200平成1 6  18 曜日

労組が基本給カットに猛反発/伊良部町・

財政危機、改めて表面化

 伊良部町(浜川健町長)が新年度の一般会計当初予算編成で歳入不足を補うため、自治労連伊良部町職員労働組合(仲間勝行執行委員長)に一般職員181人の基本給一律10%カットを提示していた問題で、同組合は「生活権に関わる大きな問題。一律10%のカットには応じられない」と猛反発し、今後とも断固反対していく方針を決めていたことが17日、分かった。同組合の受け入れ拒絶に、当局側は予算編成編のめどが立たずピンチに陥っている。

 今月上旬に行われた2004年度一般会計当初予算編成の第一次調整で、伊良部町では約4億円の歳入不足が表面化した。国による三位一体改革の影響で地方交付税などは激減し、深刻な財政危機に直面。加えて数年前から積み立てていた財政調整基金の「貯金」も使い果たし、歳入歳出のバランスが大幅に崩れた。
 当局側は、新年度の一般会計予算編成に当たり、大なたを振った。歳入不足を人件費削減で乗り切ろうと、同組合に一般職員の基本給10%カットを提示した。
同組合は「基本給をカットすると、退職金にも響く」と突っぱね「住居手当や通勤手当などの各種手当をカットできないか」と要望したが、当局側が難色を示したために交渉は決裂状態になった。
 また当局側が、臨時職員48人中、18人の解雇案を提示したのに対し、同組合は「全員解雇を」と要求。双方の言い分はかみ合わず物別れとなった。
 新年度の一般会計予算の歳出は9・3%の伸びを予想している。国や県の補助による土地改良事業や町道事業などの建設事業費は約2億円あり、歳出から削減できない模様。17日現在、当局側の予算編成はお手上げ状態だ。

top.gif (811 バイト)

リコール運動展開/多良間村・合併賛成の議員2人を

 【多良間】多良間村の市町村合併の是非を問う住民投票で「合併しない」が37票差で「合併する」を上回った結果に対し、合併賛成派の議員5人がその意思を堅持し議会として結果を覆す意向を見せていることを受け、合併反対派の住民グループ「多良間村の自治と自立を推進する会」(高江洲常功会長)は17日から解職請求(リコール)運動を開始した。対象議員は合併賛成派の住民グループ「多良間の未来を考える会」会長の西平幹氏と副会長の石原朝英氏。市町村合併に関連したリコール運動は県内でも初めて。
 同村では議長を除く9人の議会議員のうち5人が合併「賛成」、4人が「反対」で合併賛成派が上回っている。
 同村選挙管理委員会は16日付で、自立を推進する会に署名を行う代表者証明書を交付した。自立を推進する会は「民意を尊重するはずの議員が、なぜ住民投票の結果を尊重しないのか。合併は大きな問題。議員の多数決で決めてほしくない。リコール運動はやむを得ない」としている。
 未来を考える会会長の西平氏は「合併賛成の意思は変わらない。投票の37票差は僅差。半数近い住民は合併に賛成している。これまで通りの主張をしていきたい」との態度を示した。30日以内に有権者の3分の1に当たる334人の署名を集めれば、60日以内に解職の賛否を問う住民投票が行われる。
 同村の合併の是非を問う住民投票は1日に実施され、「合併しない」が576票、「合併する」が439票だった。投票率は92・61%。

top.gif (811 バイト)

