200平成1 6  曜日

合併協、身動き取れず/下地町の住民投票待ち

 多良間村で住民投票結果と議会判断が合致しないなど、市町村合併をめぐって揺れ動いている中で、これまで20回の協議を重ねてきた宮古地区市町村合併協議会は、身動きが取れない状況に陥っている。宮古本島内4市町村長は4日午前に話し合いを持ち、「今月28日に行われる下地町の住民投票結果が出るまで、すべての協議を持ち越す」ことを確認した。多良間村の動きなどを勘案し、現状では「6市町村」の枠組みは厳しいとの認識が示されたが、下地町の住民投票結果を見なければ、新たな枠組みの協議にも入れないことから、今月25日に予定されていた21回目の協議会も先送りすることを決めた。

 市町村合併協議会は2002年4月に法定協議会として6市町村で設置。国の特例措置が受けられる05年3月までの合併を目指して44の協定項目について協議を進めている。これまでに合併期日を05年1月1日とすることなどが決まり、新市の名称や庁舎の位置などの協議が残されている。
 市町村合併の是非を問う住民投票は伊良部町、多良間村で実施され、今月28日には下地町で予定されている。残る3市町村では行われない。伊良部町は大差で、多良間村では小差で、いずれも合併反対が賛成を上回る結果が出た。
 伊良部町の浜川健町長は当初、住民投票結果に沿って合併協議会から離脱する意向を示していたが、町財政が厳しく、「合併せずに町財政の再建は厳しい。合併しないとすぐにも赤字再建団体に転落してしまう。住民を救うのは合併しかない」と、合併推進の立場を打ち出した。町議会も合併推進の方向で調整を行っているが、まだ決着していない。
 多良間村の兼濱朝徳村長は住民投票結果を支持し、合併反対の姿勢だが、村議会では合併推進派が多数を占めるため、3日に行われた臨時議会で、「合併協議会から脱退する」との議案を否決した。これにより多良間村は合併推進の立場を取ったことになるが、兼濱村長自身は「あくまでも合併反対」としており、住民グループが合併推進派の村議をリコールする動きをしていることもあり、先行きは不透明だ。
 このような状況下で合併協議会では、新たな枠組みの協議を余儀なくされるが、今月28日に下地町でも住民投票が実施されることから、状況がどう変化するか見極める必要に迫られている。当初予定では合併調印を4月に行うことにしていたが、合併協議会が身動きが取れず、予定がずれ込むのは必至だ。

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「さんしんの日」 愛好家ら一堂に三線引き鳴らす

 「さんしんの日」の4日、三線愛好家らによる多彩なイベントが県内各地で繰り広げられた。宮古では野村流伝統音楽協会宮古支部や宮古民謡保存協会、宮古民謡協会がそれぞれ大規模な演奏会を実施。多くの愛好家らが集い一斉に三線を弾き鳴らし、伝統音楽の継承を誓い合っていた。

・宮古民謡保存協会
 宮古民謡保存協会(喜屋武稔会長)主催の「さんしんの日大演奏会」は午後7時前からJAおきなわ宮古支店農民研修センターで開演。同会には約70人の三線愛好者が集い年に1度の合同演奏を楽しんだ。
 喜屋武会長は「今やさんしんの日の演奏は全国規模になった。きょうは祭り気分で楽しみましょう」とあいさつした。
 演奏は「かぎやで風」から始まり、格調高い三線の音色と歌声が会場を包んだ。この日は宮古民謡を中心に20曲を演奏した。
 ある参加者は「最高の気分。大勢の愛好者が集う演奏会は、雰囲気が違う」と話していた。

 写真説明・約70人が参加し合同演奏を楽しんだ=4日、JAおきなわ宮古支店農民研修センター

・宮古民謡協会
 宮古民謡協会(平良裕明会長)は城辺町の下北公民館で午後六時から「さんしんの日・三線愛好者の集い」を開いた。同協会の会員約70人が参加。「豊年の歌」「なりやまあやぐ」などを一斉に演奏した。
 平良会長は「初心者にもできるように、比較的簡単な曲を選んで演奏した。県内外で宮古民謡が評価されている。地道な活動を続け今後の普及と発展に努めていきたい」と今後の協会としての意気込みを語った。
 元気良く「とうがにあやぐ」を歌った花城夕梨々ちゃん(3つ)は「三線も民謡も大好き。練習して上手になりたい」と笑顔を見せた。

 写真説明・約70人の会員が集い「なりやまあやぐ」などを演奏した=4日、城辺町の下北公民館

・野村流伝統音楽協宮古支部
 野村流伝統音楽協会宮古支部(下地玄一支部長)は市内のレストランで正午から演奏会を開いた。同支部の会員や三線サークルで活動するお年寄りら総勢50人が参加し「かぎやで風節」を皮切りに、「恩納節」「辺野喜節」など20曲余を合奏した。
 与那覇寛仁副支部長は「1年で1度の機会に三線が好きな多くの仲間が集まった。これからも多くの人たちに三線の良さを伝えていきたい」とさらなる普及を語った。
 参加した下地郁子さんは「大勢の人とともに演奏できてとても楽しい。みんなに助けられて演奏できた」と喜んでいた。

