200平成1 6  11 曜日

池間湿原など5カ所/平良市自然環境特別保全地区・

審議会が市長に答申

 「平良市自然環境特別保全地区」について、伊志嶺亮市長から諮問されていた市自然環境保全審議会の来間泰男委員長は10日、伊志嶺市長に対して「池間湿原地区など市内5カ所を特別保全地区として保全していく必要がある」との答申を行った。これを受けて伊志嶺市長は「慎重審議に感謝している。この答申内容を踏まえて指定地域の保全に取り組んでいきたい」と述べた。今後、当局では今回示された5カ所について各種手続き、課題などをクリアして早急に特別保全地区として指定していく方針。

 今回、同審議会が示した保全地区は池間湿原地区(約35.8ヘクタール)の他に大野山林(約173・9ヘクタール)、島尻マングローブ林地区(約23・1ヘクタール)、フデ岩地区(約0・6ヘクタール)、サンシンパナリ地区(約2・9ヘクタール)となっている。
 来間委員長は「諮問後2回の会議や現地調査など慎重に審議を重ねた。一部には漁業権設定があるなど指定に向けてクリアすべき課題もあるので早急に地区指定に向けて取り組んでほしい」と述べた。
 各地区の指定理由としては池間湿原が水草が繁茂し、水面部分を狭めている状況から水草を除去し、現在は淡水化が進んでいることから淡水、海水のそれぞれの部分に分けて保全方法を工夫すべきとした。
 大野山林は、リュウキュウキンバトの進入やカラスバトの繁殖が認められることから開発行為など人の手を加えないことが望ましい。
 島尻マングローブ林は、貴重な鳥類の餌場や休憩所となっている。しかし、共同漁業権が設定されていることから十分考慮すべき。
 そのほか、フデ岩は、観光目的などで自由に上陸しているが野鳥の繁殖季節は期間を定めて上陸できないよう規制すべきで、関連する一連の岩を含めて指定すべき。
 サンシンパナリは10カ所の離れ岩礁に渡り鳥が飛来していると思われ、一帯のすべての岩を指定すべき―などとなっている。
 特別保全地区に正式に指定されれば植物の伐採、撤去は届け出が必要となり市長が判断する。また、開発行為についても500平方メートル以上は届け出が必要になる。
 これまで平良市は同審議会からの答申を受け保全樹16種60本、保全動物7類79種、保全植物30科36種を指定している。

 写真説明・5カ所の自然環境特別保全地区の1つ池間湿原。水草の繁繁が開水面を狭めており、早急な除去など保全が必要となっている

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観光・環境・福祉に力点/仲間城辺町長が施政方針演説

 仲間克城辺町長は10日開会した同町議会3月定例会で施政方針演説を行った。町の自然資源を活用した観光振興をはじめ、地下水保全のための環境施策、町民1人ひとりの健康の保持・増進を促進する「健康ぐすくべ21」の策定に向けて全力を尽くす姿勢を示した。国の三位一体改革による厳しい財政状況を挙げながらも「住民生活および地域産業の基盤整備を引き続き推進していきたい」と強調した。

 新たな産業創出の場として観光振興ゾーンの設定を打ち出し「重点的な基盤整備を進める」と強調。町の豊かな自然環境を最大限に引き出す考えを示した。
 従来と同様に農業面にも力を注ぎ、農業の持続的な発展を図るため、新規就農者相談窓口を設置し、担い手の確保に努めることを強調。農地の流動化を促進しながらサトウキビや肉用牛、葉タバコの基幹作物、野菜や果樹、薬用植物などの生産拡大を図り、「魅力とやりがいのある農業の確立を目指す」と述べた。労力を軽減するために機械化を促進するほか、優良種苗の増殖普及、農業生産法人の育成・強化、機械化一貫作業体系の確立を進め「農家所得の向上に努める」と強調した。
 葉タバコは廃ビニール処理費の助成、畜産は堆肥舎整備のための町単補助事業の導入を図る。熱帯果樹は都市住民との交流を促進し、オーナー制を取り入れて新たな販路体系を確立することを打ち出した。環境面も重視。仲間町長は「有機物処理システムによるバイオトイレを設置し、し尿の資源化や有機肥料の供給に向けた実証試験を行い、地下水の保全に全力で取り組む」と述べた。
 ほかにも町民まつりを3年ぶりに開催する方針を示したほか、文化財保護の観点から「ウイピャームトゥ」の早期修復も施策に置いた。
 最後に市町村合併についての見解を示し、これまでと同様に「経済活動や歴史認識を共有する宮古圏域が一体となり、圏域の活性化と振興発展に努めることが望ましいと考えている」と述べ、改めて宮古地区6市町村による合併を推進する立場を強調した。

 写真説明・施政方針演説を行う仲間克城辺町長=10日、城辺町議会議場

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手作り弁当で受験生応援/高校入試・家族総出、宮古ならでは

