200平成1 6  14 曜日

新庁舎の落成 盛大に祝う/城辺町

 昨年12月に完成した城辺町(仲間克町長)新庁舎の落成記念式典と祝賀会が13日午後、同庁舎前と同町農村環境改善センターで開催され、国や県、市町村など関係機関・団体の代表が出席して新庁舎の落成を盛大に祝った。仲間町長は「新しい拠点で住民福祉の向上に全力を尽くす」と決意を述べた。新庁舎はゆとりと明るさ、利便性を基本とする設計が施されており、旧役場に比べると町民の利便性も飛躍的に向上している。

 式典に先立ち、午後2時からテープカットが行われた。仲間町長や県宮古支庁の安和朝忠支庁長、県議会の伊良皆高吉議長、宮古郡区選出の砂川佳一県議、城辺町議会の伊志嶺幹夫議長に加えて、新庁舎の設計や建設にかかわった各社の代表がテープをカットした。庁舎入り口に設置されている石碑の除幕には仲間町長らと共に同町内の小・中学校の児童・生徒会長らが参加した。役場職員らで町旗を掲揚した後、関係者が記念植樹を行った。
 落成記念式典は午後2時30分から庁舎正面玄関前で挙行された。県の嘉数昇明出納長や宮古6市町村の首長・議会議長をはじめ、城辺町と交流事業を展開している新潟県板倉町の瀧澤純一町長も出席した。仲間町長は式辞で「完成した新庁舎は高齢者をはじめ、利用者の利便性と安全性に最大限配慮しており、併せて高度情報化に対応するため建物全般をフリーアクセスフロアー(コンピューターの配線等が自由にできるように二重構造にした床)で統一している」と強調した。その上で「今後はこの充実した新庁舎を活動拠点として、本町の振興発展および一層の住民福祉の向上に向け、職員と共に粉骨砕身努力していきたい」と決意を述べた。
 工事経過報告の後、建築にかかわった建設業者や庁舎完成に伴う記念品の贈呈者に対する感謝状の贈呈が行われた。
 この後、稲嶺恵一知事をはじめ、伊良皆県議会議長、伊志嶺城辺町議会議長が来賓祝辞を述べた。稲嶺知事(代読・嘉数出納長)は「今後の行政運営に貢献することを期待している」と述べ、新庁舎落成を祝った。伊良皆議長や伊志嶺議長も「より良い住民サービスの向上に期待する」と述べ、それぞれ庁舎建設に伴う行政運営の効率化を求めた。
 式典後は農村環境改善センターで祝賀会が催され、西城保育所の園児やオペラ歌手の黒島舞季子さん、空手のUSオープン男子形の部で優勝した同町出身の下地英作さん、ミュージシャンの下地暁さん、「うるかクイチャー愛好会」が余興を披露するなどして、同会は終始盛況だった。
 新庁舎は、旧庁舎に比べて格段に広い敷地(福里600番地の1)に建設されており、鉄筋コンクリート造りの地上2階、地下1階の構造。延べ床面積は4538平方メートル。建設に至るまでには庁舎移転に反対する住民運動などがあり、建設計画も二転三転したが、最終的に今の場所に建設することで議会も合意した。予算は12億円余を投じ、このうち6億円は基金で対応、残りの6億円は借り入れた。2−3年据え置いた後、返還していく。仮に市町村合併した場合、新市で返還していくことになる。

 写真説明・仲間克町長(左から3人目)ら関係者がテープカットを行い新庁舎の落成を祝った=13日、城辺町役場前

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嵩原の「推薦」困難に/自民県連「1人区は現職のみ公認」

 自民党県連(外間盛善会長)は13日午後、県議会内で開かれた議員総会で、今年6月の県議選に向けた取り組みを協議。この中で第二次公認、推薦の申請受け付けを今月末までとし、その結果を来月6日に発表することや、1人区で複数の公認、推薦を行わないことを全会一致で確認した。これにより平良市区(定数1)に立候補予定の平良市議で新人の嵩原弘氏(49)から出されている「推薦」申請については、すでに同区で現職の坂井民二氏(54)を公認していることから、却下される見通しが強まった。このことについて嵩原氏は「第4区支部に提出した申請書類に不備はないと聞いている。返事が何とも来ていない今の段階でコメントのしようがない」と話した。
 議員総会後、自民県連の新垣哲司総務会長(県議)は「第4区支部から嵩原氏の推薦申請の書類はまだ来ていないが、平良市区ではすでに現職の坂井氏を公認しており、1人区であり(嵩原氏を)推薦することはない。全会一致で確認した」と述べた。過去に宮古郡区で自民公認と自民推薦の候補が戦った例があることについては、「昔は自民党も間違ったやり方をしていた部分もある。しかしこれからはそのようなことはない。またその時は新人同士だった。まして今回は公認の現職がいる。そのような中で新人の推薦は一切ない」と強く否定した。
 自民党県連は昨年6月の県連総会で現職17人を公認しており、12月には公認証の交付を済ませている。県連の選挙対策委員会の運営規定には、公認および推薦の基準として「定員以外の準公認又は党籍証明書の発行は行わない」と規定されている。

