200平成1 6  16 曜日

合併住民投票、不成立なら議会と調整/川満下地町長が議会一般質問で

 開会中の下地町議会(川満廣俊議長)3月定例会は15日、一般質問を行い、9氏が登壇して町当局の姿勢を正した。28日に実施される下地町の住民投票の合併についての意思を問う住民投票についての質問で川満省三町長は「結果を受け民意を尊重する」との姿勢を改めて強調。「投票率が50%未満で成立しなかった場合は、法定合併協議会から離脱するのか継続するのかを議会と調整していきたい」と述べた。同町では住民投票へ向けた住民説明会を22日から各部落で開催する。

 質問には垣花武一、村吉順榮、川満克佳、池間健榮、川平洋、仲里誠高、古波蔵小夜子、嵩原富三、松永恵茂の九氏が登壇。2004年度姿勢方針について市町村合併と質問が集中した。
 池間氏は「投票率が低い場合はどのような判断をするのか。合併反対が多かった場合は、法定合併協議会からの離脱を求めるのか」と質問。これに対し川満町長は「合併反対が多かった場合、法定協議会からの離脱には議会議決が必要。結果次第で議会へ提案していく」「投票率が50%を下回った場合は開票しない。議会と調整し判断していきたい」と答えた。
 嵩原氏は合併した場合、旧市町村の決算で赤字が発生した場合や国保累積赤字の対処について「新市の予算から補てんするのか」「赤字を抱えている平良市や伊良部町と合併し、なぜ他の町村までも赤字をかぶらなければならないかとの声も住民からある」と町長の見解を求めた。上地廣敏総務課長は「赤字に対する予算の繰り上げはない」と説明。川満町長は「国保については赤字解消が無理なら単年度で黒字を出すことが確認されている。平良市は条例を改正する。こうした努力が赤字解消につながると思う」と述べた。
 住民説明会について「正しい判断ができるような情報提供を求める」「すでに合併した地域のその後の様子についても情報提供してほしい」などの要望が挙がった。
 代表監査委員の仲松義雄氏は、同町が約8割を出資する第3セクター、コーラル・ベジタブル社の第4期決算について不自然な点があるとして下地町を考える会が行った監査請求の結果について報告。「生産農家からの聞き取りや金融機関からの説明を受けるなどして調査した。コーラル社の決算報告の信ぴょう性は高い」と述べた。
 垣花氏と仲里氏は東急電鉄がリゾート計画用地として与那覇地区で購入した土地について質問。垣花氏は「まだ開発されていない部分もあり、それが地主に知らされず与那覇部落以外の人と売買されているのが明らかになった。行政が企業を指導し、地主と売買するよう指導できないか」と求めた。これに対し川満町長は「地主に報告し売買調整すべきだった。売買については企業と買い手との相談による」とした。

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現行給与堅持を主張/平良市労職・職員給与削減問題で

 自治労連平良市職員労働組合(奥原一秀執行委員長)は15日、市役所内の同組合事務所で会見を開き本紙7日付の「職員給与引き下げ検討」の報道に伴う職員給与削減問題について見解を述べた。奥原委員長は「当局に説明を求めたが『給与カットを検討している事実はない』との回答を得ている」と説明。その上で、「当局はできる限りの自助努力について検討すべきで先に職員給与カットが表に出ることはおかしい」と述べ、状況的に職員給与について当局側が削減案を打診する可能性が高いことから現行給与を堅持する構えを示した。

