200平成1 6  18 曜日

国保税上げを否決/平良市議会文教委・

「赤字幅広げない」方向性と逆行

 開会中の平良市議会3月定例会は17日、文教社会委員会(下地秀一委員長)が開かれ、提案されていた「国民健康保険税条例の一部を改正する条例」を賛成少数で否決した。市の国保事業は2002年度の累積で9億8400万円の赤字。合併論議の中でもこの赤字額について他町村から批判が相次ぎ、市は「赤字幅を広げない」などの方向性を示していた。住民投票やその結果に伴う議会判断など混迷を深める宮古地区の合併論議。今後、本会議で同様の判断が下された場合は他町村からの反発が相次ぐことが懸念されている。

 同条例案に反対したのは嵩原弘、棚原芳樹、宮城英文、上里樹の4氏。賛成は奥平一夫、亀浜玲子、池間青昌の3氏。
 反対意見を述べた嵩原氏は「合併後の条例は平良市に準ずるとしている。今回の改正は市民だけでなく他町村にも影響を及ぼす。当局は未収額についてもっと徴収を強化するなど自助努力が必要」と、反対の理由を述べた。
同改正案は現行の1人当たり平均年間税額を4万4187円に引き上げるもので、増額幅は3296円(8・06%)。
 平良市では7年連続で国保税の収納率が国の交付金確保に必要な92%を下回り、02年度での累積赤字額は9億8000万円にまで膨れ上がった。
 合併協議でも平良市の国保赤字については他町村から「なぜ、赤字を合併後の新市に持ち込むのか」「合併までに赤字を解消すべき」など厳しい意見が相次いだ。
 しかし、9億円以上の赤字を解消することは現実的に不可能で、平良市は「現行の赤字額を増やさない。縮小に努力する」との意向を示し、03年度は単年度黒字か赤字を出さない方向で取り組んでいる。
 現在開会中の他町村議会でもこの問題について議員から質問が相次いでいる。下地町の一般質問でも議員から質問された川満省三町長は「赤字解消が無理なら単年度黒字を出すことが確認されており平良市は条例を改正する」との答弁を行っている。
 収納率の向上などに加えて今回の税率アップの条例改正案は当局側が示した赤字解消に向けた複合的な策の1つだった。
 市議会野党議員団の川満俊夫会長は「現段階では委員会決議を尊重する」としていることから少数与党の伊志嶺市政では本会議でも「否決」の公算が大きい。市議会が「否決」の判断を下した場合、他町村からの異論続出は必至の状況となっている。

top.gif (811 バイト)

番号あった!/県立高校で合格発表

 2003年度県立高校の合格発表が17日、県内各高校で一斉に行われた。宮古地区の5高校では午前8時ごろから、推薦入学者132人を含む計684人の合格者番号が一斉に張り出された。

【 宮古高 】
 県立宮古高校(狩俣幸夫校長)では午前8時15分から、普通科236人(うち推薦入学者48人)、理数科80人(同24人)の計316人の合格者番号が張り出された。
 早朝から家族や友人らとともに合格番号を確認しに来た受験生たちは、自分の番号を見つけると「あったー。合格だ」「やった、やった」と飛び跳ねたり抱き合ったりして喜びを分かち合うなど、いつもながらの合格発表光景が繰り広げられた。
 同校の普通科には、実定員(推薦入学を除く)192人に対し181人が志願、倍率0・94倍。理数科には実定員56人に対し志願者67人で倍率は1・20倍だった。

 写真説明・合格番号を見つけ、大喜びする受験生やその家族=17日、宮古高校

【 宮古農林高校 】
 県立宮古農林高校(下地恵吉校長)の入学試験合格発表は午前8時15分ごろ、同校内で行われた。職員らが合格者の受験番号が記載された掲示板を掲げ、高校入試の合否を伝えた。合格した受験生らは「(番号が)ある。やったー!」などと喜びを爆発させた。
 同校の合格者は生物生産科が31人、環境工学科が28人、生活福祉科が33人の計92人。
 同校には朝早くから受験生やその父母らが大勢訪れ、掲示板が掲げられるのを待った。言葉も少なく会場は静かだった。
 その静まりが午前8時15分になると一転、女子受験生は「きゃー、やったー」などと絶叫。男子受験生もガッツポーズを見せながら喜んでいた。

【 翔南高 】
 県立翔南高校では午前8時ごろ、合格者番号が張り出された。合格発表に訪れた受験生は自分の受験番号を見つけると「やった」、「受かった」などと歓声を上げ大喜びの様子だった。
 番号を確認すると受験生らはその場で携帯電話で家族、友人らに連絡。笑顔で合格の喜びを伝えていた。
 中には受験番号の写真を撮ったり、自分の受験番号の前でカメラ付き携帯電話で記念撮影する受験生の姿も見られた。
 同校では海洋科学科に24人、食品科学科に24人、商業科に58人計106人が合格した。
 午後からは合格者オリエンテーションも行われ、4月から始まる高校生活に胸を躍らせていた。