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平良紅林(あかり)さん(鏡原中2年)が最高賞/

世界こどもハイクコンテスト日本大会部門

 第8回世界こどもハイクコンテスト(主催・日本学生俳句協会)の日本大会部門で、平良市立鏡原中学校の平良紅林さん(2年)の作品が最高賞に当たる大賞10句のうちの1つに選ばれ、全国一に輝いた。一方、第34回全国学生俳句大会(主催・同)でも、同校の吉本美佐和さん(3年)、下里良太君(同)、与儀隆広君(2年)が佳作に選ばれた。

 平良さんの俳句は「台風や島中タイムスリップす」。昨年九月の台風14号襲来後の様子を詠み、サトウキビ畑にたまった水に真っ赤な夕日が映える絵と俳句を組み合わせた俳画を出品した。平良さんは「台風が過ぎた後はすさまじい光景だった。電気も1週間ほどつかなくて、ロウソクの下で生活した。洗濯物も手洗いだった。水浸しになった畑に夕日が移っていたのを見て、タイムスリップしたような感じがした」と話した。俳句での入賞は初めてで、今回の大賞受賞に「驚いた」と感想を話した。
 全国学生俳句大会は「俳句の甲子園」ともいわれ、全国から17万2274句が寄せられた。このうち佳作に選ばれたのは、吉本さんの「衣替え教室中が重くなる」。水色の夏の制服から黒い冬の制服へ変わった印象を俳句にした。下里君の作品は「夏試合終えた瞬間受験生」。中学校最後の大会となった中体連の様子を振り返り、引退する寂しさと受験生としての自覚の芽生えを詠んだ。与儀君の作品は「太陽へモザイクかけた積乱雲」。ふと教室から空を見上げた時に太陽が雲に隠れた様子を詠んだ。3人とも俳句の面白さについて「短い文で自分の気持ちを表現できるところが良い」と話した。
 平良幸一校長は「感性が豊か。文武両道で頑張ってくれているので満足している」と生徒たちをたたえた。
 指導に当たった国語科の高里廣子教諭は「俳句作りを通して、思いやりや優しい気持ちが生徒1人ひとりに見える。生徒たちの変わっていく様子が分かる」と話し喜んだ。

 写真説明(上)・世界ハイクコンテスト日本大会部門で大賞に選ばれた平良さん=13日、平良市立鏡原中学校
 写真説明(下)・全国学生俳句大会で佳作に入賞した(左から)下里君、与儀君、吉本さん

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女子強豪チームが来島/ホンダ栃木女子ソフトボール部がキャンプ

 昨シーズン日本女子ソフトボール2部リーグを制し、初の1部昇格を決めた本田技研工業栃木製作所のホンダ栃木女子ソフトボール部の選手ら25人が13日、宮古島でキャンプを行うため来島した。宮古空港では宮古観光協会(藤村明憲会長)などによる盛大な歓迎セレモニーが行われ、キャンプを足掛かりに1部リーグでの活躍に期待を寄せた。同部はきょう14日から沖縄電力球場で練習を開始する。
 同部は03年度の同リーグで全勝こそ逃したものの、15勝1敗という圧倒的な力の差を見せつけ優勝。4月から始まる1部リーグ開幕戦の調整のため来島した。今キャンプではバッティング、ピッチング、守備練習と総合的なトレーニングを実施する。
 歓迎セレモニーでは琉球國祭り太鼓の勇壮な演舞が披露され、選手らを歓迎。続けてあいさつした宮古観光協会の平良勝之副会長は「ようこそ宮古島へ。宮古の暖かな太陽の下、練習を積み重ね、念願が達成されることを願っています」と激励した。
 選手を代表してキャプテンの長谷川智子選手は「4月から始まるリーグ戦に向け、1つでも多くの勝利につなげられるよう頑張りたい」と今キャンプに懸ける意気込みを見せた。
 成田武男監督は「若い選手が多く、皆いきいきとした元気なチーム」とチームカラーを紹介。「1部と2部ではまだまだ力の差が大きく、苦しい戦いになると思うが、負けず嫌いのチームなのでやるからには優勝を目指したい」と力強く決意を表明した。

