200平成1 6  10 曜日

現職 砂川が出馬表明/県議選宮古郡区

 6月6日に投開票される県議会議員選挙宮古郡区の現職砂川佳一氏(60)は9日午後、JAおきなわ宮古支店大ホールで正式に出馬表明した。砂川氏は1期目同様、離島苦の解消に全力を尽くす姿勢を強調。「解決に向けて理論構築し、取り組んでいく」と2期目に向けて強い決意を示した。宮古郡区では砂川氏のほかに、同じ保守系で上野村前助役の西里秀徳氏(61)、城辺町教育委員の下地一美氏(52)が出馬する意向を固めている。伊良部町における候補者擁立の動きがトーンダウンしていることから、同区は3つどもえ選挙の公算が大きくなっている。
 出馬表明は午後3時30分から行われ、会場には砂川氏の大勢の支持者が詰め掛けた。城辺町をはじめ、伊良部町、下地町、多良間村の各首長が出席。川田正一上野村長は欠席した。ほかに牧野浩隆副知事や自民党県連の翁長政俊政調会長をはじめ、各町村議会の保守系議員も顔をそろえた。
 砂川氏の後援会の新城武男会長は「砂川氏は離島振興議員連絡会の幹事長を努めるなど県議会に新風を巻き起こした人物」と評価。「今後も県政与党議員の一員として頑張れるよう支援してほしい」と支持を求めた。
 牧野副知事は「砂川氏は包容力のある人物。離島振興を進める上でも砂川氏の力は大きなものがある」と述べ、盤石な支持基盤づくりを訴えた。自民党県連の翁長政調会長も同様に支持を求めた。
 砂川氏は基本政策に▽調和の取れた経済の自立化を目指し、地場産業の育成に努める▽宮古島の特性を生かしたもうかる農林水産業の振興▽グリーンツーリズムおよびウエルネス計画に基づく観光推進▽伊良部架橋の早期実現および多良間空港の跡地利用を推進し、宮古圏域経済の相乗的発展の実現▽教育・文化・スポーツの振興と青少年の健全育成を図る―など8項目を挙げた。
 政治理念に「宮古にこだわり、ユイマールの精神と不屈のアララガマ魂を基に宮古人の知恵を結集し、プカラス、うむやす、豊かな宮古社会づくりの実現」を掲げた。その上で砂川氏は「皆さまとともに、宮古圏域の発展を確実なものとし、その成果を子々孫々引き継ぐことができるよう一生懸命頑張っていきたい」と決意を述べた。

 砂川 佳一(すながわ・よしかず) 1943(昭和18)年8月1日生まれ。60歳。城辺町砂川出身。66年八幡大学卒業。2000年6月県議会議員に当選、現在は県議会文教厚生委員会委員長などを務める。妻・博子さんとの間に2男1女。

 写真説明(上)・大勢の支持者がガンバロー三唱で砂川氏の当選に向けて気勢を上げた=9日、JAおきなわ宮古支店大ホール 
 写真説明(下)・2期目に向けて決意を述べる砂川佳一氏=9日、JAおきなわ宮古支店大ホール

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支持めぐり分裂確定的/自民県連上野支部

 県議会議員選挙宮古郡区の現職砂川佳一氏(60)が9日、出馬表明した会場に上野村議会議員7氏が出席した。同村議会議員は12人全員が自民党県連上野支部に属しているが、これまでに自民党県連の公認を得ている現職の砂川氏か、地元で同村前助役の西里秀徳氏(61)を支持するかで混迷を極めてきた。今回、議員7氏が現職の出馬表明に出席したことで、支持をめぐって同支部が分裂することが確定的となった。支部長を務める川田正一村長は出席しなかった。
 同支部は前回県議選で、西里氏を支持する意向だったが、保守系の候補者1本化作業で西里氏が出馬を断念、これを受けて現職砂川氏の支持に回った経緯がある。
 今回も昨年暮れまでは現職支持が濃厚だったが、西里氏が出馬の意向を固めたことで支部内で意見が分かれた。これまでにも数回の会合で協議してきたが意思の統一は図れなかった。
 これについて川田支部長は「厳しい選択。今回のことをめぐり、村内にしこりが残ることは避けたい」と話す。自身の判断については「大多数の意見を参考にしたい」と話している。議員7氏が現職の出馬表明に出席したことについて西里氏は「出馬する意向に変わりはない」と答えた。その上で「草の根的な活動で政策を訴えていく」と話した。

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米軍機7機が着陸/下地島空港・1機は故障、離陸できず

 在沖米海兵隊は、フィリピンとの米比合同軍事演習「バリカタン04」を終え、沖縄本島の普天間基地へ帰還途中のCH53輸送ヘリ6機とKC130空中給油機1機の計7機を9日午後、給油目的で伊良部町の下地島空港に着陸させた。輸送ヘリ6機は離陸したが、識別No.10の輸送ヘリの機材にトラブルが発生。急きょ空中給油機が同基地から運んできた部品で修理し、10日に飛び立つことになった。ヘリのトラブルは2001年以来、3年ぶり2度目。民間航空機の訓練には支障はなかった。日米地域協定で民間空港使用に制限はないが、県の再三の自粛要請を無視する強行姿勢に平和市民団体などからは恒常化を懸念する怒りの声が上がった。伊良部町議会(友利浩一議長)では12日から開会する3月定例会の本会議で、同空港での米軍機の一切の使用禁止を求める決議と意見書を上程し、全員一致で採択する見通し。
 この日の午後1時58分、空中給油機が着陸。緑色服姿の米兵隊員が次々と滑走路に降り立ち、給油作業の準備に着手した。同2時31分、輸送ヘリ6機が次々と着陸した。海兵隊数人が燃料を補給し、同3時15分に作業を終えた。給油中はプロペラを止めない状況で続けられたため、激しい爆音が鳴り響いた。上空には県に通告のなかった給油機1機が旋回していた。
 米軍が民間空港を使用する根拠となっている地位協定五条は、日本国内の空港や港湾の出入りを自由に与えており、使用目的にも限定はない。
 きょう10日は、CH46輸送ヘリ4機とKC130空中輸送機1機の計5機が着陸する予定。使用時間は午後1時から午後3時半までの2時間半。

