200平成1 6  20 曜日

打つ手なし?革新系/県議選平良市区・まとまり欠ける市議団

 6月に行われる県議選の平良市区(定数1)は、保守系現職と同じく保守系新人が慌ただしく動き出している一方で、現職市長を擁している革新系は動きが鈍くなっている。与党市議団は昨年からの市三役人事をめぐる内部の確執が尾を引き、同一歩調をとれないのが実状だ。また市町村合併後の新市市長選への思惑も絡み、成り行きは不透明。こういう状況に革新系支持者などからは批判する声が出ており、伊志嶺亮市長や市議団の対応が注目だ。

 平良市区では自民公認の現職坂井民二氏と平良市議で保守系の新人嵩原弘氏が立候補を決めている。坂井氏は今月中にも正式に出馬を表明する見通しで、嵩原氏はすでに今月12日に平良市内のホテルで出馬表明を済ませている。
 一方、革新系は市議団の県議選に向けた取り組みがまったく具体化していない。伊志嶺市長を支える与党市議九人は昨年の助役選任をめぐる騒動で分裂したまま。赤嶺一成氏の助役続投を提案した伊志嶺市長に対し、友利恵一、亀浜玲子、与那嶺誓雄、下里茂博、上里樹の五市議が反対を唱え、残る奥平一夫、与那覇タズ子、平良恵慈、前川尚誼の4市議が市長案を支持した。
 この時点で反対を唱えた5市議は伊志嶺市長に実質上の「不信任」を突きつけたことになり、市長案を支持した4市議との間に決定的な溝ができた。それ以降、約1年間にわたり三役人事案件は決着せず、現在も助役に加え収入役も不在という状況が続いている。
 市議内では下里氏や亀浜氏が立候補に意欲的だと伝えられる部分もあるが、三役人事をめぐる騒動が尾を引き、県議選への対応がとれないのが実状だ。しかし保守系候補が複数になる可能性が高いことから、「革新は短期間でも選挙ができる。機を見計らっている。候補者を立てれば優位」(保守系関係者)と、前回の市長選挙を例にする見方もある。
 また来年2月に予定される市町村合併後の新市市長選挙への思惑が革新陣営の動きを鈍くしている。複雑化している平良市および郡内町村の保革構図の中で、県議選でどう動けば新市市長選を優位に運べるか、対応を探っている一面もある。関係者の間では、県議選で保守系候補のいずれかに肩入れすることで新市市長選での見返りを期待するという案も検討されているというが、支持者の反発は必至だ。一方で「三役人事でさえ与党市議をまとめられなかった。伊志嶺市長が県議選でリーダーシップを取ることは考えにくい」とあきらめムードさえ漂っている。

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『手わざ』生かし観光振興を/平良市・「ぷからすストーリー」定める

 個性的で自立した地域づくりを目的に研究を進めてきた平良市と地方自治研究機構は19日、平良市役所で第3回(最終)委員会を開き、伝統的地場産業の再生・育成に関する研究の報告書をまとめた。観光振興に向けた地場産業資源の再生・育成の展開方策では石積みや陶芸、染織、食文化などにおける伝統的な手わざの活用を重点に置き、これを観光資源として活用するための仕組みづくりが提言されている。発展し継続していく物語を「ぷからすストーリー」と総称。宮古・平良市の地場産業資源に光を当てる道筋が定められた。

 施策展開の基本的な考え方として@手わざに着目したまちづくりA市民との「協働」によるまちづくりB発展し継続するストーリー(物語)を持つまちづくり―を強調した。その上で「参加と情報共有・発信の仕組みづくり」(ぷからすストーリー@)、「手わざ人づくり」(同ストーリーA)、「手わざが生きる空間づくり」(同ストーリーB)を定めた。
 ぷからすストーリー@では協働の主体となるコア組織の立ち上げを検討。「宮古市民フォーラム」(仮称)や「ぷからすクラブ」(同)の組織化を提言した。同ストーリーAでは「手わざ人の発掘と育成」を図る。そのために手わざ認証・登録制度を設ける。宮古の手わざ体験学習の従事者や後継者を育成する「平良ぷからす学校」(仮称)などの機関設置も想定した。同ストーリーBでは「魅力ある拠点づくりとまちの個性化」を推進することを求めている。
 この研究は石工や瓦ぶきなど空間づくりの手わざなど地域独自の多様な技能・技術の現状や継承の状況などを把握、整理するとともに、これを観光資源として活用しながら地場産業の再生・育成につなげるための展望と方策を検討、提示することを目的に実施されてきた。沖縄観光コンベンションビューローの洲鎌孝常務理事が委員長となり、平良市をはじめ、地方自治研究機構、宮古広域圏事務組合の代表が研究を積み重ねてきた。

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子牛1頭 平均38万7000円/宮古地区2月肉用牛競り

 宮古地区の2月肉用牛競りが19日、JAおきなわ宮古家畜市場で開かれ、子牛(生後12カ月以内)1頭平均価格は38万6958円の高値で取り引きが成立した。平均キロ単価は1502円。いずれも前年同月や前月に比べると若干下げているが、38万円台という高値に市場は沸いた。成牛を含めた全体の販売額は2億1815万3250円。上場頭数の関係で前月より2902万950円上昇した。昨年12月に米国で確認されたBSE(牛海綿状脳症=狂牛病)の影響は見られなかった。
 今月の子牛上場頭数は558頭。このうち553頭(平均体重257キロ)で取り引きが成立した。1頭平均価格は去勢が前月に比べて1万3042円安の41万6392円、雌は同5380円高の34万8852円。1頭最高価格は雌の68万8800円だった。販売額は去勢が1億2991万4400円、雌が8407万3500円、合わせて2億1398万7900円。
 成牛を含めると計583頭が上場され、575頭(平均体重266キロ)で取り引きが成立。1頭平均価格は前月比3462円安の37万9396円、平均キロ単価は1425円(同32円安)だった。

