200平成1 6  24 曜日

「自立不可能」と合併推進/浜川伊良部町長・

住民投票の結果覆す

 宮古地区市町村合併協議会(会長・伊志嶺亮平良市長)の第20回会合が23日、県宮古支庁会議室で開催された。今協議会では合併の是非を問う住民投票結果が「合併せず」となった浜川健伊良部町長と兼濱朝徳多良間村長がそれぞれ見解と今後の方針を説明。浜川町長は町の厳しい財政事情を説明した上で「現状では単独自治体としての自立は不可能」と述べ、住民投票結果とは反対の「合併推進」の立場をとることを明言。兼濱村長は「当局としては民意を尊重して協議会離脱の方針だが最終的な判断を下す議会の動向を見守りたい」と述べた。

 浜川町長は「住民投票の結果が出た直後は民意を尊重しないといけないという気持ちになった。しかし、今の財政状況では単独での自立は不可能。最終的には議会判断となるが、財政面などを見ても今の時点で『合併しない』との判断はできない」と述べた。
 また、伊良部町議会の状況説明では豊見山恵栄氏が「全員協では民意を尊重する意見と低い投票率で残りの意思も勘案すべきとの意見があった。議員全体では『合併賛成』の意向が多数となっている」と述べるとともに今後、早めに議会を開催して方向性を決めたいとの見解を示した。
 一方、兼濱村長は「私は以前から民意を尊重するとの意向で、当局としては住民投票の結果に従って「合併せず」の意向だが、議会がどういう判断をするか分からない」と述べ、来月3日には臨時議会を開催して協議することも説明した。
 そのほか、来月28日に住民投票を予定している下地町の川満省三町長は「住民が合併の是非を判断する資料が少ない。また、町が実施している説明会への参加者も少ないことから県も職員派遣など協力してほしい」と述べた。
 伊良部町、多良間村ともに住民投票結果は「合併せず」だが、自治体、首長、議会を取り巻く背景が大きく違うことから今回の両首長の方針説明は全く違うものとなった。今後、両自治体の動向と下地町の住民投票結果を含めて宮古市町村合併の枠組みは流動的な状況となっている。
 そのほか、協議会ではこれまで7回の協議を経てまとめられた「新市建設計画に関する小委員会」の中間報告も行われた。

 写真説明・住民投票結果とは反対の「合併推進」の意思を説明する浜川町長=23日、県宮古支庁

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「痛み分かち合うべき」/一部事務組合・

管理者・議員報酬引き下げ

 宮古広域圏事務組合は23日午後開かれた理事会で、議会議員および理事等の報酬を引き下げるための条例改正案を来月2日に開かれる3月定例議会に提案することを決めた。同日午前の宮古清掃施設組合の管理者会議と、今月12日に行われた宮古広域消防組合の管理者会議でも同様の案を決定しており、3つの一部事務組合議会の3月定例会では議員と理事(管理者)等の報酬引き下げ案が審議されることになった。3組合とも新年度予算案では報酬減額を見込んだ予算編成を行っている。議員側からの反発が予想されるが各理事(管理者)は「痛みは分かち合うべきだ」と引き下げに踏み切る。

 一部事務組合は各市町村が負担金を拠出して運営している。各市町村とも財政状況が逼迫(ひっぱく)しており、宮古地区自治研究会(会長代理・砂川隆夫下地町助役)が先月23日付けで、各組合あてに報酬見直し意見書を提出していた。
 意見書は、全国的な不況の影響で国の交付税削減や台風被害による市町村民税の落ち込みなど各市町村とも逼迫した財政状況であり、来年度の予算編成では民間への負担金・補助金等を前年比マイナス10%としているが歳入の落ち込み額との乖離(かいり)は多大であることから報酬削減の見直しに協力を求めている。
 同様の案は昨年も提出され、それを受け宮古市町村会の会長、副会長の年収は12分の1となり、一部事務組合の管理者、代表理事、副管理者、理事、収入役については月額1万円の減額となった。しかし各組合議会の議長、議員らの報酬削減については議員らの強い反発を受け、提案されなかった。
 今回は管理者、副管理者などについてもこれまでの月額報酬を年額にして報酬額は現行の12分の1となる。
 また議長、副議長、議員、監査委員の報酬も毎月固定の月額支給から議会開催ごとの日額となり、各議長に関しては現行の年額33万6000円から年間の報酬2万4000円か3万6000円と大幅に削減される。
 現在、3組合では年間総額1278万円の報酬となっているが、改正されれば108万7000円と10分の1以下に抑えられる。
 同様の案は昨年も検討されたが、議会側が「すぐに判断することは難しい」との意見などで議長、議会議員らの報酬削減には至らなかった。しかし厳しさを増す市町村財政の中で1年間の議論を踏まえたことになり、報酬引き下げに応じなかった場合は、住民への説明責任が必要であり、議会がどう判断するか注目される。

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80年前の北小校舎を再現/平良市西里の仲宗根恵俊さん(92歳)

