200平成1 6  23 曜日

候補地は袖山墓地北/広域葬祭場

 宮古広域圏事務組合(代表理事・伊志嶺亮平良市長)が進める広域葬祭場建設計画で、平良市鏡原の袖山墓地公園北隣に隣接する市有地が建設候補地となっていることが、22日までに分かった。広域圏事務組合ではすでに近隣住民に対し、建設計画を打診し、説明会などを開いている。今のところ強硬な反対意見などがないことから、同地での建設計画を進めたい考えだ。23日午後に開かれる理事会で建設場所を正式決定する見通し。

 葬祭場建設については1995年に検討委員会が設置されていたが、各市町村の財政事情が厳しいことから棚上げされてきた。しかし現在、宮古本島で唯一稼働している民間の火葬場が老朽化していることや、火葬料金が沖縄本島などの公営火葬場に比較して高額なことから、改善を求める声が強まってきた。これらを踏まえ「新しい感覚で、厳粛で心温まる儀式空間をつくり清潔で効率的な公営葬祭場の建設を目指す」と意義付け、2001年に公営火葬場建設に向けて基本計画を作り準備を進めてきた。
 01年に作られた計画では、用地面積が4000平方メートル。鉄筋コンクリート造りの平屋建て、延べ床面積が800平方メートル。建物内には火葬炉3基(大型2基、中型1基)、収骨室・ロビー、事務室などを設けることにしている。総事業費は約5億円を見込むとなっていた。
 23日の理事会ではこれまでの状況を確認した上で、建設場所を正式に決定することにしている。本年度ですでに基本設計業務や火葬炉設計業務の委託料を予算化しており、新年度では実施設計費を計上することにしている。各市町村の財政事情が厳しく十分な負担金拠出が見込めないこともあり、新年度は実施設計のみとなる見通し。
 公営火葬場の火葬料金について、現在の民間火葬場の料金(11万円)から3万円程度になるとみられている。

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城辺町が離脱/ムツウサ3セク案・公共性、採算性など考慮

 宮古ビデンス・ピローサ(和名・タチアワユキセンダングサ、方言名・ムツウサ)を原材料とする商品開発や販路拡大を目指し、城辺町、武蔵野免疫研究所(東京)、「かぎすま宮古」の3者で進めてきた第3セクター方式による新会社設立計画が22日までに、頓挫した。国の「第3セクターに関する指針」の改定を受け、城辺町が3セク計画から離脱する方針を固めたため。国が求めている事業の必要性、公共性、採算性などを考慮して離脱を決めた。関係者によると、今後は武蔵野免疫研究所とかぎすま宮古による民間会社が設立される見通し。
 3セク設立計画はムツウサの主な生産地である城辺町をはじめ、商品を製品化する武蔵野免疫研究所、ムツウサを加工するかぎすま宮古の3者で進めてきた。3セクによる新会社を設立し、現在は武蔵野免疫研究所で製品化されている「かんぽう茶」などの商品を宮古島内で製品化、「宮古島産」を全国にPRするという狙いがあった。城辺町としても、かんぽう茶が島外で製品化されると、この商品を県産品として扱えないというデメリットがあり、3セク設立に関しては前向きな姿勢を示していた。
 だが、今年1月に国から3セクに関する指針の改定通知を受け、これまでの方針を撤回。全国各地で見られる第3セクターの赤字経営などを考慮し「リスクが大きい」と判断した。
 城辺町の方針撤回により、今後は武蔵野免疫研究所と宮古島のムツウサを乾燥(第1次加工)させているかぎすま宮古が民間会社を設立する見通し。両者が宮古島で経営基盤を構築し、3セク計画と同様に島内で最終的な商品の製品化を図る方針だ。城辺町は後方支援に回り、工場増築などの際に必要な資金面で援助する考え。
 ムツウサを原材料とする商品は現在、かんぽう茶のほか、花粉症予防で効果が示されているという錠剤もある。さらにはナリス化粧品が肌荒れなどを防ぐ化粧品を開発するなど多方面で活用されている。武蔵野免疫研究所は「宮古島産」ムツウサによる商品開発にこだわり続けており、これまで「雑草」と呼ばれ続けてきたムツウサが、各地で脚光を浴びている。