 写真説明・民間機も訓練する中、米軍機が飛来した=9日、下地島空港

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ウイルスメール被害続出/各自治体など困惑

 新種のコンピューターウイルス「ネットスカイ」の被害が宮古地区の各自治体で続出している。8、9日で平良市は5台のコンピューターが感染し9日午前までにウイルスを駆除した。城辺町は県に送信したメールがウイルスに感染している疑いがあり県から指摘を受けた。多良間村も送信したメールが「感染している」との指摘を受けるなど宮古地区では平良市で一部感染(9日までに駆除)。城辺町、多良間村で感染の疑いが出ている。一方、その他の町村も9日の段階で感染の報告はないが数件から10数件のウイルスファイルが添付されたメールが届いていることが確認された。
 平良市では8日に3台、9日に2台の合計5台のパソコンが感染。9日午前にはメールサーバーを止めてすべての端末をチェックし問題を解消。同日午後にはメールサーバーを再開した。
 本紙の取材で城辺町は県庁に送信したメールについて県から「ネットスカイに感染した疑いがある」との指摘を受けている。また、多良間村も送信したメールが「感染している」との指摘を受けている。9日までに県庁に届いた各自治体からのメールのうち城辺町、読谷村、北中城の三自治体のメールが感染の疑いがあるという。
 「ネットスカイ」の特徴としては件名が「Re:Thanks!」などで本文は「Here is the file」など。添付ファイル名は「your_website.pif」などとなっている。
 通常、ウイルスはメールの添付ファイルとしてコンピューターに侵入。添付ファイルを実行しなければ感染はしない。感染してしまった場合はシステムの修復が必要で最新のウイルス対策商品などでの対応が必要となっている。
 ウイルスに感染するとユーザーの知らない間に大量のウイルスメールが送信されてしまい。メールの受信者が添付されたファイルを実行すると感染する。しかし、直接システムにダメージを与えるなどの影響はないという。
 宮古地区の6市町村と県宮古支庁にもここ数日間で数件から10数件のウイルスメールが届き公的機関以外にも個人のパソコンに同様のメールが大量に送られてきているとの情報も入っている。
 公的機関ではウイルス感染でメールの円滑なやりとりができなくなるなど業務に支障を来す可能性もあることから早急な対応が必要になっている。

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無許可の4業者 計1万2000台保管/宮古の廃自動車

 【那覇支局】廃自動車の無許可解体業者の大量保管は2004年2月末現在、宮古地区では4業者で計1万2000台に上っていることが県文化環境部のまとめで分かった。沖縄本島や八重山地区では減少する一方、宮古では03年2月末に比べわずか250台の減少にとどまっている。
 同部では04年度、廃自動車の解体や選別技術の効率化、海上輸送費の低減化などを実証する「廃自動車リサイクルシステム構築事業」を宮古圏域などで新規に取り組む予定で、その効果が期待される。
 宮古地区の無許可業者の大量保管の台数は、01年8月には6業者で1万650台だったのが、03年2月には5業者で1万2250台と増加。今年2月現在では4業者1万2000台と減少に転じたものの、3年前に比べると増えているのが現状。同部では、海上輸送コストが大きな要因とみる。
 一方、沖縄本島は01年8月に2万2140(40業者)だったのが、今年2月では1万5270台(26業者)と減少した。
 9日の県議会予算特別委員会(安里進委員長)で、自動車リサイクルについて喜納昌春氏(社大・結連合)が質問。これに対し屋嘉部長市文化環境部長は、県警本部との連携により対策を強化していることを説明した上で「不法投棄や不適正処理に対し措置命令を行うなど効果は上がっている」と強調。「05年1月の『自動車リサイクル法』の施行に向け、さらに対策強化に努めたい」と意気込みを示した。

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「収穫が楽しみ」/平良市 西辺中1年生・泥だらけで田植えを体験

 子供たちに稲作を体験してもらおうと県宮古支庁(安和朝忠支庁長)が整備した平良市の大浦農村公園内の水田で9日、同市立西辺中学校の1年生19人が田植えの体験学習を行った。生徒らは慣れない手つきで泥だらけになりながら1本1本、丁寧に稲を植え、稲作農業を体験した。
 同公園は「農村公園を整備してほしい」という地域住民の要請を受け、県営ほ場整備事業の一環として2001年度に整備した。
 同事業は97年度にスタートし、総事業費16億1000万を投じ浦地区、56・3ヘクタールを整備。03年度に終了した。
 田植えに先立ち、県宮古支庁農業水産整備課(根間恵勇課長)の松元茂農村整備係長から田植えの説明を受けた生徒らは、八重山から取り寄せた苗を約2アールの水田に丁寧に植えた。今回、植えられた苗の収穫時期は6月末ごろで、収穫作業の体験学習も予定されている。田植え初体験という大里理喜君は「最初は泥だらけになるので、汚くて嫌だった。でも、中腰での作業は大変だったけど楽しくなってきた。収穫が楽しみ」と感想を話した。
 松元係長は「今の子供たちは日本の主食の米が食卓に並ぶまでの農家の苦労をなかなか知る機会がない。田植え、収穫の体験を通して食を大事にするということを学んでほしい」と呼び掛けた。

 写真説明・田植え作業を体験する生徒ら=9日、平良市大浦の大浦農村公園

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