 会見では、組合としても厳しい財政事情には危機感を持っていることを説明した上で、今月8日に行われた予備交渉で当局側に▽2003年度以降の試験合格者の採用を行わない▽部長制度の廃止▽徹底した課の統廃合▽補助率が低く一般財源の負担が大きい公共工事(根間地区整備・パイナガマ公園など)の一時凍結―など6項目を要求したことが報告された。
 また、合併を控え他町村の首長から「厳しい財政の中で市職員の給与も検討すべき」との意向があることについては「事実ならば越権行為。給与カットが合併の『踏絵』になるのであれば本筋を逸脱している」と厳しく批判した。また、市の財政理由が厳しい要因として、他町村も共有する港湾事業や空港関連整備などに伴う地方債の償還があることも指摘した。
 同日、本紙の取材に対して糸数健総務部長は「職員給与削減を現段階で検討はしていないが、人件費は歳出の約20%を占める。抑制の考慮対象には入る」と、今後の交渉に配慮して職員給与削減については明言を避けた微妙なコメントとなった。また、次回交渉については「できれば今月中にも行い、組合の要求についても見解を示したい」と述べた。
 8日の予備交渉は当初、職員給与を含めた歳出抑制についての予備交渉を行う予定だったが7日付の本紙報道の中身と情報の入手経路について議論が集中、交渉は物別れとなっている。

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国立劇場にクイチャー/宮古民謡歌手 国吉源次さんら出演

 【那覇支局】国立劇場おきなわに初めて、クイチャーのはやしの声が響いた。同劇場開場記念公演第7週「三線音楽の伝統と創造」の2日目にあたる13日夜、奄美・宮古・八重山の民謡が披露され、それぞれの地域独特の歌が観客を魅了。宮古民謡では、その第1人者である民謡歌手、国吉源次さんたっての希望でクイチャーの演舞が取り入れられ、会場を沸かせた。地謡(じかた)を務めた国吉さんは「これ以上にない素晴らしいクイチャーだった。自信を持って言える」と胸を張った。
 国吉さんの元に届いた依頼は当初、「なりやまあやぐ」と「伊良部トーガニー」を歌ってほしいというものだった。しかし国吉さんは「どんなに歌ってもクイチャーの力にはかなわない」と押し切り、国立劇場でのクイチャー公演を実現にこぎつけた。
 出演したのは国吉さんと仲宗根豊さんの民謡歌手に加え、「新城クイチャー保存会」のメンバーと国吉さんの門下生ら、地謡、踊り手合わせて45人。宮古民謡は、八重山民謡と奄美民謡の後、この日の第1部のトリを飾った。
 国吉さんと仲宗根さんが歌う「なりやまあやぐ」に続き、「漲水ぬクイチャー」が披露された。足を踏み鳴らしての勇壮な踊りに、観客からは惜しみない拍手が送られた。出演者は「楽しかった」「この舞台を踏めて幸せ」と一様に笑顔だった。
 「(開場記念公演で)どうしてもクイチャーを見せたかった」と国吉さん。全く乱れのない踊りを見せた出演者をたたえ、「これだけの大舞台にふさわしい踊りだったと思う」とかみしめるように話していた。

 写真説明・国吉さん(中央)らの歌に合わせて勇壮なクイチャーの演舞が披露された=13日、浦添市の国立劇場おきなわ

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渡真利、下地4段が勝ち進む/本社主催 宮古本因坊戦1次予選

 第26期宮古本因坊戦(主催・宮古毎日新聞社、主管・日本棋院平良支部、協賛・こすみ囲碁教室)の1次予選(4段以下)が14日、同囲碁教室で行われ、渡真利清4段と下地春義4段の2人が2次予選に駒を進めた。
 対局に先立って開会式があり、本社の松原清吉編集局顧問が「悔いのないよう持てる力を十分発揮してください。名勝負を期待している」と参加者を激励した。
 同予選には12人が参加。対局は2つのブロックに分かれて、互先のトーナメント方式で行われた。
 対局は午前10時すぎから始まり、各盤上では強烈な攻めや絶妙なしのぎありの熱戦が繰り広げられた。
 Aブロックの決勝に勝ち上がったのは渡真利4段と砂川稔4段の2人。両者の対局は渡真利4段(黒番)が早い時期に白大石を仕留め優位に立った。その後、右上隅で大きなコウ争いが生じ、白に逆転のチャンスが訪れたが、ここでもコウ材が足りず最後は渡真利4段が地合いで大差を付け勝った。
 Bブロックは下地4段と豊見山徹3段の対戦となった。序盤は黒番の豊見山3段が、要石を取り形勢をリード。白はこれに地をじっくり取り対抗。その後の中央での攻防が勝負所となったが、ここで白はうまくしのぎ、この時点で地合いに差が付き下地4段が逃げ切った。
 渡真利、下地両4段は「(2次予選では)1勝を目指し頑張りたい」と抱負を語った。