・多良間村2月肉用牛競り
 多良間村の2月肉用牛競りが19日開かれ、子牛1頭の平均価格は31万7188円、平均キロ単価は1386円だった。成牛を含めた全体の販売額は4612万8600円。
 今月競りには子牛145頭が上場され、このうち142頭(平均体重228キロ)の取り引きが成立した。1頭平均価格は去勢が34万8398円、雌が28万4169円だった。販売額は4504万800円、1頭最高価格は去勢の48万8250円だった。
 成牛を含めると計154頭が上場され、このうち149頭(平均体重236キロ)の取り引きが成立。1頭平均価格は30万9587円、平均キロ単価は1310だった。

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砂川美恵子さん、織物部門で入選/沖展・

20年ぶり、次回にも意欲

 第56回沖展の受賞者がこのほど発表され、平良市西里に住む砂川美恵子さん(53)=写真=の宮古上布が織物部門で入選に輝いた。約20年振りの同賞受賞だという砂川さんは「自信はあったが、選ばれるとは思っていなかった」と驚いた様子で受賞を喜んでいた。
 砂川さんは約20年ほど前にも数回にわたって沖展に出品。奨励賞を受賞した実績を持つ。今回は「良い作品が織り上がったので挑戦してみよう」と約15年振りに出品した。
 砂川さんの作品は藍染めを施した2反の着尺。「伝統的なデザインだけでなく、自分の個性も織り込んだ。いつも織る上布より細い糸を使ったので大変だった」と2カ月間の創作期間を振り返る。「宮古だけでなく、多くの人に宮古上布を見てもらい、良さを感じて欲しかった」と出品の動機を話す。
 「織物はやればやるほど楽しく、難しくなる。まだまだ勉強が足りません。次回に向けて頑張ります」と意欲を見せた。

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岩手県から『雪』の贈り物/城辺町 砂川小・

教え子が恩師へ感謝の気持ち

 城辺町立砂川小学校の池間巌校長の教え子で、現在は岩手県に住む伊藤美智子さん(45)から19日、同校へ真っ白な雪約80キロが贈られた。児童らは「雪だ」、「きれい」などと大はしゃぎ。雪だるまを作ったり、雪合戦を楽しんだりと満足そうな笑顔で雪遊びを楽しんだ。
 雪を贈った伊藤さんは上野村立上野中学校25期生。当時の恩師、池間校長に恩返ししようと「なかなか雪を見る機会の少ない砂川の子供たちに雪を贈りたい」との思いを込めたという。
 雪は1年生と幼稚園に届けられ、児童・園児らは「冷たい」、「本当に真っ白だ」などと北国からの贈り物に感謝している様子だった。
 初めて雪を見たという与那覇和哉君(1年)と砂川健作君(同)は「雪合戦ができてうれしかった。食べてみたらおいしくてびっくりした」と笑顔を見せた。
 池間校長は「子供たちに『冬』を贈ってくれた」と伊藤さんに感謝し、「雪を見た児童・園児らの感想文を贈りたい」と話した。

 写真説明・北国からの贈り物、「雪」を手にし、大はしゃぎの児童ら=19日、城辺町立砂川小学校

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オリックスキャンプ便りI/ランナー背負うも要所締める・

紅白戦に吉井が先発

 平良市民球場で春季キャンプを行っているオリックス・ブルーウェーブは19日午後、2回目の紅白戦を行った。先発候補の吉井理人投手、歌藤達夫投手、抑えの期待が掛かる山口和男投手らが登板。失点はしたものの力強いピッチングで観衆を魅了した。きょう20日は練習は休み。明日21日は紅白戦が行われ、ムーア投手、村松外野手らが出場予定。
 先発の吉井投手は先頭打者に右中間2塁打を打たれ、いきなりランナーを出し、3番斉藤にも右中間2塁打を打たれ1失点。その後は落ち着き、4番山 、5番日高を冷静に打ち取った。
 2回も先頭打者にレフト前ヒットを打たれ、ランナーを背負う展開。その後は打者2人を抑え、マウンドを降りる際には笑顔も見られた。
 ルーキー歌藤投手は2回を無失点に抑える活躍を見せた。1安打2四球でランナーを背負う場面でもテンポのいいピッチングで要所を締めた。伊原監督も「ランナーを背負っても落ち着いていた」と及第点を与えた。
 また、外野の一角を狙う佐竹学外野手はこの日も好調。2打席目で2試合連続のホームランを放ちレギュラー獲得をアピールした。
 またこの日は、「ちびっこらんど」の子供たちが応援に駆け付け「ボールをよく見て」「かっとばせー」など声援を送っていた。

 写真説明(上)・落ち着いたピッチングで2回を1失点で終えた吉井投手=19日、平良市民球場
 写真説明(右)・ちびっこらんどの子供たちが選手を応援し試合を盛り上げた=19日、平良市民球場

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