 写真説明・キャンプのため来島したホンダ栃木女子ソフトボール部の選手ら=13日、宮古空港

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野鳥の生態など学ぶ/本誌記者が講師・池間小で自然観察会

 平良市立池間小学校(天願敏男校長)は13日、総合学習の一環として池間湿原や学校周辺などで自然観察会を行った。講師に宮古毎日新聞社記者の伊良波彌さんが招かれ、池間湿原で見られる野鳥や植物の生態などについて説明。児童たちは双眼鏡を手に、野鳥を見つけては記録するなどし島の自然について学んだ。
 自然観察会には幼稚園児から6年生までの23人が参加。学校から池間湿原までを歩き、途中で確認できた野鳥の名前や特徴などを細かく記録した。池間湿原では淡水に住むカモの観察を行い、双眼鏡をのぞいては資料の絵と照らし合わせて鳥の名前などを確認した。伊良波さんは「くちばしの端の広いカモが『ハシビロガモ』。『アオサギ』はサギの中でも最も大きい種類。野鳥は雄が雌よりもきれい」などそれぞれの特徴を説明した。また湿原で見られる植物の生態について「この湿原に生えているシマシラキは、海と陸の境界線に生える植物。この木がある場所一帯は以前、海だったことが分かる」など植物から分かる歴史などについて説明した。
 奥浜晋治君(4年)は「19種類の野鳥が見えた。伊良波先生の話は分かりやすくて良かった」と話した。
 同校ではボランティアバンクとして地域住民が登録しており、海や自然、歴史などについて非常勤講師を務めている。

 写真説明・池間湿原で見られる野鳥や植物の生態について説明する伊良波さん(右)=13日、池間湿原

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親子4世代 8人が同居/伊良部町 与儀家・屋号は「正直屋」

 8人が1つ屋根の下で暮らす与儀家の親子4世代。互いに心が通じ合い、心の底から笑ったり、喜んだり、励まし合ったりする。それが元気の源だ。1人ひとりが縁あって生まれ、縁あって出会い、共に暮らすようになった。子孫繁栄が脈々と広がる。同居中の4世代を紹介する。


■1世代、与儀キヨさん(89)
 「健康が一番上等さぁ。みんなで仲良く暮らすから楽しい」と笑顔で話すキヨさん。
 キヨさんの一族は子供7人、孫26人、ひ孫31人の計64人。
 4年前、ゲートボール仲間と一緒に県代表で九州大会に出場した。
 キヨさんはそばに座っていたひ孫3人に向かって「おばあも頑張っているから、あなたたちも頑張るんだぞ」と励まし、3人の頭をなでながら「お利口さんだからね」と笑った。
 今もゲートボールを通して健康づくりに余念がない。「体力には自信があるからね」と胸を張る。
■2世代、勇英(59、長男)・初江(59、嫁)夫妻
 夫妻は「お母さんが元気だから、みんな元気だ。お母さんは驚くほど体力があり、若い」と持ち上げ「いつまでも健康で長生きを」と優しい思いやりの言葉を掛ける。
 勇英さんは現在、JAおきなわ経営者管理委員、伊良部町農業委員を務める。
■3世代、盛(さかる)(33、長男)・美香子(33、嫁)夫妻
 盛さんは「お父さんが立派な家を建てたから同居するようになった。お父さんに感謝でいっぱい」と、少し照れながら話し、父親に頭を下げた。
 美香子さんは「みんなが健康で楽しく暮らしているから、最高に幸せ」と、今の暮らしに大満足の様子で「これからも仲良く暮らしたい」と付け加えた。
 盛さんは、丸英運送の代表。伊良部町商工会青年部長の肩書を持ち「伊良部町の地域活性化のために、青年部のパワーを発揮したい」と意気込む。
■4世代、愛里さん(12、長女)、奈津美さん(10、二女)、麻仁(まひと)君(4つ、長男)
 愛里さんは、バレーボールで活躍する佐良浜クラブのキャプテン。昨年11月、県大会を制覇し、同クラブの名を県下にとどろかせた。将来の夢は「全日本女子バレーボールの選手」と言い切る。
 奈津美さんは、姉を目標に「早く佐良浜クラブの選手になること」と瞳を輝かせる。
 麻仁君は「野球選手になりたいなぁ」と言いながら母の背中にもたれかかった。
 姉妹はがんばり屋で、書道塾や琉球舞踊教室、珠算塾に通い、帰宅時間は午後9時―同10時ごろ。
■キヨさんの決意
 「やしゃごの顔を見るまで元気で長生きするからね」と決意を新たにした。
■勇英さんの自慢の1つ
 「わが家の屋号は『正直屋』。おじいが正直ものだったから、世間から『正直屋』と呼ばれた」と説明する。
 家の壁に木製の横額が掛けられてある。筆で書かれた横額の文字は「一談一笑」。
 勇英さんが「家族の団らんの中に『談笑』があることが素晴らしい」と自慢すると、4世代全員が「そうだね」と笑みをこぼした。

 写真説明・盛さん、愛里さん、キヨさん、奈津美さん(前列左から)、美香子さん、勇英さん、麻仁君、初江さん(後列左から)=伊良部町佐良浜の与儀さん宅

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