 2004年度県立高校一般入試が始まった10日、各試験会場の昼食時には受験生を励まそうと家族らが手作りの弁当を持ち寄り、ともに弁当を食べながら受験生を励ます宮古ならではの風景が見られた。午前中の試験を終えた受験生たちは家族とともに弁当をほおばりほっと一息。好天の下、つかの間のだんらんで息抜きし午後の試験に備えた。

 このうち県立宮古高校では、昼休みに入る前から多くの父母らが風呂敷包みを持って詰め掛けた。試験終了のチャイムで教室から出てきたわが子にそれぞれ「どうだった?」「大丈夫だった?」などと声を掛ける姿も。中庭では、弁当を広げて受験生と父母らが談笑する姿があちこちで見られた。
 平良市の西辺地区から駆け付けた親泊順子さん(41)は「みんなで応援に来た。お弁当には受かるようにカツを入れた。明日もあるので頑張ってほしい」とエール。祖母のフジ子さん(70)は「孫がたくさんいるので毎年受験の日にはお弁当を持って応援に来ている。こうして一緒に一息つきながらお弁当を食べるのを楽しみにしています」と笑顔を見せた。普通科を受けた奈津子さんは「思ったよりまあまあできた。午前中が終わってとにかく一安心した。また明日も頑張りたい」と気持ちを引き締めた。
 平良中から受験した上地勇樹君は「まだ緊張はするけど今日の試験はできたと思う。数学が得意なので明日の試験を頑張る」、三宅孝平君は「思ったより難しかったが自信は少しある」とそれぞれ感想を話した。母親の三宅徳子さん(53)は「3年連続で受験生がいたので毎年弁当を作っている。特に息子が好きな食べ物を詰めている。やっぱり昼休みには一緒に食事して話をしたい」と話した。

 写真説明・手作りの弁当を家族で食べにぎわう昼食時間。宮古ならではの風景=10日、県立宮古高校中庭

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「美ら島大使」に77人/国仲涼子さんら沖縄をPR

 【那覇支局】沖縄に愛着を持ちゆかりのある人に、沖縄をPRしてもらおうと県が認証する「美ら島沖縄大使」の就任式が10日、那覇市内のホテルで開かれ、県出身の女優・国仲涼子さんらに稲嶺恵一知事から「大使証」が手渡された。大使の1人、九州宮古郷友会副会長の小禄光男さん(59)=平良市池間島出身、熊本県在住=は「正直言って驚いているが、宮古、沖縄県のことをもっと知ってもらえるよう頑張りたい」と笑顔で話した。
 大使は、沖縄の風土や歴史、文化を広くアピールし、沖縄のイメージアップにつながる活動を行う。任期は5年。就任式には認証される77人のうち、60人が出席。「大使証」と顔写真入りの「大使カード」が交付された。
 出席者を代表して、沖縄学研究所所長の外間守善さんは「沖縄の持つ豊かな文化を大使の皆さん1人ひとりがしっかり学んで、沖縄のことを広めるため大いに頑張りましょう」と大使らに呼び掛け。2000年九州・沖縄サミットで首脳らが着たかりゆしウェアを手掛けた、デザイナーのコシノ・ジュンコさんは「沖縄には美や芸の世界に独特の感性があり、可能性がたくさんある。日本中、世界中に沖縄を伝えたい」と力を込めた。
 稲嶺知事は「皆さんの活動によって、沖縄の魅力がさらに発掘、発見され、イメージアップが図られるものと確信している」と述べ、大使就任の77人に謝辞を述べた。
 就任式後の懇親会で国仲さんは「(テレビの)画面を通じて、音楽を通じて、多くの人に『沖縄っていいな』と思っていただけたらうれしい」と話していた。

 写真説明・「美ら島大使」の国仲さん(左)らに稲嶺知事から「大使証」が手渡された=10日、那覇市のロワジールホテルオキナワ

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子供らと一緒にジャガイモ掘り/城辺町シニア活動促進事業

 城辺町(仲間克町長)が取り組んでいる都市農山漁村いきいきシニア活動促進事業の世代間交流として10日、長南高齢者ほ場で地域のお年寄りと西城小学校児童によるジャガイモ収穫が行われた。児童たちはお年寄りたちが掘り起こしたジャガイモを丁寧に集め、会話を楽しみながら作業に汗を流した。
 参加した児童は西城小の4年生12人。同校では総合学習のボランティア活動として参加した。収穫したジャガイモはお年寄りたちが昨年11月に植え付け育ててきたもの。掘り起こすと土の中から大きくなったジャガイモが次から次へと出てきた。 
 児童たちは歓声を上げながら丁寧に拾い集め、お年寄りたちと会話しながら作業を行った。収穫したジャガイモは、同校の給食の材料として提供される。
 参加した下地秀さん(67)は「子供たちが生き生きしている。自分たちが育てたジャガイモを喜んで収穫してくれているのでうれしい」と笑顔だった。

 写真説明・地域のお年寄りと児童たちがジャガイモ掘りで交流=10日、城辺町長南高齢者ほ場

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