200平成1 6  13 曜日

プレス機の配線切断/平良市西原・宮古の廃車処理に打撃

 12日午後2時ごろ、平良市西原の廃車置き場にあるリサイクルプレス機の制御配電盤の配線が何者かによって切断されていると、処理会社の作業員から宮古署に通報があった。通報を受けた宮古署は現場に署員を送り、被害状況や指紋採取などの捜査に取り掛かった。プレス機は離島再生資源事業協同組合(平良市、櫻井賢恵理事長)が委託した関西の業者の所有。イタリア製で日量120台の廃車処理能力があり、価格は約5000万円。今月6日には同社の作業員が異常のないことを確認しており、それ以降の6日間に切断されたものとみられる。被害額は100万円以上で、修理には2週間程度を要するという。同日夕には伊志嶺亮平良市長が現場を訪れた。伊志嶺市長は廃車処理のスムーズな進行を期待していただけに「情けないこと」と悪質な行為に怒りを露わにした。

 プレス機は昨年10月に同組合が関西の処理会社に依頼して宮古島に持ち込んだ。本体の重量は約28トンだが、可動式で移動コストが少なくて済むことから、ニーズの高い機種だ。組合顧問の男性(52)によると、すでに宮古島で1100トンの廃車を処理した実績がある。被害に遭った現場には約3000台の廃車が山積みとなっているが、最短で2週間で処理できるという。
 男性は4年ほど前から宮古島でスクラップ廃材などを回収して輸出する事業を行っている。放置自動車や廃車の野積みが多い宮古島の現状を改善しようと、行政とも連携しながら、廃車の無料処理を計画している。被害現場でも来週から処理作業に入る予定だった。
 男性は「宮古島をきれいにしようと廃車処理を考えた。行政や住民に協力するという意味で、無料での処理を申し出ている。こんなことではいつまで経っても宮古島はきれいにならない。こんなことが起こるとは、情けない」、「このプレス機だと、1年程度で宮古島の廃車を処理できるのに」と憤った。男性によると、中国の鉄需要が近年高まり、鉄くずの価格が高騰しているため、それをねたんだ嫌がらせの可能性もあるという。切断された制御配電盤はプレス機の「心臓部分」で、プレス機の構造に詳しい者の仕業だと見ている。
 知らせを聞いて急きょ、現場を訪れた伊志嶺市長は「情けないこと。(組合には)廃車処理などで宮古の環境問題に協力してもらっていたのに、この心ない行為は大きな痛手。残念でならない」と話し、また宮古署に一緒に現場を確認するよう依頼。現場に来た担当署員に「しっかり調べるよう」求めた。

 写真説明(上)・制御盤(写真左側)の配線が切られ、その周りの指紋採取を行う署員=12日午後3時すぎ、平良市西原
 写真説明(下)・悪質な行為に伊志嶺市長も急きょ現場を訪れた=12日午後6時すぎ、平良市西原

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合併推進を表明/浜川伊良部町長が施政方針

 伊良部町議会(友利浩一議長)の3月定例会が12日開会し、浜川健町長は施政方針の中で、「市町村合併により宮古圏域が一体となった自治体を確立する」などと述べ、議会で初めて市町村合併の推進を表明した。
町当局から歳入歳出とも総額42億6625万6000円の新年度予算案など議案・議決案24件が上程された。会期は23日までの12日間。一般質問は16日で、7人が登壇し市町村合併などについて当局の見解をただす。

