、3月定例会最終本会議で、野党の新城元吉氏が議員提案した市町村合併の是非を問う住民投票条例について審議し、賛成少数で否決した。野党6氏は全員が賛成、与党は「時期が遅すぎる」などの理由から、10氏全員が反対の立場を取った。
 提案した新城氏は「市町村合併は住民のための合併。住民の住民による住民のための市町村合併である」と強調。その上で「歴史的な地域再編の是非は住民の参加による決定こそが最も妥当」と述べ、住民参加型の論議を求めた。
 これに対し与党の照屋秀雄氏は「市町村合併調査特別委員会で論議を重ねてきた」と強調。「この時期の実施は遅すぎる」と述べた。下地明氏も同調し「昨年7月には住民アンケートをやらなくてもいいという意思を表示していたにもかかわらず、どうして今になって(住民投票が)必要と思うのか」と新城氏を問いただした。合併調査特別委の委員長を務めた野崎達男氏も反論し「確かに地域住民の声は大事だが、これまで住民投票実施という声は聞こえてこなかった。住民が望むのなら、もっと早い段階で実施していたはずだ。この原案には反対する」と強い口調で述べた。
 これらの意見に対し新城氏は「昨年7月と今とでは判断材料が全く違う。住民の間では今、合併に対する関心が高まっている。合併は住民の総意に基づいて判断するべきだ。実施の時期が早いとか遅いとかの問題ではない」と反論した。
 同条例案に対する質疑は活発に行われたが、最終的な結論は多数決による採択案が取られ、同条例案は賛成少数で否決された。

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「気の緩み」「過信」指摘/台風14号の教訓で防災対策意見交換会

 昨年9月に宮古諸島に襲来し、甚大な被害をもたらした台風14号。その災害を振り返り、体験者などの知識を今後の業務に反映させようと「台風14号(マエミー)を教訓とした防災対策意見交換会」(主催・沖縄総合事務局道路建設課)が19日午後、県宮古支庁で開かれ、7人のパネリストがそれぞれの立場から意見や提言、改善策などを述べた。会場には市町村の防災担当者ら多数が出席し、今後の台風対策などについて知識を深めた。
 パネリストは、伊志嶺敏子さん(伊志嶺敏子一級建築士事務所代表)、與那嶺英世さん(沖縄電力宮古支店長)、藤村明憲さん(宮古観光協会長)、渡真利定一さん(宮古広域消防組合消防長)、比嘉恒貞さん(宮古島地方気象台技術課長)、平良一男さん(県宮古支庁次長)、前原弘海さん(沖縄総合事務局平良港湾工事事務所長)の7人。進行役は黒沢秀夫さん(宮古テレビ営業部長)が務めた。
 伊志嶺さんは宮古島に襲来する台風の方位は決まっているとした上で「新しい風水術をつくり、台風に強い建物を造っては」と提案した。
 與那嶺さんは、台風で被害を受けた特徴について「電柱が連続して倒れた」などを挙げ、電線の地中化計画を進めていく考えを示した。
 藤村さんは「住民は、木造建物からコンクリート建物に変わって以来、台風対策の『気の緩み』と、コンクリートに頼る『過信』がある」と指摘。県内外から台風見舞い義援金について「宮古の住民は『人の温かさ』などを改めて認識した。台風被害に備えた台風基金をつくったらどうか」と定提言した。
 渡真利さんは「早急に避難施設の改善策を検討すべき」と訴え「家の中から窓ガラスにガムテープを張るのも被害防止対策の1つ」と助言した。
 比嘉さんは「台風時には、電波で放送するラジオの役割が大きい」と述べ、各家庭で緊急時におけるラジオの常備を提言した。
 平良さんは「防災の観点から電線地中化は必要。平良―城辺線の5・5キロで電線が地中化になる」と説明。その上で二重、三重の防風林整備の推進を強調した。
 前原さんは「台風時に作業船がパイナガマの海岸に激突した。貨物船の船たまり場の整備が必要」と強調し、港湾内の不要コンテナの撤去、活用中のコンテナの管理強化に向けて取り組んでいく姿勢を示した。

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荷川取さん、下地さん、佐渡山さん認定/03年度県工芸士

 【那覇支局】県は19日、2003年度の県工芸士に、宮古上布製糸部門で荷川取キヨさん(82)、同意匠部門で下地達雄さん(60)、琉球焼総合部門で佐渡山正光さん(53)ら、合わせて10人を認定した。同日、認定証授与式が県庁で行われ、嘉数昇明出納長から新たな工芸士に琉球漆器で製作された認定証が贈られた。
 県工芸士は、県内で工芸品を製造し、優秀な技術や技能を保持する人を認定することで社会的評価を高めることなどが目的。99年度に始まり、02年度までに30人が認定されている。
 苧麻績み(ブーンミ)に長年取り組む荷川取さんは認定証を手に「快い気持ち。宮古上布のにおいは母のにおいがして大好き。(認定に)感謝してますます頑張りたい」と満面の笑み。
 宮古上布の意匠部門で県工芸士となった下地さんは「(認定は)4、500年続く宮古上布のために『これからも頑張って』ということ。励みになる。後継者が少ないので、若い人たちが1人前になるよう育てたい」と力を込めた。
 琉球焼総合部門の佐渡山さんは窯元「みやこ焼」を営む。焼き物を始めて21年目に入り、「いろいろな苦労があったが、このような形で認められ、うれしい気持ちでいっぱい。お客さんに良い商品を提供し、展覧会にも良い作品を出品できるよう、両面で頑張りたい」とかみしめるように話していた。

