200平成1 6  13 曜日

下地一美が出馬の意向/県議選・混迷極める宮古郡区

 6月6日投票の県議会議員選挙宮古郡区で、城辺町教育委員で城辺中央クリニック事務長の下地一美氏(52)が12日までに、出馬する意向を固めた。本紙取材に対し下地氏は「政治風土の浄化が課題だ」と述べ、出馬に向けて強い意欲を示した。同区は自民党県連の公認を得ている現職の砂川佳一氏(60)のほか、前上野村助役で会社役員の西里秀徳氏(60)も出馬する意向を固めている。さらに伊良部町内では、同町出身で現浦添市議の島尻忠明氏(37)が出馬に前向きな姿勢を示しており、同区は候補者の擁立をめぐり混迷を極めている。

下地一美

砂川佳一

西里秀徳

島尻忠明

 下地氏は12日の本紙取材に対して出馬に向けての断言は避けているが、関係者によると下地氏の出馬への意志は強い。下地氏は農林水産業の振興や観光産業の育成、人づくりのための教育振興などを中心に政策の立案を進めており、出馬に向けての準備を整えつつあるという。
 しかし、出馬を決断するためには革新系城辺町議会議員の支持が必要との見解を示している。革新系町議は前回町長選挙で保守系無所属の新人、濱川隆氏を支持。強力な勢力を築き、現職の仲間克氏に敗れたものの小差の戦いを繰り広げた。下地氏は同様の選挙戦を想定しているとみられ、水面下で同町議らに協力を求めている。
 しかし革新系町議の中には下地氏について、前回町長選で候補者として推したが、結果として下地氏が断念した経緯があるため支持に難色を示している町議もいる。さらに一部町議が西里氏と接触しているということもあり、下地氏の支持をめぐっては微妙な情勢だ。ただ、今月初旬に開いた会合で「革新議員団として候補者は統一する」(革新系町議)としている。
 一方、出馬の意向を固めている西里氏も支持体制の確立に全力を注いでいる。現段階では地元・上野村内を中心に支持基盤の拡大を図っているが、村三役をはじめ村議が加盟する自民党県連上野支部(支部長・川田正一村長)は態度を保留している。
 前回の県議選では西里氏支持の意向を固めていたが、保守系の一本化作業で西里氏が出馬を断念したため、現職の砂川氏を推したという経緯がある。
 川田支部長は「当時とは情勢が違う。議員と十分に話し合わなければならない。しかし、支部としての意見は統一したい」と強調した。同支部は今月中に拡大委員会を開き、現職の砂川氏か、地元の西里氏かを協議し決定する。
 伊良部町内では同町出身で現浦添市議の島尻氏を推す動きがある。これまで島尻氏は「伊良部町の合併住民投票後に判断したい」という見解を示していた。
 今週中にも伊良部町内で支持者と会い、その後に自らの姿勢を示すものとみられる。同町内では町議の豊見山恵栄氏(53)を推す動きもあったが、現在はトーンダウンしており、出馬は流動的だ。
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経済効果は2400万円/宮古島100キロワイドーマラソン

 「宮古島100kmワイドーマラソン」実行委員会は12日、1月11日に開催された第14回大会における完走率やアンケート結果などの報告会を開いた。この中で2416万6600円の経済効果も示された。実行委員会の狩俣廣一副委員長(同村教育長)は「この大会での反省を生かし、来年の大会も成功させよう」と話した。
 午後4時から開かれた報告会には実行委員会のメンバーらが出席。はじめに狩俣副委員長が「長丁場の1日だったが、役員をはじめ、実行委員、ボランティアの方々の協力に感謝している。来年の大会も盛り上げたい」と話し、実行委員のさらなる協力を求めた。
 引き続き報告が行われ、今大会の申し込み者や完走率、経済効果、アンケート結果などが報告された。2416万6600円という経済効果の内訳は▽エントリー収入501万円▽宿泊収入968万7600円▽食費収入377万4000円▽観光収入224万8000円▽お土産などの収入280万8000円▽写真費63万9000円―だった。
 大会参加者のアンケートの中には「申し込みの段階で、飛行機、宿泊の仮予約が出来たことが良かった」、「スタッフの対応がとても丁寧で、親切だった」とする声がある一方で、「残りの距離を聞くと、実際とは違う距離を告げる係員がいた」、「トイレの場所が分かりにくい」などとする意見もあった。
 第14回大会には県外から358人、島外から68人、島内から221人の参加があった。最終的には593人が100キロの道のりに挑み、このうち515が完走(完走率86・8%)している。

