200平成1 6  11 曜日

「税徴収」で赤字回避/平良市04年度予算案最終内示

 平良市(伊志嶺亮市長)は10日、各部課に2004年度予算案を最終内示した。今月2日の一次内示段階では一般会計の歳入歳出の差額が6億7172万7000円となる初の「歳入欠陥内示」となったが、今回は歳出を1億848万6000円抑制し、残りの5億6324万1000円の歳入不足額については市税の固定資産税滞納分を増額して盛り込むなど苦肉の策で対応した。一次内示後、国、県の指導を受けた平良市の予算編成。最終内示でも大幅な歳入不足は実質的に残るも不足額を表面化させない帳尻を合わせた編成内容となった。

 今回の最終内示について伊志嶺市長は「国は地方自治体が苦しみあえいでいることを知るべきであり、国は自治体の声を聞き、改革を進めなければ本市の様な自治体が増加していくと考えている」と国に対して強い憤りの姿勢を示した。
 最終内示の内容は、市税の固定資産税滞納分5億3000万円のうち81・2%にあたる4億2859万2000円が強引に盛り込まれた。通常、滞納分については近年の徴収平均を取り、現実的な額が見込みで盛り込まれている。一次内示段階では滞納分の13・5%程度で計上されていたが最終内示ではそれが80%以上と大幅に増額された。
 市税の滞納分徴収について「努力する」としている当局だが、盛り込まれた額を徴収することは長引く不況なども影響して難しい状況だ。
 そのほか、依存財源のうち最も構成比の高い地方交付税も一次内示で6・3%減となっていたが地方財政計画等を勘案して7・9%減に変更。一次内示段階よりも7900万円減となっている。
 一方、歳出面では予備費を8473万9000円減額調整するなど1億848万6000円を抑制した。
 結局、04年度予算案は一次内示に比べて歳入が5億6324万1000円増加し157億6000万円。歳出は一次内示に比べて1億848万6000円減少させ、歳出と帳尻を合わせる形となった。
 国の「三位一体改革」に市の財政健全化計画が追い付けずに新年度予算編成で6億7000万円の歳入不足となり、一次内示では全国的に異例な「歳入欠陥内示」に踏み切った平良市。しかし、最終内示は国、県の指導に押し切られる形で実質の不足額を隠したこれまで通りの予算編成となった。

top.gif (811 バイト)

自動車機械システム、理数科以外はすべて定員割れに/

宮古地区高校入試状況

 【那覇支局】県教育庁(山内彰教育長)は10日、2004年度県立高校一般入試の初回志願状況を発表した。宮古地区5高校で、最も志願倍率が高かったのは宮古工業自動車機械システム科で1・67倍(一般入学定員30人に対し50人志願)だった。前年度の2・12倍より下がった。

 宮古地区5高校12学科のうち、志願者数が定員に達したのは宮古工業自動車機械システム科のほか、宮高理数科1・20倍(一般入学定員56人に対し67人志願)の2学科で、ほかの10学科は定員割れとなった。伊良部高校普通科は、定員80人のところ連携型で65人が合格内定。一般入学定員15人に対し志願者は1人のみで、志願倍率0・07倍となった。
 5高校全体では総定員数800人のうち、一般入学定員は603人、一般入試の志願者は517人で、志願倍率0・86倍となっている。
 県全体では全日制・定時制合わせた総定員1万7560から推薦入試で内定した2676人を除く、一般入学定員が1万4884人で、志願者数は1万4787人。志願倍率は全日制1・005倍(定員より70人多い)、定時制0・74倍(定員より167人少ない)、全定合わせて0・99倍(定員より97人少ない)となった。志願倍率の最も高い学科は那覇工業自動車科の2・23倍で、次いで美里工業調理科の2・07倍だった。
 志願変更申し出期間は16、17の2日間(午前9時―午後5時)、願書取り下げ・再出願期間が20、23の2日間(23日は午後4時まで)。23日に最終志願状況が判明する。
 一般入試は3月10、11の2日間で、合格発表は3月17日に行われる。
 県教育委員会ホームページ(http://www-edu.pref.okinawa.jp/)でも高校別志願状況を掲載する。

top.gif (811 バイト)

獅子舞で厄払い/城辺町比嘉で「二十日正月」

 城辺町比嘉地区で10日、地区の豊年と無病息災を祈願する「二十日(パツカ)正月」が開催された。地域住民が総出で参加してクイチャーを踊り、比嘉地区における向こう1年間の豊作と繁栄を祈願した。
 二十日正月は80年以上も前から行われている伝統行事。同地区内で新築した家(増築含む)やトラクターなどの購入者宅などを回り、獅子舞を踊って厄を払う。毎年旧暦の1月20日に開かれている。
 比嘉地区の住民は午後3時に公民館(本村弘幸館長)前に集合。老若男女問わず、それぞれが頭にマーニ(和名・クロツグ)を巻いた。はじめに本村館長が「きょうは天気に恵まれた。二十日正月を盛大に盛り上げ、比嘉部落の健康と繁栄、無病息災につなげよう」と住民らに呼び掛けた。この後、2頭の獅子舞を先頭にして公民館の周りを3周し、比嘉の人たちの安全と健康を祈願。引き続き公民館前の広場で全員が輪になってクイチャーを踊った。
 この後、地区内を車で回り厄を払った。続いて奥平健二さんの自動車工場(昨年5月に増築完了)に出向き、獅子舞を踊って厄払いした。奥平さんは「これで今年も気持ちを新たにして頑張れる。(獅子舞が来てくれて)とても感動している」と話していた。
 奥平さんの工場を後にした一行はトラクターを購入したという下地修さん宅と同町立西城保育所を回り、同様に厄を払っていた。