 施政方針で、浜川町長は「国の方針をみるとき、我が町のような小規模町村は、仕事や責任が縮小され、本来の自治体の仕事が制限されることになり、これまでのような自治体としての運営が極めて難しくなり、その存在意義が問われることになる」と前置き。その上で「財政が厳しい中、市町村合併を見据えながら、町民福祉の向上を運営方針の基本とし施策を決定した」と述べた。  05年度着工に向け着々と進展しており、着工に向けた条件整備に万全を期す」と強調した。
 さらに浜川町長は、新漁村コミュニティ基盤整備事業(佐良浜漁港の待合ターミナル整備)や県と連携したリゾート 誘致による新たな雇用の創出と地域活性化、「健康いらぶ21」の策定、水道の漏水対策、廃棄物処理施設の設置検討―などについて述べ、実現に向けて意欲を示した。  
 この日上程された議案は、新年度の一般会計、特別会計の介護保険・国民健康保険、老人保険医療などのほか、町三役や議員、一般職員の給与カットなどに伴う条例改正、伊良部町敬老祝い金支給条例の一部を改正する条例(「79歳」を「99歳」に改め、「3000円」を「2000円」に改める)―など24件。

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「住民投票と議会のねじれ残念」/兼濱多良間村長が施政方針で

 【多良間】多良間村議会(長嶺春勝議長)の3月定例会が12日開会し、兼濱朝徳村長が2004年度へ向けた施政方針を示した。兼濱村長は「新年度は節目の年に実現した各種事業、諸施設を十分に活用して大きな成果を上げたい」と決意を見せた。市町村合併については「住民結果と議会の議決内容が反するねじれ現象にあり残念に思う。この状況を解消するため明るく住み良い夢のもてる多良間村づくりに向けて前進できるよう努力していく」と述べた。この日は村当局が04年度一般会計予算案など26議案を提案したほか、一般質問も行われ4氏が登壇し村当局に質問した。会期は19日まで。
 施政方針で兼濱村長は村政90周年を迎えた2003年度を振り返り「新年度は節目の年に実現した各種事業、諸施設を十分に活用して大きな成果を上げたい」と意気込み、「村民が主人公の村づくり、心豊かで健康な明るいふるさとづくりの実現を目指して全力を注いでいく所存」と述べた。
 04年度、同村では宮古広域圏事務組合の事業の一環として、ラジオ放送受信障害解消事業が着工され、ラジオ受信障害の解消を図る。
 農業関係では農業用水の確保のため、県営5万トンため池改築建設事業の本工事、10万7000トンため池の漏水修復整備事業が着工。また亀出地区基盤整備事業として七万≠スめ池の建設も実施し、干ばつに備えていく。
 観光産業では、前泊港の使用が新年度から始まるため、普天間港との共用で輸送物資の拡大に期待を寄せている。

・市町村合併に質疑集中/兼濱村長「住民投票尊重すべき」
 【多良間】12日に開会した多良間村議会(長嶺春勝議長)の3月定例会は同日、一般質問が行われ、4氏が登壇し村当局をただした。3日に開いた臨時会で、村当局が提案した宮古地区合併協議会からの脱退についての案が住民投票結果とは異なり賛成少数で否決されたことに質疑が集中。同案に賛成した議員は、反対した議員の道義的責任などについて村長の見解を求めた。兼濱村長は「住民投票と議会にねじれ現象があるのは村にとって望ましくなく、残念に思う。1票でも1000票でも過半数を越えている以上は投票結果を尊重すべきだった」と述べた。
 一般質問を行ったのは美里泰秀、嘉手苅光徳、佐久本昇、西平幹の4氏。このうち3人が市町村合併について質問した。
 美里氏は、合併協議会からの脱退案を否決した議員の道義的責任について質問。これに安里哲参事は「住民投票の結果は確認された民意であり、単に参考ということでなく尊重すべきだったと考える」との見解を示した。
 嘉手苅氏は住民投票の重要性や村民の代弁者である議会議員の姿勢について述べ、兼濱村長の見解を求めた。兼濱村長は「投票結果と議会にねじれがあるのは残念。常識として、1票差でも1000票差でも過半数を越えている以上は尊重すべき」と述べた。佐久本氏は「合併しない」に投票した住民の意見の重要さを主張し、脱退案に反対した議員を非難した。

