200平成1 6  12 曜日

嵩原弘が出馬表明/県議選平良市区・保守は分裂選挙へ

 6月6日に投開票が行われる県議会議員選挙に平良市区で出馬の意向を示していた現職市議の嵩原弘氏(49)の出馬表明が11日、市内のホテルで行われた。嵩原氏は現市政、市の政治の在り方に疑問を投げ掛け「私は『正しい政治を・一生懸命』をモットーに市民のために働きたい」と集まった支持者に支援を訴えた。保守系現職の無投票当選も予想された市区だが保守系の嵩原氏出馬で保守分裂選挙となる見込みだ。

 嵩原氏が示した重点施策は▽地下水に配慮した資源循環型社会の形成▽元気な島をつくる活力あふれる産業の振興(明るい未来につながる農水産業の振興、地域資源の活用と各種交流を活用した観光の振興とスポーツアイランドとしての地域活性化、新たな雇用を生み出す産業の振興)▽宮古の未来を担う人づくりの推進▽若者にとって魅力ある雇用環境の創出▽安全、安心で快適な暮らしの創出(高齢化に対応した保険、医療、福祉の連携強化と相互扶助の仕組みづくり、地域間格差の是正など)―を掲げている。
 出馬表明には、元県議の下地常政氏、富士製菓製パン会長の上地安増氏、元宮古空港ターミナル監査役の真栄城稔氏などが同席。また、与那覇昭雄、新城啓世の両市議と仲間克城辺町長も顔を見せた。
 今回の出馬表明は嵩原氏の後援会主催で行われたが後援会長など、執行部はまだ決定していない。今月中に予定されている政策発表で執行部体制を公表する予定となっている。
 後援会長就任が濃厚となっている下地氏はあいさつで「現在の現職県議には政治行動に大きな疑問がある。嵩原氏は自、公協力の県政と歩調を合わせて地域の問題に対応することが出来る」と述べた。
 また、これまでの状況説明で真栄城氏は「公明党から嵩原氏を推薦する内諾を得ている。自公協力で選挙戦は戦える」と述べた。
 最後は、会場に集まったたくさんの支持者とともにガンバロー三唱で気勢を上げ、必勝を誓い合った。
 現在、平良市区には現職の坂井民二氏(54)に自民党県連からすでに公認が出ているが嵩原氏は現在、自民党県連、公明党県本部に推薦を求めている。 
 嵩原弘(たけはら・ひろし) 1954(昭和29)年8月28日生まれ。49歳。平良市東仲宗根出身。宮古高校、東京読売理工専門学校建築科卒。一級建築士。01年に行われた市議選で894票を獲得し2位当選を果たしている。

 写真説明(上)・支持者らがガンバロー三唱で県議選必勝を誓い合った=11日、ホテル共和新館
 写真説明(下)・県議選に向け意気込み示す嵩原弘氏

top.gif (811 バイト)

合併支援金7億円の減/伊良部町・多良間村が離脱すると

 伊良部町と多良間村で行われた合併の是非を問う住民投票で相次いで「合併せず」の判断となり、もし両自治体が宮古地区市町村合併から脱退した場合の国、県の支援金が6市町村合併時よりも7億1000万円減額となることが、10日夕に行われた「新市建設計画に関する小委員会」(平良和枝委員長)の第6回会合で宮古地区市町村合併協議会事務局から報告された。
 合併市への国の補助金(3年間合計)は、6市町村合併の場合2億1000万円。これが4市町村合併になると1億5000万円となり差額は6000万円となる。
 合併市への県の補助金(5年間合計)は6市町村の場合9億円。伊良部町、多良間村は離島のため増額された分もあり、宮古本島内4市町村合併では5億円。その差額は4億円となる。
 合併した場合に発生する臨時的経費への普通交付税上乗せ分(5年間合計)は6市町村の場合で7億6000万円、4市町村の場合5億1000万円で差額は2億5000万。
 以上の合計で宮古地区が6市町村で合併した場合と4市町村合併では国、県の支援金が7億1000万円減る。
 また、合併特例債についても影響が出る。6市町村の場合、事業費ベースは280億1000万円。標準全体事業費は245億6000万円、起債可能額は233億3000万円で普通交付税算入額が163億3000万円となる。標準基金規模は34億5000万円で普通交付税算入額は24億2000万円となっている。
 一方、4市町村合併では事業費ベースで202億4000万円(6市町村合併時との差額・77億7000万円減)。標準全体事業費は178億8000万円(同・66億8000万円減)、起債可能額は169億9000万円(同・63億4000万円減)、普通交付税算入額は118億9000万円(同・44億4000万円減)。標準基金規模は23億6000万円(同・10億9000万円減)、普通交付税算入額は16億5000万円(同・7億7000万円減)となる。
 伊良部町、多良間村とも現段階でまだ合併協議会から離脱したわけではないが、伊良部町議会は離脱の意思を示しており、多良間村は当局と村議会で意向がまとまっていない状況。
 基金7億円を持つ多良間村は比較的財政的に余裕があるが伊良部町は新年度予算編成で4億円の不足額が発生している。同町は、基金も底を突いており、財政規模的に見ても「再建団体」となるまでにそう時間はかからない状況だ。
 そのほか小委員会では、新しい島づくり計画(素案)のリーディングプロジェクトについて委員らが意見を交換。今後意見をまとめて協議会に報告する予定となっている。

