200平成1 6  曜日

職員給与下げ検討/平良市・5〜10%カット、職労に提案

 新年度予算で実質的に多額の不足額が発生している平良市(伊志嶺亮市長)は週明け8日にも一般職員399人の給与引き下げ案を職員労働組合に提案する方針であることが本紙の取材で分かった。当局はすでに職労には打診済みで、同日には基本給の見直し、昇級停止、期末手当の見直しなど具体的な内容を示す見込み。当局側は一律5―10%カットの提案を検討している。しかし、県内の他市と比べても職員給与が低い平良市の職労では、これまで手当のカットなどで協力してきたことなどを理由に現行を堅持したい構えだ。

 今回の提案は厳しさを増す市の財政状況の中で当局は歳出抑制を理由に職員給与削減についても検討していた。また、来年の合併を控えて他町村の首長から「伊良部町や石垣市が厳しい財政事情の中で職員給与を削減している。平良市も検討すべき」との要望を受けたことも影響している。
 伊良部町では新年度予算編成の作業過程で2億3000万円の歳入不足が発生し、充当できる基金も底を突いていることから一般職員の給与カットを職労に提案。財政健全化に資する目的で双方が互いに歩み寄り、職員給与一律3%カット、町長、助役報酬の12%カット、55歳以上の昇給停止などを盛り込んだ「協定書」を締結。これにより総額3230万円の歳出抑制となった。
 一方、石垣市は一般職員630人の給与を一律4・5%カットで職労と合意。三役の給与は10%削減し、4月から実施する。
 今後、平良市でも当局案に対する職労との交渉が行われるが、この中で三役の報酬削減についても議論が予想されている。
 「人件費削減もやむなし」の当局と現状を堅持したい職労との週明けの交渉内容が注目される。
 平良市の新年度予算編成は国の三位一体改革の影響で歳入を歳出が大きく上回り、一次内示で全国的に異例な6億7000万円の「歳入欠陥」内示に踏み切った。しかし、国、県の指導で最終内示では市税の徴収率を大幅にアップするなど無理矢理に歳入と歳出の帳尻を合わせたが、実質約6億円の不足額が発生している。

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自公協力候補を強調/県議選平良市区・

新人嵩原が事務所開き

 任期満了に伴い、6月6日に投開票が行われる県議選で平良市区から立候補を予定している嵩原弘氏(49)=保守系=後援会事務所開きが6日夕、平良市西里の同事務所で行われた。大勢の支持者らが参集し、選挙戦必勝に向け気勢を上げた。
 高まる熱気の中、嵩原氏が登壇した。嵩原氏は「『正しい政治を一生懸命』をスローガンに掲げて出馬を決意した。私は長年、建設現場の代理人をやってきた。現場で最初に使うのは水平器。水平器を使うことで、建物は完成する。私を県政に送り、宮古の代理人にさせてください」と述べ、自公協力で所期の目的が達成できるように支援・支持を訴えた。
 さらに嵩原氏は「有識者らから正しい政策のアドバイスを受け、1つ1つの政策に汗を流して実現したい。宮古6市町村の合併に向け、正しい政策を反映させたい」と理解を求めた。
 下地常政後援会代表世話人は「多くの市民の支援、支持を得て県議選への出馬を決意した。今、この平良市においては目に見えない一部のグループがおり、そのグループの独占的な行動が市民を無視してまかり通っている。これを阻止するためにも、嵩原氏を県政に送ろう」と述べ、支援の輪の拡大を訴えた。
最後は、全員で選挙戦必勝に向けガンバロー三唱を行った。

 写真説明(上)・あいさつする嵩原弘氏
 写真説明(下)・ガンバロー三唱で気勢を上げた支持者ら=6日夕、平良市西里の後援会事務所

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伊良部架橋予定地を視察/佐藤 内閣府審議官

 内閣府の佐藤正紀審議官は6日午前、新年度で実施設計費の計上が予定されている伊良部架橋の建設予定地などを視察した。佐藤審議官は4日に来沖、5日には宮古入りし県宮古支庁で圏域の概要説明を受け、その後、市町村長らと懇談した。6日は午前8時過ぎに平良市のトゥリバー地区埋め立て地から伊良部架橋の建設予定地を視察した。県宮古支庁の喜久川恵三土木建築課長が架橋計画の概要を説明した。喜久川課長は約30年にわたって地元の要請が続けられきたことや、架橋のもたらす効果や計画が藻場や潮流などに配慮されていることなどを説明した。
 この後、佐藤審議官は城辺町の大型施設園芸農家、ティダファームたらまと宮古製糖城辺工場に立ち寄り、昨年の台風被害の様子などを視察。同日のうちに那覇を経由して帰京した。
 伊良部架橋は内閣府が新年度予算で実施設計費を要求しているが、昨年末の財務省原案内示では個別の事業明示はなかった。今月中に国土交通省の公共事業の「個所付け」で事業費が明らかにされる。