 二十日正月 1913(大正2)年に始まったといわれている。明治時代に士族と平民が字有地の財産をめぐり衝突。この争いは長い年月の末、双方が歩み寄り和解した。その日がちょうど旧暦の1月20日だったことから記念日として祭りが行われるようになったという。

 写真説明・奥平さんの自動車工場を訪れ獅子舞を踊って厄払いをした二十日正月=10日、城辺町比嘉

top.gif (811 バイト)

久々の青空で汗/ビーチバレー合宿

 4日に来島し下地町の前浜ビーチで合宿を行っている日本ビーチバレー連盟強化指定選手で湘南ベルマーレ所属の渡辺聡選手(28)と白鳥勝浩選手(27)。10日は合宿始まって以来初の快晴となり、両選手は高尾和行監督の指導の下、トレーニングに汗を流した。合宿は15日まで。3月にはブラジルで開催されるワールドツアー初戦に出場し、アテネオリンピックを懸けて試合に挑む。
 渡辺、白鳥両選手の宮古島合宿は今回が初。一昨年に開催されたビーチバレー宮古島大会の男子2人制で優勝した経験があり、宮古島や前浜ビーチなどの環境を評価している。
 今回は、スポーツショップギャラリー・2の鈴木美和子選手、小栗幸恵選手も自主参加し、技術向上を目指して合宿に加わっている。
 来島前は鹿児島県や神奈川県などでそれぞれ自主トレーニングを行い、ウエイトトレーニングなどの身体づくりに取り組んできた。宮古島合宿が両選手そろってのトレーニングとなる。今回はボールに触る練習メニューがほとんどで、ボールの感覚を取り戻すことに重点を置いたトレーニングに励んでいる。
 白鳥選手は「実際に砂浜で走ったりジャンプすることでスピードも上がってきている。この合宿ではコンビネーションを高めていきたい。あせらずけがのないよう取り組んでいく」と話し、「ワールドツアーでは1つでも多くの試合に勝てば結果としてオリンピックにつながっていく。一戦一戦を大事に戦っていきたい」と意気込みを見せた。
 渡辺選手は「ペアを組んで4年目だが、互いにいいサーブを打てるようになった。サーブは最初の攻撃。相手を崩していく攻め方をしていく。アテネの出場権を取るために練習を積んできたのでぜひ、出場をつかみたい」と語った。

 写真説明・ブロックの練習に取り組む渡辺選手(左)=10日、下地町前浜ビーチ

top.gif (811 バイト)

オリックスキャンプ便りD/目指すは新人王・

ルーキー 歌藤 達夫 投手

 「目指すは新人王」―。自由競争枠で入団した歌藤達夫投手(25)。首脳陣が即戦力として期待を寄せる左腕。「期待されているので、シーズンが終了する10月には新人王を狙える位置に付けたい」と大きな目標に向かって闘志を燃やす。
 歌藤投手の武器は140キロ前半のストレートに加え、カーブ、スライダー、フォーク、スクリュー、チェンジアップなど多彩な球種を操る。制球力の評価も高く、先発、中継ぎ、抑えとオールラウンドでの活躍が期待される。
 今キャンプでは主に、ピッチング練習、内野手との連携を交えた守備練習に力を入れている。プロのキャンプを初めて経験し、「バント処理やダブルプレーなど内野との連携プレーがアマチュアと違って細かく、覚えることが多くて大変」と驚いている様子だが、「選手1人ひとりの動きに合わせ、プレーの流れを覚えていきたい」と意欲的に汗を流す。また、ピッチング練習をビデオに録画し、フォームやひじの高さをチェックするなど研究にも余念が無い。
 「宮古島は暖かく、トレーニングするのに理想的な場所」と感想。「沖縄に親せきがいるんですよ。応援にも来てくれるそうです。宮古とは縁があるんじゃないかな」と笑顔を見せる。本拠地、YAHOO!BB STADIUMのマウンド目指し、ルーキー歌藤の挑戦が始まる。

 歌藤 達夫(かとう・たつお) 1978(昭和53)年6月15日生まれ。奈良県出身。身長180センチ、体重76キロ。左投左打。背番号12。奈良大学付属高校―東北福祉大―ヤマハ。自由競争枠でオリックス入団。

 写真説明・多彩な球種を武器に新人王獲得を目指す歌藤投手

top.gif (811 バイト)

デイゴ咲く/青空に深紅の花

 初夏を告げるデイゴの花が早くも咲き始めた。久しぶりに広がった青空をバックに深紅の花が鮮やかに映え、道行く人たちは、思わず「きれいだね」と感嘆の声を上げている。
 伊良部町B&G海洋センター入口そばでは、数本のデイゴの成木が並ぶ。そのうち1本に花が咲いているのが10日、確認された。昨年は同じ日に下地町来間島で開花が確認されたが、いずれも平年より40日余り早い開花。
 デイゴは4月下旬から本格的に咲き誇る。高さ10メートルまで成長するマメ科の落葉高木。1987年に沖縄県の県花に指定された。

 写真説明・深紅の花を咲かせたデイゴ=10日、伊良部町
 (伊良波彌記者撮影)

top.gif (811 バイト)