 写真説明・1月11日に開催された第14回大会

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思いやり、認め合う心で意見交換/道徳的実践子どもフォーラム

 2003年度宮古地区道徳的実践子どもフォーラム(主催・宮古教育事務所)が12日、城辺町農村環境改善センターで行われ、宮古地区の児童・生徒約280人が一堂に会し「それぞれの居場所―思いやりの心・認め合う心―」をテーマに活発に意見を交わした。児童・生徒からは「自分が自分らしくいられる場所」「そこにいて楽しくうれしい場所」など様々な意見が出され、心の居場所や本当の友達について自分たちの考えやメッセージを学校や社会へ届けた。

 県では豊かな心を培う教育として、道徳教育や特別活動の充実による心の教育の充実を図ることを推進しており、子どもの居場所づくり支援事業として今回のフォーラムが開催された。
 フォーラムに先立ちテーマ提案演劇として「それぞれの居場所―シャトルに乗せた友情―」が披露された。劇は「いじめ」の被害者だったバドミントン部のキャプテンと加害者だった転校生をめぐるストーリー。過去にキャプテンをいじめていた過ちに苦しむ転校生と、いじめられていたことが許せず今度は自分が加害者になってしまうキャプテンの心の葛藤を描いた。劇には希望して集まった14児童・生徒が出演。会場に音が響くほどの平手打ちのシーンや崩壊していくチームのけんかの様子などを迫真の演技で表現し、観客に「心の居場所とは?」「本当の友達とは?」のテーマを投げ掛けた。
 これを受け開催したフォーラムでは、小・中学生が活発に意見。「あなたにとって居場所とは?」については「自分が自分らしいと思える心の場所」「単なる場所ではなく、そこにいてうれしいと思える空間」「人と人のつながりを大切にし、自分が出来ることを精いっぱいできる人になりたい」などの意見が上がった。「本当の友達とは?」については「心から信頼し、互いに助け合える人」「本音が言い合える人」が多数を占めたほか、「一方的に話をしたり聞いたりだけでなくちゃんと言い返してくれる人」との意見もあった。
 フォーラムで司会を務めた川満惇司君(砂川中3年)は「緊張したが良い意見がたくさん出てスムーズにいった。とても感動した」、大濱千廣さん(北中3年)は「小学生からもしっかりした意見があり、すごいと感じた。いろいろな意見があって楽しかった」と感想を話した。

 写真説明(上)・児童・生徒が「居場所」や「友達」について意見を交わしたフォーラム=12日、城辺町農村環境改善センター
 写真説明(下)・提案演劇「それぞれの居場所―シャトルに乗せた友情―」を熱演する出演者たち。観客にメッセージを届けた

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搬入キビに金属片が多/製糖工場・農家に注意呼び掛け

 沖縄製糖宮古工場と宮古製糖城辺工場に搬入される原料(サトウキビ)に金属異物が混入し、圧搾ラインが停止するトラブルが相次いでいる。混入異物は金属パイプや鉄筋、ハンマー、バール、ワイヤーなど。これらの金属異物は「キビヤマ」を作る際に置き忘れたとみられることから両工場は農家に注意を呼び掛けている。
 金属異物がラインに入ると、キビを細裂するシュレッダーハンマーを破損することがあり、さらにはハンマーの破片が圧搾機に入り、歯を壊すケースも多い。
 異物混入は操業時間のロスや搾汁の効率低下を招くばかりでなく、人身に危害を及ぼす恐れもある。
 沖糖では1日平均2回異物が入り、そのたびにラインがストップ。宮糖城辺工場では1月21日の操業から10日までに異物混入によるトラブルが28回発生した。両工場とも1回の復旧に5−10分かかっているという。
 両工場は「何よりも安全面が問題。未然防止は農家の協力でしかできないので、その点を理解していただき、キビヤマに金属類を置かないように」と呼び掛けている。