 写真説明・2次予選進出を目指し熱戦が繰り広げられた=14日、こすみ囲碁教室

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会場いっぱいにハーモニー/平良市少年少女合唱団定期演奏会

 平良市少年少女合唱団(佐渡山力団長)の第26回定期演奏会が14日、マティダ市民劇場で開催され、約60人の団員たちが美しいハーモニーを会場いっぱいに響かせ、日ごろの練習の成果を披露した。舞台では合唱のほかボディーパーカッション、歌でストーリー展開した合唱組曲「ちいちゃんのかげおくり」などさまざまな表現で日ごろの取り組みを発表。会場に詰め掛けた父母らから盛大な拍手を受けた。
 同合唱団は今年で結成30周年の節目を迎える。記念事業として、記念誌の発刊や歌声を収録したCD制作などを計画している。定期演奏会は多くの市民に児童・生徒たちの活動を発表し楽しんでもらうために開催してきた。
 この日の演奏会には同合唱団に所属する小・中学生や団員OBの高校生たちが出演。舞台は3部構成で行われ、このうちメーンとなる第3部は、合唱組曲「ちいちゃんのかげおくり」。戦時中を舞台にした物語を歌でストーリー展開しながら表現した。時折涙をぬぐう観客の姿も見られ、児童・生徒たちの熱のこもった演出に魅了されていた。
 祝辞を述べた伊志嶺亮市長は「多くの子供たちが合唱を通して友情の輪を広げている。これからも応援してほしい」と協力を求めた。

 写真説明・総勢約60人の団員たちが出場し日ごろの練習の成果を披露した=14日、マティダ市民劇場

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新校舎に歓声/城辺小・児童たち「勉強頑張ります」

 昨年9月から改築工事が進められていた城辺町立城辺小学校(仲宗根直子校長)の校舎がこのほど完成し、15日から供用が開始された。児童たちは真新しい校舎での授業開始に大喜び。同日行われた利用開始セレモニーでは全員で誓いの言葉を読み上げ「新しい校舎で一生懸命勉強に励みます」と約束した。
 同校の校舎は老朽化に伴って昨年9月に改築工事に着工。総工費4億7900万円を投じ、今年2月末まで工事が進められてきた。この間、児童たちはプレハブの校舎で学習してきた。校舎は鉄筋コンクリート造りの2階建てで、1階、2階を合わせた床面積は2049平方メートル。校舎屋根には赤瓦を取り付けた。
 開始セレモニーは午前8時30分から校舎玄関前で行われた。はじめに全校児童で校歌を元気良く歌った。この後、仲宗根校長が「城辺町の大人の皆さんが、『いい子に育ってほしい』という願いを込めて校舎を造ってくれました。その気持ちを忘れず大切に使ってください」と呼び掛けた。
 続いて前児童会長の仲間祐太郎君(6年)と現児童会長の仲間樹君(5年)が先頭に立ち「新しい校舎でみんなと仲良くします。一生懸命勉強してすなかぎくがにを目指し、心と体を鍛えることを誓います」と約束、全校児童も声をそろえた。
 最後は仲宗根校長と各学年代表でテープカットを行い、新校舎の利用開始を祝った。
 今年卒業する仲間祐太郎君は「卒業式までに新しい校舎を一度でも使いたかったのでとてもうれしい。校舎を造ってくれた城辺町や業者の人たちに感謝しています」と話していた。

 写真説明(上)・テープカットで校舎の利用開始を祝う児童たち=15日、城辺小学校校舎玄関前
 写真説明(下)・供用を開始した城辺小学校の校舎

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