200平成1 6  曜日

貯水池から遺体で発見/上野村野原・行方不明の5歳男児

 上野村野原の高山かんがい排水貯水池(通称、高山ダム)の底から1日午後5時17分ごろ、同村野原の農業、根間哲也さん(32)の長男隆也ちゃん(5つ)=左写真=の遺体が発見された。目立った外傷がないことから水死とみられている。隆也ちゃんは2月29日午後6時ごろから行方が分からなくなり、宮古署などの捜索を受けていた。翌1日には午前7時前から捜索を開始。同貯水池付近に隆也ちゃんの乗っていた自転車と、同貯水池の水面に履いていたサンダルが発見されたため、宮古広域消防組合の潜水隊などが水中の捜索に当たった。同署では事故、事件の両面から捜査を進める方針。同貯水池は現在は使用されておらず、立入禁止を訴える看板も掲げられていた。
 同29日、午後2時ごろから一緒に遊んでいた友達の男児などによると、同貯水池近くの県営団地や上野幼稚園で遊んでいたが、同6時ごろ、「もう少しドライブしてくる」と友人と別れたという。
 隆也ちゃんの帰宅が遅いことから家族らは近くに住む住民らとともに住宅付近などを捜索。午後9時50分ごろ、祖母が「孫が帰ってこない」と同署に捜索願いを出し、翌1日午前2時ごろまで協力して捜索を行ったものの、結局見つからず、一度捜索を打ち切り同7時前から再開した。
 捜索開始直後、隆也ちゃんの自転車を同貯水池近くで発見。また、自転車の発見現場から数メートル離れた同貯水池を囲っている金網で子供がやっと通れそうなほつれがあったことから、同貯水池を捜索したところ、水面に隆也ちゃんのサンダルが浮かんでいるのを発見、同貯水池付近に捜索範囲を絞った。
 18人のダイバーを含む総勢135人が陸上と水中の捜索に当たったが、水が濁っていたことや昨年九月の台風14号の影響で吹き飛ばされた木の枝などが同貯水池の底に多数沈んでいたことなどが原因となり、捜索は難航。日没間際、岸から約5メートル、水深約2メートルのところから隆也ちゃんの遺体を発見した。
 捜索中、必死で隆也ちゃんの名前を呼び「迎えにきたよ、早く帰ろう」と叫んでいた祖母、静かに捜索の行方を見守った両親は遺体を前に泣き崩れた。同貯水池は1979年度に完成。有効貯水量は7万8000立方メートル、周囲を囲む安全柵は800メートル。満水時には水深4・3メートルになる。7、8年ほど前から使用されなくなっていた。管理は上野村。
 管理する同村では月に1回程度、巡回し、金網のほつれなどをチェックしていたが、隆也ちゃんが通ったと思われる穴は発見できなかったという。今後は巡回回数を増やすとともにチェックを強化し再発防止に力を注ぐとしている。
 同村の川田村長は「元気で見つかると思っていたが…」と述べ、「(隆也ちゃんが通ったと思われる)金網のほつれは巡回などの死角で、発見できなかった。管理者として反省している」とコメントした。

 写真説明(下)・捜索活動に当たった住民らの願いも届かず隆也ちゃんは遺体で発見された=1日、上野村野原にある農業用貯水池

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助役・下地、収入役・松原/平良市・両氏を3月議会へ提案

 三役不在が続く平良市の伊志嶺亮市長は1日までに新助役に下地学氏(66)、新収入役に松原正郎氏(63)とする人事案件を今月5日に開会する市議会の3月定例会に提案する方針を固めた。これまで下地氏については与党調整が不調のまま収入役として提案されたが野党の反対を受けて否決された経緯がある。一方、前平良市福祉部長の松原氏の収入役については今回が初めての提案となる。

 伊志嶺市長は両人事案についてきょう午前にも与党説明を行う予定だが、これまでの三役人事で分裂状態になった与党内の確執は今も残っており今後の調整も難航が予想されている。
 今回提案される人事案は助役に下地氏を強力に推していた与党の一部や市長後援会の意向を市長がくみ取った形となったが、これまで下地氏助役案に反対していた与党の一部には「今回、下地氏が助役に提案されれば協力する考えもあるが合併も控え、市の財政事情も厳しい中であえて三役を置かなくても良いのでは」と三役不要論を唱える議員もいる。
 これまで、与党の分裂に加え野党調整もできないまま提案、否決が続いた三役人事だが、今回は平良市の厳しい財政状況も考慮対象になる。
 しかし、「市政運営上三役は必要」との考えを示している伊志嶺市長が今後の調整でいかに与野党議員を説得するかが成立のカギとなっている。

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773人が巣立つ/宮古地区5高校で卒業式

 県立高校の2003年度卒業式が1日、一斉に行われ、宮古地区の5高校では773人(宮古高校定時制課程16人含む)が3年間通った学校を巣立った。卒業生らは1人ひとり、卒業証書を受けると3年間の思い出や新たな進路への期待に胸を膨らませていた。

 宮古地区の卒業生は宮古高校(全日制)が313人、宮古工業高校が137人、宮古農林高校が85人、湘南高校が145人、伊良部高校が77人、宮古高校定時制課程が16人の合わせて773人。県内62校では1万6327人が卒業した。
 各学校では体育館で卒業式が行われ、在校生や父母らが見守る中、卒業生が会場入り。校長による卒業認定、卒業証書授与、在校生の送る言葉、卒業生の言葉などが続いた。厳かな雰囲気の中にも、温かなムードが漂い、新たな旅立ちを演出した。式後は在校生や父母らが花道をつくり、紙吹雪が舞った。