 平良市西里に住む仲宗根恵俊さん(92)がこのほど、今から80年前にあった平良尋常高等小学校(北小学校の前身)の模型を完成させた。模型のサイズは縦1メートル、横1・3メートル。細長い木片をすき間無く組み込んだ壁や窓、きめ細かい筆使いで描いた赤瓦屋根など、精巧な作りだ。
 同模型作りは、北小学校の創立記念誌などいろいろ資料を調べたところ当時の学校の写真が見当たらなかったため「自分の記憶があるうちに」と思ったのがきっかけとなった。
 昨年の8月から作り始め、身近にある物などを材料に7カ月掛けて完成した。
 「やっと出来上がった。これ(模型)を見ると幼いころを思い出す。今後何かの参考になれば」と、完成は喜びもひとしおの様子。小学校のころの思い出として、授業中に不行儀をして友達と2人で罰されたことや学校の行事を東側の校舎でしたことなどを話した。
 「趣味を生きがいにするのは、素晴らしいこと。年寄りでも、何かやろうと思えばできる」と話す仲宗根さんの趣味は、模型作りのほかにも絵画、工芸品制作と多彩。「次はイーザト(漲水周辺)の屋号入りの昔の地籍図を作ってみたい」と、「ここのそじ(90代)」になってますます意気盛んだ。

 写真説明・完成した平良尋常高等小学校校舎の模型を前に仲宗根さん=23日、平良市西里の自宅

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サクラ咲く 春らんまん/平良市内の民家

 2月も最後の週にさしかかった。今月に入ってから気温が例年より2度ほど高い3月中旬並みの暖かい日々が続き、一足早い春の訪れを感じさせている。街路樹や民家の庭では満開のサクラが目立つようになり、また畑や道ばたではカラシナの黄色い花や紫色のバーベナが咲き誇るなど春らんまんの様子を見せている。
 平良市内の民家の庭ではカンヒザクラが満開となり、通行人や運転手の目を楽しませている。濃く鮮やかなピンク色の花がひときわ目を引く。花のみつを吸おうと時折ミツバチやメジロが訪れるなど、生き物の動きも活発に見られるようになった。民家の住民の話によるとこのカンヒザクラは樹齢約20年。毎年たくさんの花を咲かせ、今の時期が最も見ごろだという。

 写真説明・満開のカンヒザクラ。濃いピンク色の花がひときわ目を引く=23日、平良市西里の民家

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「開幕向け頑張ろう」/オリックス・2軍が宮古キャンプ打ち上げ

 城辺町営野球場で春季キャンプを行っていたオリックス・ブルーウェーブの2軍選手らは23日、宮古島でのキャンプを打ち上げた。練習後にはマウンドに集まり、三輪隆選手会長が「1カ月間お疲れさまでした。開幕へ向け頑張りましょう」とあいさつ。一本締めを行い今季の活躍を誓った。選手らは同日午後に帰阪した。
 2軍選手らは1日から平良市民球場、城辺町営野球場でキャンプを行い、県出身の徳元敏投手も参加し、開幕1軍入りに向け調整していた。
 最終日となったこの日は午前中にランニングとフリー打撃の軽めのトレーニングで汗を流した。
 キャンプを終え加藤英司2軍監督は「1、2年目の選手はしごき上げたほうがいい。いい形でやれた」と総括した。
 三輪選手会長は「開幕まで後1カ月あるので、神戸に戻り頑張って1軍に上がれるようにしたい。宮古島キャンプは天候も良くていい調整ができた」と述べた。
 1軍選手らは25日まで平良市民球場でキャンプを行う予定。

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オリックスキャンプ便りK/フリー打撃でさく越え連発・

移籍2年目 山崎 武司内野手

 「アピールしないと試合に出れないからね」。移籍2年目を迎える主砲山崎武司内野手(35)が22日の紅白戦でレギュラー獲得へ向け猛アピールした。
 打撃不調のレギュラー候補を尻目に3打数3安打2本塁打3打点とシャープな打撃で存在感を首脳陣に見せ付けた。
 1打席目はムーア投手の真ん中に入った直球を左翼場外へ。3打席目には岩下修一投手から左中間に豪快な1発を放った。ともに打った瞬間にホームランと分かる会心の当たり。「いつも通り踏み込んでいこうと思った。体の回転で打てた」と満足げな表情を見せた。
 好調なのは大幅な減量にある。キャンプ前から食事制限に取り組み約10キロの減量に成功。本塁打王に輝いた96年と同じ体重に戻した。
 「昨年に比べて体のキレが違う」と話すように、フリー打撃でもさく越えを連発し、好調さをキープしている。 
 今季はDH(指名打者)ブラウン、1塁オーティズとの定位置争い。「どう食い込んでいくか考えるしかない。試合に出られると信じてやっている」と生き残りを懸け、ベテランが燃えている。

 山崎 武司(やまさき・たけし) 1968(昭和43)年11月7日生まれ。愛知県出身。身長181センチ、86キロ。右投右打。背番号5。愛工大名電高―中日(ドラフト2位)―オリックス。昨季成績は110試合、打率2割3分2厘、68打点。通算成績は1138試合、2割6分5厘、207本塁打、597打点。

 写真説明・レギュラー獲得へ猛アピールする山崎内野手

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