200平成1 6  17 曜日

2村議を解職請求/多良間村・住民グループが署名提出

 【多良間】4日に行われた多良間村臨時議会で、村当局が合併の是非を問う住民投票の結果を受けて提案した宮古地区合併協議会からの脱退案が賛成少数で否決されたことで、議員2人のリコール署名運動を展開していた合併反対派の住民グループ「多良間村の自治と自立を推進する会」(高江洲常功会長)は15日、リコールに必要な署名を村選挙管理委員会へ提出した。村選管では19日の定例会で選挙人名簿の照合を行う。受理されれば7日間の縦覧期間が設けられ、その後50日以内にリコールの賛否を問う住民投票を実施する。住民投票で投票者の過半数がリコールに賛成すれば、議員の補欠選挙が行われる。

 自治を推進する会では、住民投票の結果が無視されたとしてリコール運動に踏み切った。合併賛成派の住民グループ「多良間の未来を考える会」の会長を務める西平幹氏と、副会長を務める石原朝英氏の2人の議員に対する解職請求を行った。署名は、2月16日付で選管から署名運動を行う代表者証明書の交付を受けて開始。有権者の3分の1以上(334人)の署名運動を実施し、西平氏に429人、石原氏に427人の署名を集めた。
 自治を推進する会は「何のための住民投票だったのか。私たちの声はどこへ訴えればいいのか。法的拘束はないが住民投票は神聖なもの。わずかな差でも民意を尊重してほしかったが、認められなかったのでリコールに踏み切った」と話した。
 自治を推進する会は、昨年9月に兼濱朝徳村長へ住民投票条例制定の請求書と条例案を署名とともに提出。村当局はこれを受け住民発議として10月の臨時議会へ条例案を提案したが、賛成少数で否決された。その後、再び村当局が当局案として一部改正した条例案を提案し、全回一致で可決された。
 住民投票は2月1日に実施され「合併しない」が476票、「合併する」が439票となり、37票の小差で合併反対が上回った。投票率は92・61%。

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各中学校で卒業式/きょう高校入試合格発表

 宮古地区の県立高等学校5校の合格発表がきょう17日に行われる。高校受験という試練を乗り越えた中学3年生に花満開の春が訪れる。
 宮古地区では16日、13の中学校で卒業式が行われた。各校の卒業生たちは恩師、父母、後輩たちの温かい笑顔に見守られ、3年間通った思い出の学びやを後に、これから始まる新生活に向けて気を引き締めていた。

 各高等学校の合格発表予定は▽宮古高校(午前9時ごろ)▽宮古農林高校(午前8時15分ごろ)▽翔南高校(同)▽宮古工業高校(午前8時ごろ)▽伊良部高校(午前9時ごろ)―となっている。

 写真説明・くす玉で卒業を祝福=16日、平良市立平良中学校

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逃亡と証拠隠滅の恐れ/老女殺害事件・容疑者拘置理由開示

 1998年7月17日に平良市西原の真謝漁港近くの道路脇で城辺町新城に住む無職、城間カ子メガさん=当時(85)=が他殺体となって発見された事件で、殺人容疑で逮捕・送検されている下地フジ子容疑者(63)=同町新城=の拘置理由開示が16日、那覇地方裁判所平良支部で行われた。溝國禎久裁判官は「逃亡と証拠隠滅の恐れがある」と拘置理由を説明した。意見陳述で下地容疑者は涙を浮かべながら「親しくしていたのにどうして私が殺せるか」と頑なに無実を主張した。
 溝國裁判官は下地容疑者の被疑事実を説明した上で、「下地容疑者が黙秘権を使用していることが拘置延長の理由ではない。関係者の供述などから下地容疑者を疑う理由はある。また、拘置しなければ逃亡、証拠隠滅を図る恐れがある」と述べた。
 対する弁護団は「被疑事案と容疑者には何の関係もない」とし、「自白強要のための拘置は認められない」と強く反発。
 続けて「沖縄本島の家族が病気という知らせを受け、看病するため宮古を出たことはあるが、そのことで『逃亡の恐れがある』というなら認められない」、「容疑者の住む集落は世帯数約170戸、人口約250人の小さな集落。証拠隠滅は困難だ」と反論した。
 逮捕後、初めて公の場に姿を現した下地容疑者は長袖のシャツと黒っぽい長ズボン、サンダル履きという服装で、逮捕前に骨折していたという左足にギブスをはめ、足を引きずりながら入廷。「(捜査員は)カ子メガさんの息子の名前を使ったり、十字架を向け『神様に謝れ』、『(カ子メガさんの)死体の写真を見せようか』などと問い詰める。私は犯人でないのに詫びなければならないのか」と取り調べに対し不信感をあらわにし、「私は殺(あや)めるようなことは絶対にしていません」と無実を訴えた。
 また、取り調べに対し「今後も黙秘を貫く」と強い姿勢を示した。
 同支部では3月1日から20日間の拘置を認めており、弁護団が12日に拘置理由開示を請求していた。また、拘置延長を不服とし、最高裁判所に特別抗告している。

