200平成1 6  曜日

一般会計42億6600万円/伊良部町04年度予算・

3年連続のマイナス

 伊良部町(浜川健町長)は2日、2004年度当初予算案を発表した。一般会計の総額は42億6625万6000円、前年度当初比0・1%(約290万円)減の緊縮型で、3年連続マイナス予算となった。国の三位一体改革に伴う地方交付税の大幅削減で当初見込みより2億3700万円の歳入不足が生じ、これを補うために一般職員183人の給与一律3%のカット、臨時・嘱託職員44人の整理などのほか、町有地財産の処分、過去5年間にさかのぼっての町税未収額の徴収率アップなどで予算案の帳尻を合わせた。新年度の単独事業はゼロに近い状態。町の台所は火の車に陥り、2003年度見込みの累積赤字は約2億円。予算案は今月12日開会予定の3月定例会に提出される。

 町は地方交付税が前年度比で2億円(9・8%)落ち込んだ措置として、歳入強化と歳出抑制を図った。
 歳入の町税収入では、過去5年間の町税未収額を80%徴収した予想額6700万円を含む約1億200万円の増。財産収入では、町有地財産の売り払いで約4000万円増を見込んだ。
 国庫支出金は約7000万円(15・1%)増、県支出金が約1億1400万円(17・1%)増。2つの支出金が増えたのは継続整備事業の土地改良と町道が新年度で終了するため。新年度の予算案では、2つの事業が予算を押し上げた。
 一方、歳出では人件費が、対前年度比で8900万円(6・2%)減。主な削減内容としては、一般職員の給与一律3%カット(総額約2500万円)、町長の給与12%カット(約140万円)、助役の給与12%カット(約114万円)、教育長の給与10%カット(約89万円)、管理職23人の手当カット(約390万円)で計約3220万円の減額や、昇給の改正など。これらについては、自治労連伊良部町職員労働組合と協定締結している。また、単独補助金の廃止・減額などを断行した。
 そのほかに、物件費では、嘱託職員14人と臨時職員30人の計44人を整理し、総額6660万円の支出を削減した。
特別会計の国民健康保険、老人保健医療、介護保険、水道事業、ゴルフ事業については、予算編成がまだ終わっていない。

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一般会計は64億9000万円/城辺町04年度予算・

基金から3億9700万円繰り入れ

 城辺町(仲間克町長)は2日、2004年度予算案を発表した。一般会計は前年度比で3億4323万六千円(5%)減の64億8907万5000円、特別会計を合わせた総額は同比2億6374万2000円(2・8%)減の91億2172万1000円となった。地方交付税の大幅減など三位一体改革による影響額は2億9022万円、これを補うために財政調整基金などを取り崩し、計3億9700万円を基金から繰り入れるという厳しい予算編成となった。新規事業は城辺中、西城中の校舎改築や観光振興地域等整備事業(吉野地区)など計11件を盛り込んでいる。

 三位一体改革による影響額の内訳は、地方交付税が前年度比1億1000万円(4・5%)減の22億9000万円、臨時財政対策費が同比8470万円(29・3%)減の2億450万円、保育所の運営国庫負担金等が同比9552万円減のゼロ円(一部は地方交付税などで入る)とし、計2億9022万円を影響額とした。この財源不足を補うために財政調整基金を1億6700万円、減債基金を5200万円、地域福祉基金を1億7400万円、人材育成基金を400万円取り崩し、計3億9700万円を繰り入れた。これにより、04年度末の基金残高見込みは4643万5000円となり、宮古他市町村と同様に厳しい財政事情となった。
 一般会計歳入の自主財源は前年度比2億1492万9000円増の10億4754万6000円。町税や分担金および負担金は減額編成しているが、繰入金などで対応した。一方、依存財源は5億5916万5000円の大幅減。地方交付税交付金の1億1000万や県支出金の3億3469万2000円などの大幅な削減が響いた。
 歳出の義務的経費は人件費や扶助費、公債費をそれぞれ増やし、計8367万2000円の増額。普通建設事業など投資的経費は計7271万円削減した。物件費などその他の経費は計3億5419万8000円の減。物件費の2億6487万9000円をはじめ、維持補修費や補助費等、貸付金、投資および出資金などすべての項目で減額している。
 一般会計の歳出を項目別に見ると、農林水産業費や土木費を大幅に減額している。農林水産業費減は土地改良関係の事業完了に伴うもので、前年度に比べ4億8749万9000円減の18億5376万5000円とした。
 例年以上に苦しい予算編成となったが、新規事業は11件を盛り込んだ。観光振興地域等整備事業では吉野海岸周辺を整備する。海岸への道路を拡張するほか、トイレやシャワー、休憩所を新たに設置する。さらには隣接するゴルフ場と連携して海岸までの移動手段としてゴルフカートを利用する計画もある。予算額は5851万7000円。
 ほかに、ふるさとづくり支援事業として1021万6000円を予算化。体験滞在型観光のプログラムを策定するというソフト事業で、観光入客者の意向調査や先進地視察などを行い、今後の町の観光振興を推進する。
 校舎改築事業では城辺中に3億9134万9000円、西城中に2億7304万6000円を予算化している。
 予算案を発表した仲間克町長は「三位一体改革により非常に厳しい予算編成となったが、何とか組むことができて安心している。一般会計は5%の減額だが、これで済んだということは評価できると思う。人件費などに手を付けずに予算を組めて良かった」と話した。