 写真説明・嘉数出納長(左から2人目)らと写真に収まる、県工芸士認定の佐渡山さん(右)、下地さん(右から2人目)、荷川取さん(左)ら=19日、県庁

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「沖縄ふるさと100選」に島尻自治会など認定/

パーントゥが見守るふるさとづくり評価

 【那覇支局】農山漁村の持つ魅力を広く紹介し、その活性化に役立てるため県が認定する「沖縄、ふるさと100選」事業の2003年度認定証交付式が19日、県庁で行われ、集落部門での認定となった平良市島尻集落など6つの地域の代表者に諸見武三農林水産部長が認定証を手渡した。「パーントゥが見守るふるさとづくり」として認定された島尻自治会長の池間貞夫さんは、「パーントゥという素晴らしい文化財を生かし、守り育てて、宮古の拠点となるような地域にしたい」と喜んだ。
 島尻自治会は今回「サトウキビを中心に肉用牛やマンゴーなどでゆとりある農業への展開が図られ、『島尻のパーントゥ』などの伝統行事の継承が地域の一体性を醸し出している」との評価を受けた。池間さんは「島尻集落は畜産、漁業、農業と3拍子そろっている部落。これからも地域の若者と一体となって頑張りたい」と意気込み。島尻さんに随行した平良市むらづくり課の松原清光さんは「文化財を保護しながら、行政も一緒になって地域活性化に取り組みたい」と話していた。
 同事業は02年度にスタート。県農政審議会の審議を経て知事が認定する。「集落部門」と「生産部門」、「交流部門」の3部門からなる。昨年度は「生産部門」の下地町来間など3地域が認定されている。認定証を交付した諸見部長は「県内には多くの島々、村々があり、それぞれが美しい景観や独特の文化を持っている。農林水産業の面でもその良さを生かし、活性化につなげられればと考える」と事業の趣旨を説明し、各地域のさらなる活発な活動に期待を込めた。

 写真説明(上)・「沖縄、ふるさと100選」の認定証を手に笑顔の池間さん=19日、県庁
 写真説明(下)・国指定重要無形民俗文化財となっている「島尻のパーントゥ」(資料写真)

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上野村野原のリュウキュウマツ、下地町上地のアコウ/

「おきなわの名木」に宮古から2本認定

 【那覇支局】県は19日、「おきなわの名木」に上野村野原の「カアニザ御嶽(うたき)のリュウキュウマツ」(推定樹齢280年)と下地町上地の「真中屋御嶽(ンーナカヤウタキ)のアコウ」(同500年)など16本を認定した。宮古地区の2本の認定証交付式は26日午前、県宮古支庁で行われる。
 「カアニザ御嶽」にはアサティダ、ンマティダの2神がまつられているとされ、「リュウキュウマツ」はそのころ、御嶽に植樹されたとの言い伝えがある。御嶽は祭事などで地域と密接にかかわっており、「リュウキュウマツ」も御嶽とともに地域の大切な存在となっている。
 「アコウ」は、根元部分に古墳を抱きかかえていることから「古墳を抱くアコウ」と呼ばれ、町の天然記念物に指定されている。「真中屋御嶽」は住宅地域にあることから、アコウの木陰は地域住民の憩いの場にもなっており、御嶽とともに大切にされている。
 「おきなわの名木」は市町村からの申請に基づき知事が認定する事業。2002年度から実施されている。県全域で100件の認定が計画されている。昨年度は「平良市西里のガジュマル」(推定樹齢100年)と「多良間村仲筋のセンダン」(同100年)、「同村塩川のアカギ」(同500年)が認定された。
 同日、沖縄本島市町村の名木の認定証交付式が県庁で行われ、諸見武三農林水産部長は「(昨年認定された)多良間村仲筋のセンダンなど、各地域には立派な樹木がたくさんある。名木として育て、後世に残してほしい」と話していた。

 写真説明(上)・地域の大切な存在として守られている「カアニザ御嶽のリュウキュウマツ」=上野村野原
 写真説明(下)・「古墳を抱くアコウ」の名で町の天然記念物にも指定されている「真中屋御嶽のアコウ」=下地町上地(写真はいずれも県農林水産部提供)

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