【 宮古工業高 】
 県立宮古工業高校(内間誠治校長)では午前8時、掲示板に合格者の受験番号が張り出された。時間前から掲示板の周辺には受験生や父母らが落ち着かない様子で待っていた。張り出されると一斉に受験番号を確認。番号を見つけると「あった。あった」「良かった」の声が上がり、友人同士や親子で手を取り合う姿が見られた。番号を確認すると早速、その場から携帯電話で家族や友人らに連絡、言葉を弾ませていた。
 同校では自動車機械システム科機械システムコースに20人、同自動車コースに20人、電気情報科電気技術コースに20人、同情報技術コースに20人、生活情報科フードデザインコースに8人、同服飾デザインコースに16人の計104人が合格した。

伊良部高 】
 県立伊良部高校(比屋根充校長)では、普通科の特進コースに34人、総合コースに32人の計66が合格した。総合コースの一般試験で、県外から初めて女子1人が合格した。両親が宮古出身という。
 午前十時から校舎の壁に合格者の受験番号が張り出されると、会場を訪れていた受験生や父母らは番号を確認し、「合格だ」「やった」などと歓声を上げた。
 同校は、町内の中学校2校と連携型の中高一貫教育を実施している。少子化の影響で、今回の1次合格者は前回より12人少なかった。
同校では、新年度から2学期制を導入する方針。

top.gif (811 バイト)

航空機事故を想定/宮古空港・本番さながらで訓練

 宮古空港保安委員会(委員長・伊志嶺亮平良市長)の2003年度航空機事故・消火救難総合訓練が17日、宮古空港エプロンで行われ、関係機関が事故発生時のそれぞれの取り組みを確認し合うとともに参加した144人による本番さながらの訓練が展開された。
 今回の訓練は、B737型機が滑走路に進入着陸の際、着立停止制御不能になり滑走路を逸脱して炎上。乗組員40人中重傷者2人、軽傷者10人などを想定して行われた。
 事故発生のサイレンとともに消防車、救急車、パトカーなどが現場に駆け付けて消火と救助作業に当たった。同訓練は、宮古空港における航空機事故を想定し、各関係機関が緊密な連携を保ち、消火救難活動および医療救護活動を迅速かつ適切に行い、被害の軽減を図ることなどを目的に毎年実施している。
 参加者たちは真剣な表情で訓練に挑み、実際に事故が発生した場合の役割などを確認していた。

 写真説明・宮古空港における航空機事故発生を想定して関係機関が訓練を行った=17日、宮古空港エプロン

top.gif (811 バイト)

平良中で道徳特設授業/ミュージシャンの下地暁さん

 平良市立平良中学校(渡真利信雄校長)で17日、地元で活躍するミュージシャン下地暁さんを講師に招いた道徳の特設授業が行われた。下地さんは「両親がいなければ、自分の存在はなかった。父親、母親を大切に思う」と家族への思いや古里・宮古島への思いを、自作の歌を織り交ぜながら生徒たちに語った。
 特設授業が行われたのは1年1組で、まず担任の伊波裕子教諭が下地さんに活動の様子を質問する形式でスタート。後半は下地さんが音楽仲間と一緒に、宮古方言が入った自作の歌を歌いながら、生徒たちに「夢を持ち続けて」とアドバイスした。
 下地さんは東京で有名なミュージシャンたちと活動を共にしていたころや、宮古島に帰郷したきっかけ、その後の宮古島での活動を紹介。「宮古島に帰って来たとき、子供たちが方言を話せなくなっていることに驚いた。自分は方言が好きで、方言を子供たちに伝えたいという思いがあった」、「宮古に居て何ができるか、との思いで活動している。ラジオのスタジオも自分でつくった。宮古に居ても全県にラジオ放送はできる」「宮古にもエイサーが広まっているが、宮古独特の文化はやはりクイチャーだ。それでクイチャーフェスティバルを考えついた。構想は8年ほど前から持っていて、これまでに2回開催した」などと話した。
そして18年前に作った曲「ふるさと」を歌い、歌詞に込められた古里、両親の思いを歌を通して生徒たちに伝えた。

 写真説明・方言を織り交ぜた自作の歌を歌いながら古里への思いを伝えた=17日、平良中学校

top.gif (811 バイト)

伊沢さんら5人を表彰/日本消防協会・長年、地域防災に寄与

 消防団員として30年以上の長きにわたり職責を全うした宮古広域消防組合消防団長の伊沢忠さんら5人に日本消防協会からの勤続章の表彰状が17日伝達された。
 伝達式は同日午後4時から同組合事務所で行われ、渡真利定一消防長は「長きにわたり、郷土愛に燃えて地域の防災に寄与されたことに対し、敬意を表する。健康に留意し、今後も地域防災の実現にまい進していただきたい」と祝福した。
 次いで、県消防協会宮古地区支部長の伊沢忠さんから、1人ひとりに表彰状が手渡された。
 表彰された5人を代表して伊沢さんは「30年間の経験は体に染み込んでいる。今後も経験を生かし市民の生命、財産を守るために団員一丸となり頑張っていきたい」と喜びを語った。
 5人の表彰は2月23日に東京都で開催された日本消防協会定例表彰式で行われたが、出席できなかったため、この日表彰伝達となった。
 表彰された皆さんは次の通り。
 ▽伊沢忠宮古広域消防組合消防団長(勤続年数35年)▽砂川朝春同班長(同)▽池間貞夫同副団長(同)▽砂川栄徳同分団長(同30年)▽平良玄徳同班長(同)

 写真説明・長年消防団員を務め永年勤続表彰を受けた皆さん=17日、宮古広域消防組合事務所

top.gif (811 バイト)


top.gif (811 バイト)