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「ここで卒業したかった」/城辺中卒業式・

全壊体育館、修復工事間に合い安ど

 昨年9月の台風14号で屋根や窓ガラスが吹き飛ばされた城辺町立城辺中学校体育館で16日午前、同校の2003年度卒業式が行われた。卒業生らは「体育館を修復する工事が間に合って良かった。ここで式ができて本当にうれしい」と喜びながら、真新しい体育館で門出した。
 同校体育館は台風の影響で全壊した。屋根は吹き飛ばされ、床は水浸しになり、窓ガラスもほとんどが割れた。このために体育の授業や運動部活動は一切行えず、生徒たちは通常の学校生活を送れなかった。
 そんな中で、生徒たちは一致団結して復旧作業など各種活動に全力を尽くした。休日も返上して学校に集まり、予定されていた運動会も延期することなく実施した。砂川和也君は答辞で「あまり練習ができない中、組体操のピラミッドやタワーを成功できたことが最高の思い出」と語った。佐久本茂美校長は「運動会が迫る中、皆さんが力強く立ち上がる姿はりりしく、その不屈の精神に感動せずにはいられなかった」と声を詰まらせながら式辞を述べた。
 台風災害という未曽有の困難を乗り越えてきた計31人の卒業生。卒業式では、その多くがあふれる涙をこらえきれなかった。男女を問わず目頭を押さえる姿は在校生や父母らの涙を誘い、会場はすすり泣く声であふれた。
 生徒会長を務めた新城舞子さんは「ばらばらになったここ(体育館)で卒業したかった。私たちを支えてくれたすべての人々に心から感謝しています」との言葉。大粒の涙をこぼしながら、懸命に声を振り絞った。

 写真説明・修復された体育館で式を迎えることができた卒業生たち=16日、城辺中学校体育館

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友利恵勇さんが受賞/読売新聞・第32回医療功労賞

 「第32回医療功労賞」(主催・読売新聞社)の中央選考結果がこのほど発表され、県内では平良市西里で宮古歯科医院を経営する友利恵勇さん(70)=写真=の受賞が決まった。友利さんは45年間にわたり歯科医師として宮古各地で活躍、その功績が高く評価された。受賞について友利さんは「長年頑張ってきて良かった」と笑顔で話した。表彰式は今月22日、東京都内で開催される。
 この賞は、長年にわたり専門分野で職務に励んで功績をあげた医療従事者を表彰するもの。今回は国内で16人、海外では2人が受賞する。
 友利さんは平良市西仲宗根の出身。1958年に日本大学歯学部を卒業し、同年、平良市内の歯科医院で勤務。60年から国立宮古南静園の常勤歯科医として働いた。62年に宮古歯科医院を開業している。
 この間、友利さんは伊良部島や池間島など宮古の各離島にも出向いて子供たちの診療を行うなど、へき地における歯科医療の確保にも尽力してきた。
 今回の受賞について友利さんは「当時は歯科医が六人しかおらず、大変な時代だった。その中でよく頑張ってきたと思う。宮古島という故郷で仕事をして良かった」と話した。その上で「こういう賞をもらって引退してもいいかなぁとも思うが、体が健康なうちは続けたいと思っている」と笑顔で話していた。

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医療費ゼロの世帯表彰/平良市・1年間家族全員病院行かず

 平良市は2002年4月から03年3月までの1年間家族全員が病院に行かず医療費がゼロだった世帯を16日、健康優良家庭として表彰した。伊志嶺亮市長は「心も体も1年間、健康で過ごした皆さんは、市民の模範となる。市にとって、健康な100歳への挑戦は大きなテーマ。そのテーマを達成するためにも、これからも健やかな家庭を築いてください」と激励した。
 市の国民健康保険事業は近年、医療費の高騰で厳しい運営を余儀なくされているが、医療費がゼロだった世帯を表彰することで健康に対する意識を高めることと医療費を抑制することがねらい。市の国保加入世帯は約7000世帯で、1年間保険税の未納がなく医療費ゼロだったのは187世帯だった。

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