 写真説明・製糖工場に搬入されるサトウキビにハンマーや金属パイプなどの異物が混入し操業に危険を及ぼしている(左が沖糖、右が宮糖城辺工場に持ち込まれた金属異物)

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岡山県津山市で台風14号写真展/電柱倒壊など100点展示

 昨年9月に宮古島を襲った台風14号の被害を知ってもらおうとアマチュアカメラマンの新城定盛さん(44)=城辺町新城=は今月9日から13日まで、平良市の姉妹都市である岡山県津山市で写真展を開催している。新城さんは「台風の怖さを知ってもらい、今後の防災などの参考になれば」と目的を話した。
 写真展は、同市役所1階ロビーで開催。自身が撮影した写真や宮古署、県宮古支庁から提供のあった計100枚のほか、宮古毎日新聞社などの記事も一緒に展示している。
 新城さんは写真展開催前日には、同市の中尾嘉伸市長を表敬訪問し、同市職員や青年会議所などから贈られた義援金のお礼や、早期復興に向けて宮古住民が一丸となって頑張ったことなどを伝えたという。
 津山市は1998年の台風10号で3000世帯以上が被害を受けたことがあり、市民らが宮古の被害状況を熱心に聞いたり、地元のマスコミも取材に訪れるなど台風への関心が高かったという。
 「電柱の倒壊やプレハブ小屋の崩壊、港で横転している船舶などを見てみんなびっくりしていた。写真展には消防団員も足を運んでくれたので、今後の防災に生かしてもらえれば」と新城さん。沖縄本島でも同様な写真展を企画している。

 写真説明・台風の被害状況など計100点が展示されている写真展=津山市役所1階ロビー

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オリックスキャンプ便りE/定位置争いに燃える・

大島 公一 内野手

 練習中ひときわ大きな声でチームの雰囲気を明るくする大島公一内野手(36)は、シーズン12年目のベテラン。つなぎのしぶとい打撃と鉄壁の守備で1996年の日本一にも大きく貢献した。その打撃と守備は今も健在だ。
 暖かくなった天気に合わせトス打撃やフリー打撃、バントなど精力的にこなす。「ミートポイントを(体の)近くに置くこと」とバッティングの課題を掲げる。
 守備では「捕球と送球の確実性。すべてのプレーでシンプルなプレーを意識し、力感がないプレーが理想」と述べる通り、動きはとても軽快。
 昨年はサードを主に守ったが、今年は以前定位置だったセカンドに戻った。大島選手はこれまでにベストナインを2度、ゴールデングラブを3度受賞した守備の実力者。だが、伊原春樹監督は「チームの将来を考えて2遊間は後藤、平野で固めたいがまだ分からない」と話す。
 守備に定評のある大島選手でも、今年は危機感を感じている。後藤光尊、平野恵一、両内野手のほかに2軍スタートしていた斉藤秀光内野手も1軍に合流。2塁の守備練習に加わるなどレギュラー争いは熾烈さを増している。
 「チームの勝利のために貢献すること。そしてレギュラー獲得」と今シーズンの目標を静かに語っていた。

 大島 公一(おおしま・こういち) 1967(昭和42)年6月17日生まれ。東京都出身。身長167センチ、体重67キロ。右投両打。背番号52。法政二高−法政大学−日本生命−近鉄(92ドラフト5位)−オリックス(96年−)。昨季成績は109試合、打率2割8分5厘、20打点。通算成績は1250試合、2割6分2厘、23本塁打、316打点。

 写真説明・ひときわ大きな声で練習を盛り上げる大島内野手

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