200平成1 6  28 曜日

近所に住む63歳女を逮捕/城辺町新城 老女殺害事件・

事件発生から5年7カ月

 1998年7月17日に平良市西原の真謝漁港近くの道路脇で城辺町新城に住む無職、城間カ子メガさん(かにめが、当時85)が他殺体となって発見された事件で、宮古署は27日午前8時23分、畜産業の女、下地フジ子(63)=同町新城=を殺人の容疑で逮捕した。下地容疑者は取り調べに対し完全に黙秘しているという。事件発生から5年7カ月、一時は「このまま迷宮入りするのでは…」といわれていた事件がようやく容疑者の逮捕にこぎつけたことで地域住民は一様に安どの表情を浮かべているが、同じ地域に住む顔見知りの犯行に大きな衝撃を受けている。関係者によると下地容疑者は城間さんから借金をしていたという。同署では単独犯とみており殺害の動機や時期、殺害方法など詳しく調べる方針で、近く身柄を那覇地方検察庁平良支部に送検する予定。死体遺棄については、事件発生から3年以上が経過しており、時効が成立している。

 事件は当時、行方不明で捜索を受けていた城間さんが自宅から約15キロ離れた真謝漁港わきの道路で、両手両足をロープのようなもので縛られ他殺体で見つかったことで発覚。県警と宮古署では所持品などから城間さんと断定。捜査本部を設置し本格的な捜査に乗り出した。
 しかし、発見された城間さんの遺体は腐敗が進んでおり、司法解剖では殺害方法や場所、死因、時期などを特定することができなかった。また、城間さん宅からは現金約98万円余りが、遺体の側からは城間さんの持ち物の中から現金約2万円などが発見されたことで「金目的の犯行の可能性は低い」と判断された。
 捜査本部はその後も聞き込みなど地道な捜査を実施していたところ昨年末ごろから下地容疑者に絞り込み、2月23日には捜査本部を特別捜査本部に格上げし、同日に宮古入りした捜査員とともに「詰め」の捜査を進め27日、殺人の容疑で逮捕。同日、家宅捜索を行い、証拠品としてメモなど20数点を押収した。
 下地容疑者と城間さんが住む新城地区は戸数約150戸の静かな集落。城間さんの自宅は同地区内の西はずれにあり、30年以上生活保護を受け一人暮らしをしていた。下地容疑者の自宅は城間さんの自宅から100メートルほどしか離れていない。
 地域住民によると下地容疑者は「感情の起伏が激しく、勝ち気」な性格だったという。住民の中には「城間さんとは懇意にしていた」、「城間さんから借金をしている様子だった」と話す人もいる。
 下地容疑者とつきあいのあったという近くに住む女性は「同じ集落の人を殺すなんて…」とショックを受けている様子だった。

 写真説明・下地容疑者の自宅を家宅捜索し、証拠品を押収する捜査員ら=27日、城辺町新城

top.gif (811 バイト)

隣人がまさかこんなことを・・・/城辺町新城・集落内に衝撃走る

 「まさかあの人が…。何のためにそんなことをしたのか」。下地フジ子容疑者(63)=城辺町新城=が同集落の老女殺害容疑で逮捕された27日、新城の住民らは一様に驚きの表情を見せた。
 殺害された城間カ子メガさんが住んでいた住居と下地容疑者の住居は百bほどしか離れていない隣近所。容疑者逮捕の報に触れた74歳の男性は「隣の人がそんなことをするとは。カ子メガさんは人付き合いもなく恨まれるような人ではなかった。何の理由があったのか不思議」と、犯行を思いあぐねていた。
 同地区公民館長の伊志嶺幹夫さんも「容疑者が隣近所と知ってショックを受けている。なぜあのうような事件が起きたのか、今後の捜査の行方を見守りたい」と、話す。
 40代の男性は「容疑者は、普段は愛想がよいが、時には不機嫌な顔も見せるなど、感情の起伏の激しい女性」と人物像を語った。
 50歳の男性は「普段は優しい顔をしており、やりそうな人ではない。彼女がやったとは信じられない」と容疑者の犯行が信じられない様子。一方、「容疑者はまさに女性ヤクザ。外見は優しいが、怖い女だった」と話す女性もいた。
 去年の暮れから逮捕のうわさを聞いていたという50歳の男性は「いつまでも逮捕されないので、捜査ミスだったのかなと思っていた。早く逮捕してほしかった」と遅い逮捕に苦言。70代の女性は「忘れ去られようとしていたが捕まってよかった」、75歳の男性は「そんな女が新城にいたとは。宮古は恐い島。早く捕まってよかった」と胸をなで下ろしていた。

「あり得ない」/容疑者の夫
 城辺町新城地区で1998年7月に発生した老女殺害事件で27日、殺人の容疑で逮捕された下地フジ子容疑者の夫(66)が同日、本紙取材に応じ「逮捕の理由も言わずに逮捕状だけを見せて連れて行った。(殺人なんて)あり得ない」と下地容疑者の無実を主張した。
 夫によると、下地容疑者は昨年8月ごろから数回にわたり任意同行を求められていたという。それからは「畑や買い物に行くときも捜査員が付いて回った」と話した。
 下地容疑者は同日午前8時ごろに自宅で逮捕されているが、その際に夫が「逮捕の理由が聞きたい」などと捜査員に求めた。だが、捜査員は回答せず逮捕令状を差し出して下地容疑者を連行したという。夫は「突然、殺人の容疑で逮捕されるということは怖ろしいこと。警察が理由を言わないのが分からない。(妻が)何で隣のおばあちゃんを殺さなければならないのか。あり得ない」と強調し、最後まで下地容疑者の無実を主張した。