 写真説明・県宮古支庁の担当者から伊良部架橋の説明を受ける佐藤審議官(中央)=6日午前8時すぎ、平良市のトゥリバー地区埋め立て地

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大戦当時のスコップ現存/神奈川在住の元駐屯兵が寄贈

 太平洋戦争中の1943(昭和18)年ごろ、防衛隊として宮古島に駐屯していた川村栄さん=神奈川県川崎市在住=が、当時、使用していたスコップと飯盒(はんごう)を同じ中隊に所属していた友人から譲り受け、平良市に寄贈した。スコップは宮古島で壕掘りに使われていたもので、柄は木製、先は鉄製。柄の部分には「宮古島豊五六四〇部隊 陸軍騎兵伍長宮崎 騎兵第二十八連隊第九二部隊 昭和十八年」との文字が書かれており、今でもはっきりと読み取れる。「宮崎」とあるのは川村さんの友人で、現在東京都足立区の西新井大師に住む宮崎勝治さんが飯盒と共に保存していたという。平良市の岡本恵昭さん=祥雲寺住職=が、部隊慰霊祭を通して親交があり、川村さんに当時の資料提供を呼び掛けていた。
 岡本さんは「大戦中に宮古島で使われていたことがはっきりしている。貴重な資料。市の博物館に寄贈することにしており、永久保存してほしい」と話している。
 川村さんによると、使われていた兵器などは各部隊の責任者がまとめて集め船に積んで沖合いに沈めたという。そのため当時使用されていたものは、ほとんど現存していない。スコップを提供した宮崎さんは岡本さんが当時の資料を集めていることを伝え聞き、60年間保存していたものを提供した。川村さんからは「従軍召集解除(除隊帰郷)証明書」と「善行証書」の原本が送られてきた。

 写真説明・大戦中に宮古島で駐屯兵が使用していたスコップと飯盒

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年代もののカメラ寄贈/平良市総合博物館・みなみ写真館の池村さん

 昨年3月に閉館した平良市下里の「みなみ写真館」の池村恵勇さんは6日、1950年の同写真館開館当初から愛用してきたカメラなど32点を平良市総合博物館(砂川玄正館長)に寄付した。同館では今後、企画展を開催し、展示する方針。
 今回贈呈されたカメラは現在ではなかなか見ることのできないという高さ135センチのスタンドカメラの他、各種レンズやストロボ、バッテリーなど。
 同館で行われた贈呈式で池村さんは「赤ちゃんの誕生祝いや100日祝い、結婚式、お年寄りの88歳や100歳の記念など、お客様の門出を撮影してきた思い入れのある品々。ぜひ大勢のカメラ愛好家や興味のある人に見に来てほしい」と寄付した。
 受け取った砂川館長は「素晴らしいカメラをありがとうございます。歴史の資料として大切に保管し、早めに企画展などで展示したい」と感謝した。

 写真説明・池村さん(右)からカメラなど32点が砂川館長に贈られた=6日、平良市総合博物館

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多良間にヤツガシラ/羽地さんが撮影

 東南アジアなどで越冬していた旅鳥が、日本へ北上する春の渡りの時期を迎えた中、ヤツガシラ(ヤツガシラ科)1羽が5日午後、多良間村仲筋地区で確認され、愛鳥家の羽地邦雄さん(55)がカメラに収めた。宮古では今期の一番乗り。世界でも1科1種の珍鳥。
 ヤツガシラは、翼に白と黒のしま模様があり、頭から胸にかけて黄褐色。驚いたり緊張したりすると、頭の冠羽が扇状に大きく開く。くちばしは細くて長く、下に曲がっている。全長28センチ。
 羽地さんは「美しい鳥に出会えてうれしい」と声を弾ませた。
 センダンの木で翼を休めている姿にカメラを向け、冠羽を広げるのを狙った。「扇状の冠羽は撮れなかったが、再度挑戦します」と意欲を燃やしていた。

 写真説明・センダンの木で翼を休めていたヤツガシラ=5日、多良間村(羽地邦雄さん撮影)

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