 写真説明・総勢50人が集い「かぎやで風節」などを三線で合奏した=4日、市内のレストラン

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トイレ節水弁で特許登録/東亜技研の仲宗根さん考案

 東亜技研=平良市西仲宗根=の仲宗根孝代表が考案したロータンク式水洗トイレの「フロート弁の製造方法」がこのほど、特許登録された。これは使用する人の意思で、洗浄水量のコントロールを自由自在にする画期的発明で、仲宗根さんは「1カ所のトイレで平均6割の節水は可能」と踏む。同特許は今後、メーカーに貸与し製品化させたいとしている。
 従来普及しているフロート弁は「INAX型」と「TOTO型」の2タイプ。従来の弁はゴムの中が空洞で軽いため洗浄水が全部排出されるまで排出口をふさがない構造だが、仲宗根さんはこの空洞にシリコンゴムと重りを入れて重くし、人の手(レバー)で自由に開閉できる節水構造にした。形は従来のものと一緒で、製品化された場合、取り替えは容易にできる。
 仲宗根さんによると、1人が1日に10回トイレを利用するとすれば、小便は8回程度。ほとんどの人は小便の際も大便同様の水の使い方をしているが、新式弁は水量を自由にコントロールできるため特に小便洗浄で節水効果が期待できるとしている。
 仲宗根さんは「汚水の総体的配出量が少なくなれば、地球環境の汚濁負荷低減につながり、水資源の保護や保全に貢献することは明らか。また、学校や病院、団地、多目的ホールや民間企業のオフィス、ホテル、アパート、飲食店など人が多く集まる所は莫大な経費節減になり、財政の健全化に寄与する」と話す。
 節水フロート弁を考案したきっかけは、1994年に宮古島であった給水制限。その後いろいろ勉強を重ね02年12月に特許出願。今年1月9日に「特許証」が届いた。「届いた時は、天にものぼる気持ちだった」と、満面の笑みだった。

 写真説明(上)・特許証を手にする仲宗根さん=4日、東亜技研事務所
 写真説明(下)・仲宗根さんが考案した弁(手前)と従来の弁(後方)の形はまったく変わらない。弁の空洞にシリコンゴムと重りを入れて重くし、人の手で自由に開閉できるようにした

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名称は「チーム110番」/県警トライアスロン同好会発足・

宮古島大会には4人出場

 【那覇支局】4月25日に開催される第20回全日本トライアスロン宮古島大会に向け、県警察トライアスロン同好会が3日発足した。同好会は高橋清孝本部長が最高顧問となり、役員、選手含めて12人。今回の出場選手は生活保安課補佐の仲村智成さん(45、那覇市出身)、機動隊係長の宮城秀夫さん(39、下地町出身)、ハイテク調査官の斎藤正憲さん(31、山口県宇部市出身)、機動隊員の岸本哉子さん(24、那覇市出身)の4人。
 同日夕、県警地下食堂で開かれた発足式・懇談会で、高橋本部長が県警チーム名「チーム110番」を発表した。出場選手のゼッケンはいずれも「110」で始まり、仲村さんが「1101」、宮城さんが「1102」、斎藤さんが「1103」、岸本さんが「1105」。
 発足の経緯を石新政英生活保安課長が説明。「トライアスロンは体力と精神力を養成するのにもってこいの競技」と言い、10年連続出場で完走している仲村さんの実績や勤務態度に動かされるところが大きかったとし、「昨年は本部長も応援し、完走祝賀会を主催した」と報告。「役員は選手が気楽に大会に参加できるよう支援する」と述べ、激励した。
 コーチ兼選手の仲村さんは「本番では、110番しないように頑張る。岸本さんを団長に感動のレースにしたい」、2回目出場の宮城さんは「9時間台、100番以内を目指す」、初出場の斎藤さんは「結果を出すように頑張る」、紅一点、初出場の岸本さんは「事故が起きないよう、迷惑を掛けないように完走を目指す」と、それぞれ決意を述べた。
 応援歌も紹介され、全員で斉唱して、気運を盛り上げていた。

 写真説明・宮古島トライアスロンに「チーム110番」で出場する県警の仲村さん、岸本さん、斎藤さん、宮城さん(右から)=3日、県警地下食堂

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タコが大漁/伊良部町・漁師らホクホク

 伊良部町漁業協同組合では快晴の日に、大量のタコが水揚げされ活気づいている。タコ捕り名人の漁師らは「宮古近海では、今年はタコが多い」と話し、飛ぶように売れる市場にホクホクの様子。今年に入ってから1トン以上の水揚げがあり、昨年の2・9トンの実績を突破する勢いだ。
 海中のサンゴ礁の穴や岩陰などに潜むタコを誘い出すのが「おとりタコ」。漁師らは死んでいる「おとりタコ」にナイロン糸を付け、その糸を引っ張りながら泳ぎ、「おとりタコ」に飛びつくタコの眉間(みけん)をもりで一撃し捕獲する。
 漁師歴40年でタコ捕り名人の1人、友利義文さん(54)は「5年前の『おとりタコ』には、1度に3匹のタコが飛びついた」と振り返り、5月ごろに最も漁獲量が多いと説明する。
 2月末、同組合の魚卸市場では、1日の水揚げ量が約100キロあった。水揚げの一部は地元で1キロ当たり800円で販売。残りは平良市で「カーキダク(くん製タコ)」に加工する女性などに引き取られた。

 写真説明・宮古近海で捕れたタコ=伊良部町漁業協同組合前

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