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臨時職員5人解雇へ/伊良部町公共施設管理公社

 12日に開会した伊良部町議会(友利浩一議長)3月定例会に当局側が上程した2004年度一般会計予算に、同町公共施設管理公社に補助金を支出し臨時職員を雇用していた5人分の給与約500万円が計上されていなかったことが同日、分かった。5人は、4月から解雇されることが事実上、決まった。
 同社は、町の補助金で運営され、公営ゴルフ場「サシバリンクス伊良部」や北区の前里添多目的共同利用施設、南区の長浜多目的共同利用施設などを管理する。
 現在、同公社が雇用している臨時職員は11人。このうち6人がゴルフ場、5人が同施設なとで働いている。
 町総務課は「ゴルフ場を管理するためには、現在の臨時職員6人の雇用は必要」と説明していた。
 補助金約100万円が削減されたことを受け、今月下旬に開かれる同公社の理事会で臨時職員5人の解雇は正式に決まる。
 既に町役場の臨時職員44人の解雇は決定しており、同公社の5人を含めると49人となる。

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北陸地方などから2400人/農協観光がチャーター便

 農協観光チャーター便が12日、北陸地方などから募った約150人のツアー客を乗せて富山空港から宮古島に到着した。宮古空港では宮古観光協会関係者らが歌や三線、横断幕などで盛大に出迎えた。藤村明憲会長は「癒やしの島宮古で英気を養ってください」と歓迎した。このチャーター便は北陸地方からの初便。31日までの期間に本土各地から宮古へ16便が就航し計2400人が訪れる。
 セレモニーであいさつした藤村会長は「宮古はすでに桜も散り、もうすぐ海開きも行う。宮古の海の美しさは沖縄一。宮古の良さを満喫してください」とPRした。
 ツアー客を代表してJA高岡の南林司郎常務理事に、ミス宮古の下地真理子さんから歓迎の花束が贈呈された。
 南林常務理事は「タイムトンネルをくぐって春から夏にやってきたよう。宮古の良さをたっぷり満喫して、その良さを地元で広めたい」と笑顔を見せた。
 ツアー客は2泊3日の予定で島内の観光スポットなどを巡る予定。

 写真説明・ミス宮古の下地さんから南林常務理事に花束が贈呈された=12日、宮古空港

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『たまQちゃん』 90トン出荷/城辺町たまねぎ生産研究会

 城辺町で栽培されているタマネギ「たまQちゃん」の2003年期作の出荷がスタートした。12日にJAおきなわ城辺支店野菜集出荷場で出荷セレモニーが行われ「城辺町たまねぎ生産研究会」(松原秀樹会長)のメンバーをはじめ、城辺町役場、JAおきなわなど関係機関の職員が参加して「甘くて、やわらかい」タマネギの出荷を祝った。今年のたまQちゃんの出荷量は計90トン。主に沖縄本島内で販売される。
 今年度のたまQちゃんは23戸の農家が計325アール(前年度比90アール増)で栽培した。同研究会が発足してから5年目となるが、年々生産農家戸数、出荷量ともに伸びている。03年期作のたまQちゃんは昨年9月に播種、同11月には苗の定植が行われた。マルチ張りの時期の降雨続きにより定植は遅れているが、生育状況はおおむね順調という。
 出荷セレモニーで生産研究会の松原会長は「研究会が発足して5年目になるが、生産者の皆さんも生産拡大という大きな目標に向けて自信をつけていると思う。これまで以上に産地化の確立を進めていきたい」と話した。
 たまQちゃんの品種は「F50」。サラダ用とされ、その甘さが各地で好評だという。現在はJAおきなわを通じてサンエーに出荷され、沖縄本島を中心に販売されており、JAおきなわなど関係機関は、さらなる生産と販路の拡大を目指している。

 写真説明・たまQちゃんの出荷を喜ぶ生産農家ら=12日、JAおきなわ城辺支店野菜集出荷場

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