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島にジョガーの群れ/ロマン街道・伊良部島マラソン

 第5回ロマン海道・伊良部島マラソン(主催・いらぶ観光協会)が22日午前10時30分、平成の森公園と通り池入り口に分かれて一斉にスタート。4コースに親子連れ617人が出場。青空の下、コバルトブルーの海や新緑の美しい自然を満喫した。会場にはメダルと完走賞を手にした参加者らの笑顔が広がっていた。ハーフコース(21・1キロ)では宮古高校駅伝部の与那嶺恭兵さん(16)が1時間20分53秒で初優勝した。同コースで高校生が優勝するのは初めて。617人がエントリー。完走者は604人で、完走率は98%。

 この日は、快晴に恵まれ絶好のコンディション。島内外からの出場者らはさわやかな表情で会場に集まった。
 開会式で、主催者を代表して洌鎌敏一いらぶ観光協会長があいさつ。「優れた環境の中で、健康とロマンを求めて開催される本マラソンは、参加者の皆様にきっと満足のいくイベントとなるものだと確信している。全員が完走できることを期待する」と述べた。大会顧問の浜川健伊良部町長は「マラソンを通して良い思い出になるように」と激励し、出場者らの健闘を期待した。
 同マラソンは、伊良部島の平成の森公園をスタート、下地島を1周し伊良部島白鳥崎を折り返し、同公園をゴールとするハーフコース(21・1キロ)のほか、下地島1周のAコース(13・5キロ)、下地島の通り池入口をスタート、同公園をゴールとするBコース(5・2キロ)、家族単位で参加するCコース(1・6キロ)
の計4コースで行われた。ゼロ歳児−79歳までの老若男女がそれぞれのペースで快走した。
 同マラソンは、風光明美な伊良部の自然のだいご味を満喫しながら楽しく走ることにより、健康の増進を図り、併せて地域活性化に寄与することを目的に実施された。

・最長コース、高校生が制す/与那嶺恭兵君(宮高1年)
 最長のハーフコース(21・1キロ)を制した宮古高校1年の与那嶺恭兵君=写真=は「狙ってはいたが、まさか本当に優勝できるとは思わなかった」とびっくりした様子。「思ったより暑いコンディションで、きつかったけど楽しいレースだった」と笑顔を見せた。
 得意な種目は800メートルや1500メートル、5000メートルなどの中距離。「今回のレースはあくまで練習の一環」と話す与那嶺君。5000メートルを15分台で走る県の高校生トップランナーが集う記録会が来月に控えている。与那嶺君の5000メートル記録は15分49秒。
 「記録会では15分30秒を切って自己新記録をつくりたい」と目前の目標に意欲を見せた。

 写真説明・全員が笑顔で完走を目指した=22日、伊良部町平成の森公園前

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神秘的世界 満喫できます/城辺町・仲原鍾乳洞公開へ

 城辺町仲原にある鍾乳洞が今年4月にもグランドオープンする。この鍾乳洞の所有者である上里勝哉さんが現在、一般公開に向けての準備作業を進めているが、昨年12月からプレオープンとして時間限定の公開ほか、地元泡盛の貯蔵(有料)を受け付けている。すでに口コミやインターネットで鍾乳洞の存在が知られており、観光客らも訪れて神秘的な歴史空間を楽しんでいる。
 鍾乳洞は直径約30メートル、深さ約15メートルの竪穴の底部にある。洞穴は仲原洞と呼ばれ、全長265メートルの横穴式。平均幅は8メートルで、最大幅は26メートルにも及ぶ。高さは最も高いところで12メートルある。年間を通した平均気温は19−20度。
 この鍾乳洞は昨年12月からプレオープンとして時間限定の一般公開(有料)を開始している。時間は午後2時から午後6時まで。
 泡盛の貯蔵も受け付けている。鍾乳洞内部は外気に左右されない温度管理と遮光により、古酒作りには最適な場所とされている。貯蔵料金は貯蔵する年月に合わせて設定されているが、貯蔵する酒は地元の銘柄に限る。
 上里さんは「鍾乳洞に入ると不思議な世界を満喫できる」と鍾乳洞の魅力を語った。さらに「古酒作りにも適しているので思い出づくりと合わせて酒を寝かせてほしい」などと話した。
 これまであまり知られていなかった鍾乳洞が公開されることで、宮古の観光名所としても脚光を浴びそうだ。

