200平成1 6  曜日

予算編成見直しを決定/平良市04年度予算案・

歳入歳出、再度調整へ

 平良市(伊志嶺亮市長)は4日、6億7000万円の歳入欠陥のまま1次内示した2004年度予算案について再度、歳入歳出を調整して編成し直すことを決定した。また、県からも前日に引き続き「歳入、歳出面を見直して地方自治法に沿った形で組み直すべき」との指導もあり、平良市では予算を組み直して6日にあらためて編成し9日に議員説明を経て、最終内示を10日に予定している。しかし、多額の不足額を埋める歳出抑制も歳入見込みも策が無い状況で、伊志嶺市長は「歳入歳出の帳尻を合わせて内示するか歳入欠陥のまま内示するかまだ決めていない」と述べた。

 2日の1次内示後、各課からの復活要求はさらに3億円増え、これに不足額を加算すると歳入と歳出の差額は10億円にまで膨れ上がった。これについて当局は「復活要求が認められることはほぼ無い。さらに削減しないといけない状況で要求について若干の調整はあると思うが9割以上は無理」と説明した。
 予算編成の見直しについては、歳入面で自主財源の市税の徴収率を上げて見込み額を増やすなどが考えられるが不足額を大幅に減らすには至らない。また、歳出面では補助事業について県と調整する予定だがこの調整でも不足額の大幅削減とはならず今後の調整作業を経ても6億円以上の不足額が発生する見込みだ。県から「一層の努力」で帳尻を合わせた編成を求められている同市だが、基金も底を突いた状況で6億7000万円の不足額を補てんする歳入歳出項目の設定に苦慮している。
 これについて当局では「帳尻を合わせた予算を無理に組むことは出来るが、不足額が補てんされるわけではない。赤字は赤字のままだ」と述べた。
 また、伊志嶺市長も「今回の内示に踏み切ったのは市民にも厳しい財政事情を分かってほしいと思っただけで、小泉政権に反旗を翻したわけではない。どうにもならないから歳入欠陥のまま内示した」と八方ふさがりの状況を説明した。
 今後、平良市が項目を設定して帳尻を合わせた編成内容にするか、歳入欠陥のままで内示するかについては最終内示までに方針を決定する予定。
 新年度予算で国が進める「三位一体改革」に平良市の改革が追い付かないことから同市は全国的に異例な歳出が歳入を上回る「歳入欠陥内示」に踏み切り、3日には県が「適正ではない」と指摘し、歳出を抑えて組み直すよう助言している。

 三位一体(さんみいったい)改革 地方分権を進めるに当たって、地方自治体の財政基盤や自立性の強化を実現するため▽国から地方への税源移譲▽国庫補助負担金の削減▽地方交付税の見直し―を一体的に行う改革。昨年6月に経済財政諮問会議で決定し首相に答申された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(骨太の方針第3弾)においてその方針が示された。その骨子は▽改革は2006年度までの3年間で行う▽公共事業を含めた4兆円程度をめどに補助金を廃止・縮減する▽地方交付税の総額を抑制し、財源保障機能を縮小する▽地方交付税の不交付団体を拡大する▽削減される補助金のうち、義務的経費は徹底的な効率化を図った上で全額、そのほかは八割程度を目安に税源移譲する▽税源移譲は基幹税を基本として行う―などとなっている。

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各自治体で不足額発生/04年度当初予算・

三位一体改革に追いつけず

 平良市が2004年度予算案の1次内示を歳出が歳入を上回る「歳入欠陥内示」となり全国的に大きな波紋を呼んでいる中で、宮古地区の他の5町村も予算編成に苦慮している。当初予算ではすべての自治体で不足額が発生しているが各自治体では基金の切り崩しなど補てん策を講じている。基金が底を突いた自治体では項目を設定して歳入歳出の帳尻を合わせた形で内示する見込みだ。平良市以外の5町村は1次内示を来週中に予定している。
 城辺町は予算編成中で「不足額については額がまだはっきりしていないが、発生した不足額については基金を取り崩して補てんし歳入、歳出の帳尻を合わせて内示する」と説明。新年度予算に対する補てんにより、同町の基金残高では05年度の予算を編成することは難しい状況となっている。
 上野村は「具体的な不足額についてはまだ分からないが1億2000万円の基金を取り崩して歳入、歳出を合わせて内示したいと思う」と説明。しかし、基金も新年度予算で底を突く見込みとなっていることから「05年度に単独自治体として予算を組むことは厳しい。逃げ道は合併しかない」と述べ、打開策は「合併」との見解を示した。
 歳入の不足額に補てんできる基金約8億円を持つ下地町と約7億円の多良間村では他の町村よりも比較的予算編成は厳しくはない。不足額についても十分に基金内で補てん出来る状況だ。しかし、国の「三位一体改革」が各自治体の予想を超えたスピードで展開されている中では楽観視は出来ない状況となっている。
 伊良部町については、基金残高が1600万円と平良市同様に底を突いている状況。町は「不足額は億単位になる見込みで基金での補てんは無理だが、予算内示は何とか歳入、歳出の額を合わせたい」と説明した。同町では合併の是非を問う住民投票で「反対」が上回っており、05年度の予算を単独で組む場合については「大幅な人件費カットなど、厳しい行革が必要」との見解を示している。

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台湾クルーズ船 入港開始/平良港・来月29日から毎週月曜