下地島空港使用へ/在沖米海兵隊・今月20日と来月11日

 【那覇支局】在沖米海兵隊は17日午前、今月23日から3月7日の日程でフィリピンで行われる米比合同演習「バリカタン04」に参加するCH−46型ヘリ4機とKC−130給油機1機の計5機が、給油のため伊良部町の下地島空港を使用する計画があることを県に伝えた。使用は訓練に向かう今月20と訓練から戻る3月日を予定。海兵隊はきょう18日、正式な申請書を県空港課に提出する。これについて伊良部町の浜川健町長は「米軍ヘリの飛来が恒常化すると、下地島空港が軍事化に利用される恐れがある。飛来は好ましくない」と飛来に拒否の姿勢を示した。
 米軍の民間空港使用は日米地位協定第5条で認められているが、県はこれまで一貫して緊急時以外の民間空港使用自粛を求めている。今回の計画について電話で連絡を受けた県基地対策室の久場長輝室長は「緊急時以外は民間空港を使用しないでほしい」とし、揚陸艦や民間船舶の利用などの代替手段で機材を輸送するよう即座に申し入れた。
 同対策室は、昨年4月と5月に同型ヘリ6機と同給油機1機の計7機が宮古空港と下地島空港を使用した際にも、同様の申し入れを行った。その際海兵隊は、中型のCH−46型ヘリを輸送できる艦船はなく空中給油もできないとの理由で「代替手段はない」とし、着陸を実施している。同対策室によると現在のところ宮古空港使用の話は出ていない。
 今回下地島空港が使用されれば2001年から4年連続となり、米軍による民間空港使用の恒常化の懸念は高まる。久場室長は「いくら地位協定で認められているとはいえ、そのような事態はあってはならない。県としては一貫して強く使用自粛を申し入れたい」と述べた。同対策室では20日に使用がなされた場合、直ちに海兵隊に対し抗議する方針。
 県下地島空港管理事務所(山里勝夫所長)は「今月20日と来月11日は民間航空機の訓練が予定されている」と話し、訓練への影響を憂慮している。

top.gif (811 バイト)

『違法採掘』 県内でも宮古だけ/跡地には大量ごみ散乱

 沖縄総合事務局は17日午後、宮古地域における鉱山の違法採掘防止を目的とする合同パトロールを実施した。コーラル(石灰岩)採掘は鉱業法に基づく鉱業権を有する業者しか認められていないが、宮古地域では許可を得ていない違法採掘が目立つという。違法採掘に対して、埋め戻しなどの指導を行っているが、原状回復できたのはごく一部にすぎず、ほとんどが放置されている。総合事務局の新垣全和環境資源課長は「違法採掘が行われているのは県内でも宮古地域だけ。採掘跡はごみの不法投棄場所になっている所もあり、環境悪化の要因にもなる。違法採掘に関する住民の意識を高めていきたい」と話した。
 パトロールには沖縄総合事務局、市町村の担当者、正規の鉱山業者、宮古署から約30人が参加した。県宮古支庁で出発式を行った後、城辺町、上野村、平良市の違法採掘現場15カ所を回り、状況を確認した。
 総合事務局では1997年に市町村などと連携した違法掘採対策連絡会を発足させ、公共工事の発注機関や鉱山業者への違法掘採防止の協力要請など対策を講じるとともに、2002年からは警察、鉱山業者を加えて合同パトロールを実施している。違法採掘は鉱業法の違反だけでなく農道の破壊、無秩序な自然破壊、採掘跡への廃棄物の不法投棄など地域環境を悪化させる要因となっている。総合事務局では悪質な違法掘採に対しては、警察への告発を前提とした巡回指導や取り締まりを実施していく方針。宮古には正規の認可を受けた鉱山は27カ所しかない。
 パトロールは過去に違法掘採があった場所や原状回復した場所、指導によって掘採が中断し継続的な監視が必要な場所などを回った。このうち城辺町のある現場では深さが10メートルを超える穴が空き、そのまま放置されている状況や、長い期間にわたって違法掘採され指導を受けながらも継続しているような場所などが確認された。また平良市では共有地が掘採され、その跡地に一般の廃棄物が大量に投棄されている場所もあった。
 総合事務局によると、過去3年間で48件の掘採行為に対して指導を行った。年々違法掘採は減少しているものの、新規の掘採行為は増加している。新規掘採の増については、住民の関心が高まり通報が増えたためと説明している。掘採は「農地をつくるため」との理由が最も多いという。しかし農地法による一時転用手続きをせず掘採している場合もあり、手続きをするよう指導している。また埋め戻しの指導を受けながらも、その費用負担が大きいことからそのまま放置されている現場もあり、「継続的な監視」が必要としている。

