200平成1 6  曜日

ミーニシ(北風)に乗って1781キロ/渡りチョウ『アサギマダラ』・

羽に「ナガノ」、伊良部町で捕獲

 日本列島の北と南を縦断する渡りチョウ、アサギマダラ(マダラチョウ科)。昨年12月9日に伊良部町白鳥海岸付近で捕獲された1匹が、長野県でマーキング(調査符号)されて放チョウされていたアサギマダラであることが7日までに分かった。昆虫生態に詳しい京都学園大学非常勤講師の藤井恒さんの調べて明らかになった。同県からの距離は約1781キロで、移動日数は108日、ミーニシ(北風)に乗って渡ってきたものとみられ、昨年の国内移動距離最長記録の可能性が高い。

 捕獲されたアサギマダラにマーキングしたのは、同県にあるマーキング会の小林巧さん。昨年8月23日に同県白馬村白馬五竜スキー場で、アサギマダラの羽裏に「サトシ 1ゴリュウ NTT ナガノ8・23」と示すマーキングを行って放った。
 昨年12月9日、本土から同町に訪れていたアサギマダラ研究家の西田悦造さんが捕獲、回収。西田さんは、アサギマダラのマーキング番号や性別、移動距離などをデータ化している藤井さんへ連絡したところ、小林さんが放ったアサギマダラであることが判明した。
 藤井さんは「アサギマダラの渡りルートは現在、台湾まで確認されているが、まだ渡りのルートは解明されていない」と話し「宮古でアサギマダラにマーキングして放つと、長野県で見つかるかもしれない。将来、宮古と長野県の子供たちがアサギマダラを通して交流を深めたら」と期待を寄せた。
アサギマダラの食草について、藤井さんは「宮古島に自生するサクララン(ガガイモ科)を好む。サクラランをたくさん育てれば、アサギマダラがたくさんやって来る」とアドバイスした。
 国内では昨年、アサギマダラの渡りルートが群馬県―南大東島(移動距離約1400キロ)、愛知県―波照間島(同約1761キロ)などで確認された。

 アサギマダラ 羽に黒や茶のまだら模様がある美しいチョウ。羽を広げた大きさは10センチほど。国内では5月ごろ、長野県や東北地方などで卵を産み、夏にう化。成虫は秋に琉球列島などに渡り、産卵、う化。成虫は春に本土へ北上する。寿命は半年と言われている。

 写真説明(上)・昨年12月に伊良部町で捕獲されたアサギマダラ。長野県でマーキングされた「8・23ナガノ」の文字がくっきり=12月9日、伊良部町(西田悦造さん写真撮影)
 写真説明(下)・ 春に北上するアサギマダラ

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ガイド養成、サンゴ礁保全へ/平良市・講義と実習スタート

 サンゴ礁ガイド養成講座2004(主催・平良市)が8日から、平良市中央公民館で始まった。市栽培漁業センターの梶原健次さんが講師を務め、講義と実習を通してサンゴの生態や八重干瀬などについて説明。八重干瀬観光ツアーなどでのガイドを養成しサンゴ礁保全へつなげていく。講義は同様の内容で今月計4回行われる。時間はいずれも午前9時から午後5時までで受講料は無料。当日受付も可。多くの参加を呼び掛けている。
 同講座は今回で4年目。サンゴ礁ガイドを養成し八重干瀬観光ツアーなどで観光客にサンゴ礁の生態や文化、海の大切さを伝えることでサンゴ礁保全につなげていく目的で実施している。より多くの希望者が参加できるよう、今回から講座を1日で終えられるようにし、受講日を4日間設けた。
 梶原さんは「地元の方も参加できるよう、1日集中型にした。受講しても必ずしもサンゴ礁ガイドをしなければならないわけではない。ぜひ希望する多くの方に受けてもらいたい」と呼び掛けた。
 講義内容は▽サンゴの生物学▽サンゴ礁の環境▽サンゴ礁潮間帯で見られる主な生物▽歴史・世界における八重干瀬の位置▽サンゴ礁の保全▽八重干瀬の保全とガイド活動―となっており、実習は上野シギラビーチや池間島などで行う。受講生は4月4日までに修了レポートを提出する。修了式は4月11日午後2時から。
 講座初日の8日は、21人が受講。梶原さんはサンゴとサンゴ礁の違いや全国のサンゴ礁の分布などを説明。「宮古のサンゴの種類は約250種類ほどだが、調査があまりされていないので今後研究が進めば八重山のように300種類に増える可能性もある」と講話した。また白化したサンゴの見本などを参考に、サンゴの種類などを説明した。
 講義、実習日程は次の通り。
 【講義】▽2月15、22、29日(平良市中央公民館、時間はいずれも午前9時から午後5時まで)。
 【実習】▽3月7日・午後1時―(上野シギラビーチ)▽同21日・午後1時―(池間島ツマビジ)▽4月4日・同▽同18日・正午―(城辺吉野海岸)▽5月2日・正午―(上野シギラビーチ)