 写真説明・今年4月にグランドオープンする仲原鍾乳洞の内部。(写真の2人は鍾乳洞を案内するガイド)=22日、城辺町仲原

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緑・花いっぱいの庭を訪問/緑の街角賞審査

 平良市民運動実践協議会グリーン部会(友利吉博部会長)は22日、第21回「緑の街角賞」審査を行った。審査員が池間島から狩俣、宮島、鏡原など平良市郊外を中心に巡回。緑豊かな庭造りが目立つ各宅17件を訪れ、10項目に沿って庭を審査した。29日には市街地を中心に審査を行う予定で、同日、結果発表する。
 審査は「樹木が生長し見栄えのある庭造りをしているか」「樹木の特性を生かした組み合わせに独創性があるか」など10項目に沿って実施。5段階評価し、総合点数の高い順に賞を贈る。各宅の庭を訪れた審査員は、植物の種類を記録したり庭造りに携わった人に説明を受けるなどして、細部にわたってチェックした。
 1回目の審査を終えた友利部会長は「ガーデニングの影響で、年々デザインや花の組み合わせなどセンスが良くなっている。狭い庭でも隅々まで配慮されており手法が細やかで新鮮さが感じられた。周辺宅への波及効果もあり、第1回に比べ全体的にレベルが上がっている」と感想を話した。
 緑の街角賞は、緑や花いっぱいの庭造りに取り組んでいる各宅に贈るもので、今回で21回目。受賞者宅の影響を受け周辺の庭もきれいになるなど波及効果が表れている。また、庭造りに力を入れる新興住宅地なども増えている。

 写真説明・各宅の庭造りなどを項目に沿って審査する審査員ら=22日、平良市西里

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オリックスキャンプ便りJ/紅白戦・ベテラン山崎が2本塁打

 オリックス・ブルーウェーブの紅白戦が22日、平良市民球場で行われた。雨で順延となった21日と打って変わって太陽が顔を出し最高の野球日和となった。ポカポカ陽気に誘われた大勢の野球ファンらが球場に足を運び選手たちに声援を送った。サインバットやサインボールなどが当たる抽選会も行われ、当選者は大喜びだった。試合はベテラン山崎武司内野手らの活躍で紅組が8対0でレギュラー候補の白組に圧勝した。
 試合は白組・ムーア投手、紅組・本柳和也投手が先発。ムーア投手は1回を3者凡退と最高のスタート。2回に甘く入った直球を山 内野手にホームランを打たれたが、2回を投げ2安打1失点の内容に伊原春樹監督も「順調な仕上がり」と満足げだった。
 試合は紅組の打撃が爆発し一方的な展開。レギュラー獲得へ向け猛アピール。6回に4安打で3点。7回には2点を挙げ8対0と打線がつながらない白組を圧倒した。
 2軍で調整中の県出身の徳元敏投手も白組の2番手で登板。緩急をつけたピッチングを披露し2回を2安打に抑えた。バックのミスで2点を奪われたがまずまずのピッチングだった。
 この日一番の活躍を見せたのは紅組4番の山崎内野手。シャープなバッティングで2本のホームランを含む3打数3安打の猛打賞と、打撃不振のレギュラー候補組に代わり主役をさらった。2本目のホームランには「右手でしっかり押せた。納得している」と自画自賛。「いいアピールができたと思う」とレギュラー獲得に自信を見せた。
 また、村松有人外野手も白組1番で初登場。1回にライト前ヒットを放ちチャンスをつくり、その後3塁まで進塁するなどリードオフマンとしての実力を見せた。
 試合後、抽選の当選者発表をする掲示板の前には大勢の人だかりができた。マック鈴木投手のサインボールが当たった下里直広君(平一小6年)は「当たると思わなかったからうれしい。試合も面白かった」と笑顔を見せた。山 内野手のホームランボールを拾った来間夏樹君(下地小5年)は「ホームランを待っていたから、ボールを拾えてうれしい。宝物にします」と目を輝かせていた。

 写真説明(上)・7回にこの日2本目となるホームランを放った山崎内野手(右)=22日、平良市民球場
 写真説明(下)・緩急をつけたピッチングを披露した徳元投手=22日、平良市民球場

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