200平成1 6  10 曜日

合併協からの離脱を決定/伊良部町議会全員教・

6市町村の枠組み崩れる

 先月25日に執行された伊良部町の合併の意思を問う住民投票で「合併しない」反対派が「合併する」賛成派を上回り、浜川健町長が「民意を尊重して合併協議会から離脱する」と表明した。これを受け、同町議会(友利浩一議長)として離脱するかどうか検討を進めていた全員協議会は九日午後、同議会棟で2回目の会合を開き、全会一致で「離脱する方向」を決定した。6市町村にある同会で離脱を決定したのは初めて。離脱の時期については、今後論議を深めて検討していく方針。今月下旬に予定されている臨時議会で正式に決議する見通し。

 この日の同会には、議員18人中、14人が出席し、離脱の意思統一を確認したが、離脱の時期については、今後の検討課題とした。同会終了後、友利議長らが記者会見を行い明らかにした。
 宮古地区で初めて行われた同町の住民投票の結果では、「合併しない」反対派が7割に上り、「合併する」賛成派の3割を大きく上回った。
 投票結果を受け、浜川町長は「反対の意思を尊重したい。町議会と相談し、法定協議会の離脱を図りたい」と、初めて離脱を表明した。  
 この日の同協議会終了後、友利議長は「合併反対の民意を尊重し、離脱の方向で決定した」と述べた上で「離脱時期が遅れると他の市町村に迷惑を掛ける。迷惑を掛けないように離脱時期を早めに検討したい」と語った。 今後開かれる臨時議会で、当局側から「合併する」「合併しない」などの議案が上程されるかどうかの見通しは立っていない。
 また、宮古地区市町村合併協議会の幹事会も同日に行われ伊良部町は同協議会離脱の方針を示したが、多良間村は「当局は離脱の方針だが、議会の判断が分からない」と説明。これに事務局からは「村と村議会が話し合って早めに方向性を示してほしい。方針が決まらないと合併の議論が進まない」との指摘が出され、早急に村としての方針を示すことが求められた。

top.gif (811 バイト)

1世帯当たり、年間7200円引き上げ/平良市国保税・

運営協が市長に答申

 平良市国民健康保険運営協議会の藤村明憲会長は9日午前、伊志嶺亮市長から諮問のあった国保税率改正について、1人当たり年間約3200円、世帯当たり約7200円引き上げる案が適当との答申を行った。藤村会長は答申と共に「収納率向上に向け抜本的な対策」、「赤字分の一般会計からの補てん」を要望した。伊志嶺市長は「国保は厳しい状況が続き、徴収率も92%をクリアできずペナルティーが科せられている。徴収体制を見直していきたい」と答え、一般会計からの補てんにも理解を示した。税率改正案は市議会3月定例会に提案され、承認されれば4月から実施される。

 平良市の国保会計規模は約34億円。被保険者に対する調定総額(税額)は約6億7000万円。年々増加する医療費に対して、景気低迷による所得割対象額の減少、収納率の伸び悩みで、赤字運営が続いている。単年度赤字は2000年度が1億1600万円、01年度が1億6600万円、02年度が2億800万円と続き、今年度末では累積で10億円を超える赤字額が見込まれている。
 今回の改正は単年度赤字の幅を縮小していくことが目的で、改正されれば約5400万円の収納増となり、年に約4000万円の割合で増えている赤字が、逆に年に1400万円程度縮小していくことになる。改正案は被保険者すべてに課す均等割を現行より500円減の1万8000円、所帯割は現行の2万円とし、所得に応じて課す所得割を1・4ポイント上げの8・5%、資産に応じて課す資産割を5・0ポイント上げの35・0%とするもので、1人当たりでは4万4187円、世帯当たりでは9万7146円となる。上げ率は8・06%。
 答申で藤村会長は「現在の平良市の国保事業は、所得の落ち込みなどにより応能割・応益割の割合が崩れている。このままでは被保険者に不利益になり、国保税の平準化が必要」とし、「収納率が92%割り込みペナルティーを科せられるようだと改正のメリットが小さくなるので収納率の向上に向け抜本的な対策を講ずること」を求めた。特に藤村会長は「担当部課だけでは、収納率のアップは見込めない。全庁体制で取り組んでほしい」と求めた。
 伊志嶺市長は、「市町村合併を控え国保事業の赤字は、他の町村にも影響を与える。全庁体制で収納率アップに努めたい。一般会計からの赤字補てんも行いたい」と答えた。

 写真説明・藤村会長(右)が国保税率改正の答申を行った=9日、平良市役所

top.gif (811 バイト)

伊良部町も4億円不足/04年度予算編成・

基金なく台所は火の車

 2004年度一般会計当初予算編成の第一次調整の作業を進めている伊良部町(浜川健町長)で、約4億円の歳入不足が生じ、予算が組めない異常事態に陥っていることが9日、分かった。不足分に財源を充てる基金は無く、同町の台所は火の車だ。
 新年度の一般会計の歳出は9・3%の伸び率で、大幅な伸び率が予算編成に重くのし掛かっている。各課では「新年度の予算が組めない」と悲鳴を上げている。
 04年度の見込みでは、国からの地方交付税とその不足分を補う臨時財政対策債を合わせた削減率は12%で、総額にして約2億8000万円の減。これまで国庫支出金から保育料措置として6000万円あったが、新年度からそれが全額無くなる。
 同町では新年度から行財政改革を断行し、一般職員や議員などの基本給を10%カットし、1億4000万円の歳入を確保する計画。しかし、財政が好転する見通しは立っていない。
同町の02年度一般会計の歳入歳出とも50億円余りで、累積赤字は1億2300万円に膨れ上がった。本年度の決算も赤字になる見通しで、3年連続の赤字団体となる。

top.gif (811 バイト)