top.gif (811 バイト)

佐良浜中、2年ぶり優勝/九州中学バレー県予選

 【那覇支局】OTV杯第21回九州中学校バレーボール選抜優勝大会県予選は最終日の11日、那覇市民体育館で男女の決勝までを行い、男子は佐良浜が2年ぶり3度目の優勝を果たした。平良は佐良浜との直接対決に敗れ3位となった。佐良浜は3月に宮崎県で行われる九州大会に出場する。
 佐良浜は準決勝で平良との宮古対決をストレートで制すと、決勝では高江洲にもストレート勝ちし、中学4冠のうち2冠目を勝ち取った。
 試合の結果は次の通り。
【準決勝】▽佐良浜 2 (25−20、25−8) 0 平良
【決 勝】▽佐良浜 2 (27−25、25−22) 0 高江洲

・優勝も試合内容には不満/佐良浜中
 県4冠という大きな目標を掲げる佐良浜にとって、サーブカットやサーブなど基本的な部分でミスの多い決勝の試合内容は納得できるものではなかった。第1セットはジュースの末、辛くも先取。第2セットもミスは続き、攻撃、守備でそれぞれが役割を発揮する理想のバレーボールとは遠かった。
 上地誠次郎主将は「ミスが出たあとに立て直し切れなかった。練習でやってきたことが出せなかった」と反省しきり。大会を通じて1セットも失わない2冠達成にも選手たちに笑顔はなく、喜び爆発とはいかなかった。
 「相手の疲れに助けられた」とは友利直喜監督。「優勝はしたけど、悔しさの方が大きい。何でもないミスが流れを途切れさせていた。意識改革が必要だ」と、内容が伴わなかったことへの不満の方が大きかった。
 そんな中にも収穫はあった。第1セット終盤の粘りだ。友利監督は「あの部分は、きちんと拾って攻撃する本来のバレーが出ていた」と評価。上地も「あのときは絶対に逆転しようという気持ちでまとまっていた」と振り返った。対戦相手の高江洲から得たものも。与那覇歩夢は「サーブを打つときから常に気持ちが攻めていて、捨て身だった」と、強気を崩さない姿勢の大切さを学び取った様子だった。
 3月には九州大会を控える。「もっと強くなって、九州でも優勝旗を取りたい」と次の目標を口にした伊志嶺太基には笑みが戻っていた。

 写真説明(上)・2年ぶり3度目の優勝を果たした佐良浜=11日、那覇市民体育館
 写真説明(下)・決勝戦 佐良浜―高江洲の第2セット、センターからスパイクを放つ伊志嶺太基=11日、那覇市民体育館

top.gif (811 バイト)

伊良部高は3位/春高バレー県予選

 【那覇支局】第35回全国高等学校バレーボール選抜優勝大会(春の高校バレー)沖縄地区予選は最終日の11日、那覇市民体育館で男女の決勝までを行い、男子の伊良部は準決勝で美里工業に敗れ3位となり、全国大会出場はならなかった。
 伊良部は昨年9月の新人大会で勝利を収めていた美里工業との対戦。序盤こそリードしたものの、2年生中心の美工の堅実なプレーに、徐々にペースを奪われた。
 試合の結果は次の通り。
【準決勝】美里工業2(25−20、25−17)0伊良部