 写真説明・サンゴ礁の生態などについて学ぶ受講者たち=8日、平良市中央公民館

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「子どもたちに勇気を与えた」/

空手USオープン優勝の下地さん、出身地で祝賀会

 先月開催された空手のUSオープントーナメントで優勝した城辺町加治道出身の下地英作さんの快挙を祝う「祝賀会」が7日夜、同町加治道部落農村環境改善センターで開かれた。仲間克町長ら三役をはじめ、地域住民らが多数駆け付け、下地さんの優勝を祝福、併せて今後のさらなる活躍に期待を込めた。
 下地さんは、父・崇さん(54)、母・美智子さん(43)の2男。同町加治道で生まれ育ち城辺中、宮古高校を経て現在は沖縄大学の4年生。
 2002、03年の県学生空手道選手権を制覇し、03年には九州学生空手道選手権優勝の実績を持つ下地さんは先月3、4の両日、アメリカラスベガス州で開催された同大会男子形の部で県内選手で初優勝。今大会では国内選手唯一の優勝だった。
 祝賀会は午後7時から開かれ、はじめに同会実行委員会の委員長を務める下地一美さんが「英作君の優勝は、地元加治道だけでなく、城辺町、宮古、沖縄県の青少年に大いなる希望と勇気を与えてくれた。きょうはその快挙をたたえるとともに、英作君が今後ますます精進することを願いながら祝ってほしい」と来場者に呼び掛けた。
 続いて仲間町長が「優勝という快挙はわれわれにとって誇り。後輩たちにも勇気を与えた。この自信は必ず社会に出たときに役立つ」と話し、下地さんの活躍をたたえた。
 下地さんの小学校時代に平良市内で剣道を教えた安谷屋豪一さんは「宮古郡民にとって大きな誇り」と絶賛した。
 これらの祝福を受けて下地さんは「USオープンで優勝という結果を残せたが、まだまだ自分の思い描く形ができていない。この結果に甘んじることなく、さらに鍛錬を積み重ねて上を目指して頑張りたい」と力強い決意を話していた。

 写真説明(上)・USオープン制覇を成し遂げ関係者から祝福を受ける下地さん(中央)=7日、加治道部落農村環境改善センター

 写真説明(下)・参加者全員で祝杯を挙げ下地さんの快挙を祝った=7日、加治道部落農村環境改善センター

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野球少年どっと/オリックスキャンプ・あこがれの選手にサインねだる

 オリックス・ブルーウェーブの一軍選手らが来島して初の日曜日となった8日、平良市民球場ではファンや子供たちが訪れ、選手にサインをねだる姿が見られた。
 この日は小雨がぱらつくあいにくの空模様だったが、多くの子供たちが球場に足を運び、プロ選手のプレーを見つめていた。子供たちは練習後にバスに乗り込む選手に「サインお願いします」と元気な声で声を掛けていた。
 南ファイターズの下地亮君(5年)ら4人は「プロ選手は大きかった。谷選手やムーア選手のサインがもらえてうれしい。ムーア選手のひげが格好良かった」と大喜びだった。

 写真説明・谷選手からサインをもらう子供たち=8日、平良市民球場

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オリックスキャンプ便りB/『トリプル3』目指す・

アテネも期待 谷 佳知 外野手

 「3割、30本塁打、30盗塁(トリプル3)」―。万能選手の証しと言える数字を谷佳知外野手は今年の目標に掲げた。昨シーズンは打率2位、189安打で初のパ・リーグ最多安打のタイトルを取得。ベストナインとゴールデングラブに3年連続で選出され、名実ともにパ・リーグを代表する選手となった。
 今キャンプでは「ボールにバットをしっかり当てることを心掛けている」と課題を話す。8日行われたフリーバッティングでは、芯が赤くペイントされたバットを振り、ミートポイントを確認。「思ったより振れている」と調整の順調さを語った。
 昨年11月にはアテネオリンピックの出場を懸けたアジア野球選手権に日本代表として出場。台湾戦では試合の流れを変えるファインプレーでチームに貢献した。
 昨年12月には婚約していた柔道選手の田村亮子さんと結婚し、盛大な披露宴も行われた。今年のアテネオリンピックでは夫婦での活躍が日本中から期待されている。

 谷 佳知(たに・よしとも) 1973(昭和48)年2月9日生まれ。大阪府出身。身長173センチ、体重77キロ。右投右打。背番号10。尽誠学園高―大阪商業大学―三菱自動車岡崎。97年のドラフト2位でオリックス入団。プロ8年目。昨季成績は137試合で打率3割5分0厘、21本塁打、92打点、9盗塁。

 写真説明・フリーバッティングでミートポイントを確認する谷外野手

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