新体制でのスタートを平良市長に報告/

オリックス小泉社長と中村GMが表敬訪問

 宮古島で春季キャンプを行っているプロ野球パ・リーグ、オリックス・ブルーウェーブの小泉隆司社長と中村勝広ゼネラルマネージャーらは9日、平良市役所に伊志嶺亮市長を表敬した。小泉社長は伊原春樹新監督を迎え、新体制でのスタートとなったことやキャンプの経過を伊志嶺市長に報告した。
 伊志嶺市長は昨年9月に宮古島地方を襲った台風14号でキャンプのメーン会場となる平良市民球場の屋内練習場など一部施設に被害が出たことを説明。「台風で屋根や入り口などが壊れてしまったが、なんとかキャンプに間に合って良かった」と春季キャンプを応援する姿勢を見せた。
 小泉社長は「今年は伊原新監督をはじめ、去年より全体的に戦力が充実している」とチームの現状を説明し、「新監督、新戦力の下、上位を目指していきたい」と力強く決意を表明した。

 写真説明・伊志嶺市長(左)を表敬した小泉社長(中央)と中村ゼネラルマネージャー=9日、平良市役所

top.gif (811 バイト)

沖縄の現状を風刺/砂川友弘さんの「時事漫評」展開幕

 平良市文化協会(立津精一会長)の創立20周年を記念した第6回「時事漫評」特別展が9日、平良市役所1階ロビーで始まった。展示されているのは砂川友弘さん(51)が沖縄タイムスに掲載している「時事漫評」の風刺漫画で昨年1年間に掲載された100点が紹介されている。特別展は13日まで。
 オープニング式では主催者を代表して立津会長が「いろいろな問題をうまく風刺した作品がたくさんあるので多くの方に見に来てほしい」と呼び掛けた。
 あいさつで砂川さんは「描いたらすぐに忘れてしまうので改めて作品を見ると自分でも見入ってしまう。たくさんの市民が面白がって見てくれればうれしい」と述べた。
 また、伊志嶺亮平良市長も「友弘さんの漫画は沖縄の現状をうまく風刺している。多くの市民に見に来てほしい。また、私自身が漫画の題材にならないよう頑張りたいと思う」と述べた。
 会場となった市役所ロビーには砂川さんのユニークな視点と発想で描かれた風刺漫画に多くの市民が立ち止まって見入っていた。

 写真説明・市文化協会設立20周年記念で催されている「時事漫評」特別展=9日、市役所1階ロビー

top.gif (811 バイト)

オリックスキャンプ便りC/起爆剤として期待・

阪神優勝の立役者 トレイ・ムーア投手

 昨シーズン、セ・リーグの阪神タイガースを18年振りの優勝に導いた実績を引っさげ、オリックスに入団した本格派左腕のトレイ・ムーア投手。「来日して阪神に入団した時も最下位だった。オリックスも最下位だけど、何とか上位に食い込みたい」と目標を掲げる。今シーズンからチームの指揮を執る伊原春樹監督も「攻撃的なピッチングが彼の魅力。開幕投手の構想にも入っている」と明言するなど、弱体化が叫ばれた昨シーズンのオリックス投手陣の起爆剤としてその左腕に掛かる首脳陣の期待も大きい。
 本拠地、神戸で迎えた今キャンプも初日から積極的に練習に参加。7日から始まった宮古島キャンプでも精力的にウエートトレーニングやピッチング練習に励んでいる。公式戦を見据えて1球1球ボールのにぎりを確認しながら力のこもったボールを投げ込む。「まだまだ完全じゃないが今のところ良い感じで投げている」と調整の順調さをアピールする。
 練習の合間にはチームメートと冗談を交えたおしゃべりをするなどチームに溶け込んだ様子。また、ファンの子供たちの声援に笑顔で応え、快くサインに応じるなどファンを大事にする一面も持つ。
 宮古島の印象についてムーア投手は「海がきれいで良いところ。気候はもう少し暖かいと聞いていたが…天気さえ良くなってくれればね」と苦笑い。「僕にとって新しい監督、新しいチームでの新しい船出となる。たくさんのファンに見に来てほしい」と宮古島からチームと自身の躍進を誓う。

 トレイ・ムーア(本名・Warren Neal Moore V) 1972(昭和47)年10月2日生まれ。アメリカ合衆国出身。身長183センチ、体重86キロ。左投左打。背番号49。マイナーリーグを経て、1988年にメジャーリーグデビュー。メジャー通算成績は23試合に登板し3勝10敗。昨シーズンは阪神タイガースで21試合に登板し10勝6敗。

 写真説明・阪神から移籍したムーア投手。首脳陣の期待も大きい

top.gif (811 バイト)