・最後まで波に乗りきれず/伊良部高
 第1セット序盤は12−7と最大5点のリードを奪った伊良部だったが、そこから美工に10連続ポイントを奪われ、それ以降流れを取り戻すことができなかった。サーブカットが思うようにセッターに入らず、持ち味の多彩な攻撃はなりを潜めた。天願誠也主将は「最初のリードで安心してしまって、ミスが続いてリードされたときに切り替えられなかった」とがっくり。1年生主体で、早くに集中力が切れてしまう「若さ」も出た。
 與那嶺春男監督は「サーブカットが乱れたり、サーブが入らなかったり、ミスが続いて自信喪失してしまった。波に乗り切れなかった」と敗因を分析した。選手たちには「自分たちで流れを手放してしまった。常に自信を持てるぐらいの練習をしていかないと」と、奮起を促した。
 県大会は5月の平安杯と、全国大会が懸かる6月の高校総体の2つ。天願は「負けたのはちょっとした気のゆるみからだった。日ごろから声を出して『勝つ練習をやっているんだ』という気持ちで取り組まないといけない」と話し、雪辱を誓っていた。

 写真説明・準決勝・伊良部―美里工業第2セット、センターからスパイクを放つI久高一彦=11日、那覇市民体育

top.gif (811 バイト)

迫力満点の演奏披露/全宮古吹奏楽祭・

会場 立ち見が出る盛況

 第17回全宮古吹奏楽祭(主催・平良市文化協会、宮古吹奏楽OB会)が11日、平良市のマティダ市民劇場で開催された。市内の小・中・高校、一般から10団体、総勢265人の児童・生徒らが参加した。県の各コンテストで金賞を受賞した団体や個人も出演。各団体とも息の合った演奏や迫力のある演奏で観客を魅了した。
 同祭は宮古の吹奏楽の底辺の拡大や、別年代の演奏を鑑賞することでの技術の向上などを目標に行われている。
 冒頭、あいさつに立った宮古文化協会の立津精一会長は「人間はうれしいときも悲しいときも音楽がともにある。宮古の子供の演奏はレベルが非常に高いので、最後まで子供たちの演奏を楽しんでください」と来場者に呼び掛けた。
 祭は平良第一小学校金管バンドの演奏で幕開け。ベートーベンの第九をボサノバ風にアレンジし、明るく軽快なリズムで観客の心をつかんだ。
 また、今回が音楽祭初出演の久松小学校金管バンドは、緊張した表情を見せながらも息の合った演奏を披露。観客から大きな拍手を受けていた。
 フィナーレは全出演者265人がステージに上がり、「世界に一つだけの花」などを盛大に演奏した。会場には学校関係者や父母らが大勢訪れ、子供たちの演奏に耳を傾けていた。
 娘の晴れ姿を見に来た砂川正子さんは「娘の演奏は何度も鑑賞しに来ている。そのたびに成長が良く分かり感動する」と娘の成長を喜んだ。
 日本民謡メドレーなどを力強く演奏した東小学校金管バンドの上地理沙さん(6年)は「たくさん練習したから良い演奏ができた。吹奏楽は中学に行っても続けたい」と小学校最後の演奏に満足げだった。

 写真説明(上)・10団体が参加し息の合った演奏で観客を魅了した=11日、平良市のマティダ市民劇場
 写真説明(下)・立ち見が出るほど大勢の来場者が訪れた=11日、平良市のマティダ市民劇場

top.gif (811 バイト)

冬の味覚「ミジュン」水揚げ/伊良部町佐良浜

 伊良部町漁業協同組合(奧原隆治組合長)の魚卸市場が11日、大量に水揚げされた魚介類で10日ぶりににぎわった。冬の味覚・ミジュン(別名ミジヌ)などを買い求める人の笑顔が広がった。
 今月初めからのしけ続きで、漁船は出漁を見合わせていた。この日は天候の回復で海上はだいぶ穏やかに。
 早朝から出漁していた数10隻の漁船は、正午すぎに次々と入港した。
 ミジュンが約100キロ水揚げされると、買い物客の間から歓声が上がった。
 50代の女性は「久しぶりの新鮮なミジュン。刺し身をみそ和えにするとおいしいです」と話し、2キロ買い求めた。
同市場では、アオブダイやコウイカ、キハダマグロの幼魚のシビなどの魚類が並び、飛ぶように売れた。

 写真説明・消費者に人気のあったミジュン=11日、伊良部町漁業協同組合前

top.gif (811 バイト)