 写真説明(上)・1人ひとりに卒業証書が手渡された=1日、宮古高校
 写真説明(右)・後輩たちからたくさんの花束を贈られ卒業を祝福された=1日、宮古高校

・仲間たちから激励/宮古初のJリーガー・上里一将君
 サッカー・J2のコンサドーレ札幌に入団し宮古から初めてのJリーガーとなった上里一将君(17)は1日、級友らとともに宮古高校の卒業式に出席。式では狩俣幸夫校長から卒業証書を受け取り、式後はグラウンドで後輩たちから「頑張って」と激励された。
 上里君は小学生のころからサッカーでは一目置かれる存在で、宮古高校ではチームの中心として活躍。昨年の県大会ではチームの準優勝の原動力となった。これまでの活躍が評価され、J2のコンサドーレ札幌に入団が決まった。今年1月にチーム本拠地の札幌入り。チームに合流し、グアムや鹿児島で合宿を行った。
 上里君は卒業式の2日前に帰省。卒業式後は、同日のうちに宮古を離れチームに戻った。上里君は「高校生活ではやっぱりサッカーが一番の思い出。楽しかった」と話し、「今年は試合に出場することは厳しいかもしれないが、頑張りたい」と抱負を話した。卒業式後、グラウンドの卒業生を送る「花道」では後輩たちから、抱えきれないくらいの花束やプレゼントを贈られ、「頑張って」と声を掛けられる度に、「ありがとう」と応えていた。

 写真説明・卒業式後、後輩たちから激励を受けもみくちゃにされる上里君=1日、宮古高校グラウンド

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嵩原氏、公明推薦を要請/県議選平良市区

 【那覇支局】6月6日に投開票される県議会議員選挙に平良市区から出馬予定の市議、嵩原弘氏(49)は1日、県議会棟に公明党県代表で県議の糸洲朝則氏を訪ね、公明党の推薦を要請した。糸洲県代表は「正式に推薦の要請を受けたので、手続きを踏んで、党機関で協議し決定していきたい」と述べた。
 要請には嵩原氏の地元推薦者代表で元県議の下地常政氏、平良市議で公明宮古連合会長の富浜浩氏、同市議で公明平良第2支部長の富永元順氏、自民党平良支部有志の会代表世話人の真栄城稔氏らが同行した。
 嵩原氏は「国政、県政の基盤は自公協力体制にあると考えている。2年前からの宮古の選挙を見てきた場合、これを変える動きが出てきた。現職(坂井氏)は自民党公認を得ているが、自公体制、稲嶺県政を支えるのに疑問が見える。安定した県政運営のため、稲嶺県政をしっかり支えていきたい」と、理解と支援を求めた。
 下地氏は「これまでも地元公明と協力体制でやってきた。今回、嵩原氏の推薦をお願いしたい」と話した。
 富浜会長は「自公体制の中で、嵩原氏とはいろいろ協力し合ってきた。推薦の基準に政策、人物、見識などがあるが、嵩原氏が良いと考えている」と、地元の意向を糸洲県代表に伝えた。
 公明党では、今後、推薦や協定書締結などについて協議していくが、決定時期は現在のところ未定。
 平良市区では現職の坂井民二氏(54)が自民県連からすでに公認を受けており、2月29日には2期目に向けて出馬表明。現在保守系2人が名乗りを上げている。

 写真説明・糸洲公明県代表(手前中央)に推薦を要請する嵩原氏(手前右)=県議会棟

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亀浜律子さんに大賞/沖縄タイムス芸術選賞・琉球古典舞踊部門で

 【那覇支局】優れた芸術活動および芸術文化の向上に業績のあった個人・団体を顕彰する第38回沖縄タイムス芸術選賞の贈呈式と祝賀会が2月28日夜、那覇市内のホテルであり、宮古関係では平良市出身の舞踊家、亀浜律子さん(42)が琉球古典舞踊部門で大賞を受賞した。賞状を手にした亀浜さんは「突然の受賞で、本当に喜んでいる」と笑顔で話した。
 亀浜さんは平良市内に「亀浜律子琉舞練場」を開いて今年で18年目を迎える。居を構える那覇と宮古を往復する生活を送る。祝賀会には関係者らが多数訪れ、亀浜さんの受賞を祝福した。「宮古の皆さんには古典舞踊はなじみが薄いかもしれないが、これからもその良さを伝えていきたい。また、創作舞踊にも頑張っていきたい」と今後の活動に決意を新たにしていた。
 同賞は、古典舞踊、美術、書道、工芸、文学、演劇・映像、洋・邦舞、洋・邦楽の9部門で、亀浜さんをはじめ10人が大賞を受賞。26人に奨励賞、2人に功労賞が贈られた。主催者を代表して沖縄タイムス社の岸本正男社長はそれぞれの活躍をたたえた上で、「沖縄の芸術文化を世界に発信し、後輩の指導にも力を注いでほしい」と期待を込めた。

 写真説明・賞状を手に笑顔の亀浜さん=28日夜、那覇市のパシフィックホテル沖縄

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