容疑者、事件後「怖いから外灯を」
 城辺町新城地区で1998年7月に発生した老女殺害事件で、27日に逮捕された下地フジ子容疑者が事件当時、殺害されて発見された城間カ子メガさんの捜索活動に当たっていたことが周辺住民の話で分かった。さらに下地容疑者は城間さんが死体で発見された後、部落会役員に「事件以来、怖いから家の近くに外灯をつけてほしい」などと要望していたという。
 城間さんが行方不明になったとき、下地容疑者は部落会とともに城間さんの捜索活動に当たったものとみられる。当時の捜索状況を詳しく知る住民は「私たちと一緒に捜索していたと記憶している。その人が容疑者だったということは驚くばかりだ」と話す。
 さらに外灯設置の要望については「彼女本人から『怖いから取り付けてほしい』という要望を受けた。今思えば何が怖かったのだろうか」と首を傾げた。
 ただ、下地容疑者は昨年末から周辺住民に事件のことを話すようになったと言われ、一部住民には「自分が(犯人と)疑われている」などと漏らし、不安がっていたという。別の住民には「カ子メガが後ろから抱きついている」などと話していたことも分かった。

top.gif (811 バイト)

建設場所の変更を/広域葬祭場・住民らが署名運動展開へ

 宮古広域圏事務組合が進めている広域葬祭場建設計画で、建設場所を平良市鏡原の袖山墓地公園隣の市有地に決定したことを受け、同地に近い盛加、細竹、七原などの集落の住民らが26日夜、盛加公民館で集会を開き、反対住民の会を結成するとともに、今後署名活動などの反対運動を展開していくことを決めた。
 広域圏事務組合は23日の理事会で同地を建設場所とすることを正式に決定した。▽市有地で用地取得が容易である▽法規制のかかる半径200メートル以内に学校などがない▽町村部への交通の便が良い▽海岸沿いは津波などの自然災害の被害を受ける可能性がある―などを選定理由に挙げ、市町村長がそろって現地を視察し、確認した。建設が予定されている施設は煙突もなくにおいなども出ないという。新年度で実施設計を行い、その後着工し、06年の供用開始を予定している。建設には市町村合併に伴う合併特例債を活用する。
 集会に参加した住民らは「施設には賛成だが、場所が問題。島の中央に造る施設ではない」との意見が大勢を占め、反対運動を展開してくことを決めた。またこの日は住民の会を立ち上げ、会長に下地隆義さんを選んだ。

top.gif (811 バイト)

世田谷から観光団/台風復興支援・平良市が空港で出迎え

 昨年の台風14号で大きな被害を受けた宮古島を支援しようと、平良市(伊志嶺亮市長)の友好都市として交流している世田谷区の職員5が27日、復興支援旅行のため来島した。宮古空港には伊志嶺市長も歓迎に訪れ、来島した職員と一人ひとり握手し「ようこそ宮古島へ、楽しんでいってください」など声を掛けていた。
 来島したのは世田谷区職員の米谷靖夫さんら総務部職員厚生課福利係の五人。米谷さん以外は初めての来島。
 米谷さんは「宮古の雰囲気はとても良い。やっぱり暑いね」と笑顔を見せていた。一行はスキューバダイビングや釣り、観光などをそれぞれ楽しむ予定。
 この企画は世田谷区職員互助会(会長・平谷憲明助役)が台風で大きな被害を受けた平良市と宮古島を支援するのが目的。
 3月20日までに総勢160人が15班に分かれて来島し、今回が第9班となる。

 写真説明・伊志嶺市長の歓迎を受ける世田谷区職員=27日、宮古空港

top.gif (811 バイト)

岡山から桃の花/JTAが北保育所など14カ所に贈呈

 日本トランスオーシャン航空(JTA、市ノ澤武士社長)は27日、岡山県西大寺観光協会(岡山市、小山秀朔会長)から届いた桃の花を平良市立北保育所(平良美千代所長)など14カ所に贈呈した。子供たちは桃の花を受け取り「きれいな桃の花をありがとうございます」と声をそろえてお礼した後、元気な歌や踊りを披露した。
 贈呈式でJTA宮古支社宮古営業所の伊波章朝所長は「春に咲く花、桃の花が岡山県から届きました。ひなまつりにはきれいな花が咲くと思います。楽しみにしてください」とあいさつ。
 平良所長は「温かい志を大切にして男の子は桃太郎のごとくたくましく、女の子は桃の花のようにきれいな心が育つように見守りたい」と礼を述べた。
 贈呈式の後、子供たちは「ひなまつりの歌」を合唱。男女に分かれ男の子はエイサーを、女の子は踊りを、桃の花のお礼に披露した。
 この日は平良市役所にも桃の花を贈呈。伊志嶺亮市長は「これからも岡山市とのつながりを大事にしたい」と述べた。
 JTAでは同観光協会と提携して毎年桃の花を教育機関などに贈っている。今回は同保育所のほか、県立宮古厚生園、漲水学園、青潮園などに贈呈された。

 写真説明・子供たちに桃の花が手渡された=27日、平良市立北保育所

top.gif (811 バイト)


top.gif (811 バイト)