 写真説明・違法掘採の跡地に一般のごみが大量に捨てられている=17日、平良市狩俣

top.gif (811 バイト)

デイゴ悲鳴/平良市内・倒れたまま放置

 道路わきの緑地帯に植えられていたデイゴの木が根こそぎ倒れたままとなっており、付近を通る市民らから「このままでは枯れてしまう。何とかできないか」と助けを求める声が上がっている。
 デイゴの木が倒れている緑地帯は、旧平良港ターミナルから人頭税石へ向かう臨港道路わき。ヤシやガジュマルなどの樹木の周辺には遊歩道やベンチも設置されており、市民らの憩いの場を創出している。緑地帯の管理は平良市という。
 倒れたデイゴは幹回りが約2メートルにもなる大木で、初夏には真っ赤な花を咲かせることで知られていたという。昨年襲来した台風14号の強風で倒れたらしい。
 根とわずかにつながっている状態なのか、一部の枝木には新芽が見え必死に息を吹き返そうとしているかのよう。付近をよく散歩するという50代の男性は「行政は、木は植えるが倒れた木はそのままにしておく。自分の庭にある木は決してそのままにはしないはずだ」と同市の管理体制を厳しく批判。以前、平良市の老木・巨木を調査し、冊子にまとめた平良市市民運動実践協議会グリーン部会長の友利吉博さんも「平良市はただでさえ緑の面積が低い。せっかく育っている大木を自然災害とはいえ失ってしまうのは残念なこと」と話し、緑を創出する運動が高まる中での市の遅い対応に首をかしげている。

 写真説明・倒木したままの状態となっているデイゴの大木。地面からむき出しになった根や歩道に倒れた枝部分は切除されている=平良市臨港道路わきの緑地帯

top.gif (811 バイト)

オリックスキャンプ便りG/紅白戦始まる・

ホームラン2本、スタンド沸く

 平良市民球場で春季キャンプ中のオリックス・ブルーウェーブは17日午後、初めての紅白戦を行った。スタンドには平日にもかかわらず、多くの野球ファンが訪れ、プロ野球選手のプレーに見入った。

 試合は佐竹学外野手、迎祐一郎外野手が本塁打を放ち、スタンドを沸かせた。紅白戦は19、21の両日にも行われる予定。広報部の熊谷泰充さんは「宮古島の皆さんに、ぜひ球場に足を運んでもらい選手たちを応援してほしい」と来場を呼び掛けている。
 試合はマック鈴木投手の先発で始まった。先頭バッターに3塁線を破る2塁打を打たれ、その後、ライト前ヒットでランナーを返され1失点。立ち上がりの制球に苦しんだが、2回は安定したピッチングを披露。最後の打者は持ち味の速球で三振に打ち取った。
 野手では若手選手が活躍を見せた。迎外野手も2打数2安打1本塁打2打点。肥田高志外野手も3打数2安打とアピールし、伊原春樹監督も「良いバッティングだった。これから楽しみだ」と絶賛した。
 また移籍組の谷中真二投手も2回を1安打に抑え、首脳陣に安定感のあるピッチングを見せ付けた。
 試合後、伊原監督は「ピッチャーがどれだけ投げられるか気になっていた。抑えるべき人が抑え、明暗がはっきり分かれた」と紅白戦の感想を述べた。

 写真説明(上)・2回を1失点で抑えたマック投手=17日、平良市民球場
 写真説明(下)・迫力満点のクロスプレーも見られた=17日、平良市民球場

top.gif (811 バイト)