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川田上野村長が謝罪/5歳男児遺体発見・

管理体制の不備認める

 上野村野原の高山かんがい排水貯水地(通称、高山ダム)で1日午後5時17分ごろ、同地区に住む農業、根間哲也さん(32)の長男、隆也ちゃん(5つ)が遺体で発見されたことを受け、同貯水池を管理する上野村の川田正一村長は「管理体制の不備により、尊い命を、将来の人材をなくしてしまったことは大変に遺憾。大変申し訳ない気持ち」と謝罪した。
 隆也ちゃんが遺体で発見された翌日の2日午前には同貯水池周辺を巡回し安全さくを修復するなどの処置を取り再発防止に努めた。宮古署は隆也ちゃんの死因を水死と断定しており、今後も事件、事故の両面から捜査する方針。これまで、当局は月に1回程度、車での巡回しかしていなかった。しかし、今回、隆也ちゃんが通ったとされる安全さくのほつれは周囲の道路とは墓地を挟んでいたため村当局は「これまでの巡回場所から完全に死角だった」と話した。
 今後の防止策として▽巡回回数、人員、時間を増やす▽万が一に備え、水位を浅く調整するとともに水の濁りを取り除く―などを挙げ、徹底的に再発防止に取り組むと説明した。
 遺体が発見された1日、川田村長は遺族に正式に謝罪したという。川田村長は「これまで、この貯水池で事故がなかったことから慢心の気持ちもあった」と非を認め、「二度と同じような事故が起きないよう、全庁挙げて再発防止に取り組む」と述べた。 
 使われなくなっていた貯水池が閉鎖されなかったのは同村が進める「高山一帯の再開発」事業の中心地となっていたため。当局では同貯水池を「水辺の自然公園」として再開発する計画を進めていた。

 写真説明・修復され、立入禁止の看板が掲げられている隆也ちゃんが通ったとされる場所。隆也ちゃんをしのび、花やお菓子などが供えられている=2日、上野村野原の高山かんがい排水貯水地(通称、高山ダム)

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『問題行動』に目光らす/高校生の卒業式後に巡回

 宮古地区5高校で一斉に卒業式が行われた1日夜、宮古地区高等学校校長会(会長・下地恵吉宮古農林高校長)と宮古警察署(石垣用秀署長)などが、「高校生の卒業式後の問題行動未然防止巡回指導」を分散会が行われている市内の飲食街で行った。各高校の教員や警察署員らが参加し、各分散会会場を中心に午後11時過ぎまで巡回指導を続けた。
 宮古署で行われた出発式で宮古工業高校の内間誠治校長は「分散会や2次会の飲酒、飲酒運転がないように取り締まりを強化しましょう」、宮古地区高等学校PTA連合会の山内健会長は「子供たちが事件・事故に巻き込まれないように頑張りましょう」とそれぞれあいさつした。石垣署長は「昼間はみなさんの警戒行動のおかげで何事も起きなかった。夜も警戒を続け、子供を守りましょう」と呼び掛けた。
 出発式の後、西里通りや市内のレストラン、イーザト飲食街入り口などを巡回指導した。
 同署のまとめによると、この日に問題行動はなかったという。

 写真説明・問題行動未然防止のため市内飲食街を巡回する署員ら=1日、平良市内の下里通り

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池間湿原の水面拡大/水草除去作業が終了

 渡り鳥の飛来地で水草の繁茂で陸地化が進む平良市池間湿原で先月下旬、水面拡大の水草除去作業が終了した。2002年の11月に実施された同作業に次いで2度目。
 県は本年度の水草除去事業として約80万円を予算化し、池間自治会に委託していた。
 同事業は、渡り鳥(水鳥)の越冬地を図るための餌場や休息場(開放水面)、小魚、水生昆虫の生息環境を確保する目的で実施された。
 同作業は、前回実施された付近で重機を使って行われ、水草の面積1000平方メートル(長さ50メートル×幅20メートル)を撤去した。
 地元で「イーヌブー(北の入江)と呼ばれる同湿原は海水と交流していたが、1966年の池間漁港のしゅんせつ工事に伴う砂れきや泥土などで入り口側が埋め立てられ孤立化した。
その後、同湿原には淡水性の水草が生い茂り、陸地化が拡大。
 全体の陸地化を懸念した同会や宮古野鳥の会などが県へ「池間湿原の水面拡大」について要請していた。

 写真説明・水草が除去された池間湿原=平良市池間島

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すくすく育て/平良市 宮島小・子供たちが田植え

 平良市立宮島小学校(与儀透校長)は2日、同校の田んぼで田植えを行った。1年生から6年生までの児童が参加し、手や足を泥まみれにしながら苗を1本1本丁寧に植え付けていった。中学校へ進学する6年生にとっては最後の田植え。後輩たちに「大事に育ててね」と言葉を掛けながら作業に取り組んでいた。収穫は6月ごろを予定している。
 植え付けた苗はもち米の「佐賀6号」。1月22日に種まきを行い、苗床にもみをまいて育ててきた。この日は苗床からの苗上げ作業から行い、児童たちは丁寧に苗を取り、束にまとめていった。
 田植えに先立ち「苗と苗の縦の間隔は15センチほど空ける」「苗は3本か4本ずつまとめて植える」などの説明が行われた。田んぼでは、横一列になって田植えを開始。6年生は田植え初体験の1年生たちに植え方のアドバイスをしながら慣れた手つきで田植えを行った。
 山内絵美理さん(6年)は「これが最後の田植えになるのは少し寂しいけど、みんなには大事に育てていってほしい。田植えが一番きついけど、自分たちで作ったお米を使ったパーティーが一番楽しかった」と話した。

 写真説明・丁寧に苗を植え付ける児童たち=2日、平良市立宮島小学校

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