 台湾からの大型クルーズ船が3月末から平良港に再入港する。入港するのはスタークルーズ社(本社・マレーシア)のスーパースタージェミナイ号(190,93トン)で、関係者によると入港予定は3月29日から10月末までの毎週月曜日で、午前10時30分に入港し、同日午後5時ごろに出港する。台湾クルーズ船の平良港入港は1999年9月から2000年7月、03年7月から8月に続き、3度目となる。
 スタークルーズ社はアジア最大のクルージング会社で、99年から約1年間入港したスターアクエリアス号は4万トンの大型船。乗客定員は1900人、乗組員も約750人。同船は期間中38回入港し、上陸した観光客は1万8747人だった。同船は航路の見直しや平良港の接岸バースの長さが十分でないことを理由に、2000年以降、寄港していない。今回入港するジェミナイ号はアクエリアス号の約半分のトン数で、平良港のバースでも十分に可能だ。昨年は2カ月間に8回入港し4429人が上陸している。
 これまで台湾からのクルーズ船は圏域の観光産業に好影響をもたらし、観光客増加にも貢献してきた。上陸する乗客はバスで島内を周遊する観光が大半で、残りは市街地でショッピングなどを楽しむのが一般的。今回も同様なスタイルになる見込みで、経済効果が期待されている。

 写真説明・3月末から再入港が予定されているスーパースタージェミナイ号(資料写真)

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スポーツ合宿花盛り/暖かい宮古で体力強化

 暖かい気候の宮古島地方では、スポーツ選手の合宿が盛況ぶりを見せている。プロ野球のオリックス春季キャンプを始め、ビーチバレーとトライアスロンの五輪候補選手の合宿、大学野球キャンプとその数は現在、4団体総勢100人。6日にはオリックス1軍選手らも来島しキャンプに合流する。

・大学野球
 大学野球のキャンプは4日の桃山学院大学を皮切りに今後、平成国際大学や京都大学など計8校、規模にして延べ人数5000人が来島。昨年より3校増え、延べ人数では1000人増と急成長を見せている。
 午後1時30分に宮古空港に到着した桃山学院大学準硬式野球部のメンバーは、琉球國祭り太鼓宮古支部のエイサーや、宮古観光協会の横断幕などで迎えられた。
 部員らを前に、同部を誘致した平良勝之さんは「イチロー選手も宮古で練習しスーパースターへ上り詰めた。みなさんも一生懸命練習して、それぞれの目標を達成してください」とあいさつ。
 川崎裕主将は「盛大な歓迎に驚いている。素晴らしい環境で練習できることをうれしく思う。個人やチーム全体のレベルアップを図りたい」と抱負を語った。

  写真説明・琉球國祭り太鼓宮古支部のエイサーで歓迎される桃山学院大学準硬式野球部のメンバー=4日、宮古空港

・ビーチバレー

 アテネオリンピックの日本ビーチバレー連盟強化指定選手の渡辺聡、白鳥勝浩の両選手(ともに湘南ベルマーレ所属)とビーチバレー日本代表の高尾和行監督も4日に来島した。ワールドツアーに参戦するため5−14日まで下地町与那覇前浜で国内での最終合宿を行う。
 高尾監督は「体力作りは十分してきた。今合宿ではボールを使ったトレーニングを行い、ボールタッチなど細かい部分まで調整したい」と語った。
 渡辺選手は「ボールタッチの感覚をシーズン中と同じようにしたい。ワールドツアーへの準備をしっかりやりたい」。白鳥選手は「久しぶりにボールを使った練習。2の連携を中心に調整したい」と抱負を語った。

 写真説明・アテネオリンピック出場を目指し国内最終調整を行う(左から)渡辺選手、白鳥選手、高尾監督=4日、マリンロッジマレア

・トライアスロン
 トライアスロン代表候補選手は2日から合宿を始めている。この日は午後零時から同6時までバイクのトレーニングを宮古島トライアスロンコースで行った。強風が吹き荒れる中、6人の選手はアテネに地形が似ているとういう同コースで練習に汗を流した。
 最終的なオリンピック出場を決める4月のワールドカップ石垣島大会と5月のポルトガル世界選手権大会に向け、選手らは調整に余念がない。

 写真説明・宮古島トライアスロンコースで練習に励む選手たち=4日、城辺町七又

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1stシングルをリリース/ロックバンド「ハイ・ビスカス」

 宮古島を中心に活動しているロックバンド「HIGH―BISKAS(ハイ・ビスカス)」が10日、ファーストシングル「ROUTES」をリリースする。宮古島限定発売。ヴォーカル&ギター担当の長谷川修平さん(25)は「宮古の人に喜んでもらえる曲に仕上がった」と話した。
 HIGH―BISKASは2002年12月に結成された。平良市下里の長谷川さんほか、新里強さん(24、同市下里)、下地正樹さん(21、同市西原)、砂川良信さん(31、下地町与那覇)の4人で構成されており、主に平良市内にあるライブハウス「チョコレートホール」で活動している。
 今回のファーストシングルには「LOVE 宮古島!」「Route 390」「Go Your Life」「ぐどぅん」の4曲を収録。それぞれ宮古島をPR、とくにオトーリを全面に打ち出している。メンバーらは「宮古の音楽シーンを盛り上げたい。宮古の人たちが楽しめる歌詞になっている」と話した。

 写真説明・ファーストシングル「ROUTES」をリリースしたHIGH―BISKASのメンバー

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585人が出場申し込み/ロマン海道・伊良部島マラソン

 今月22日に開催される第五回ロマン海道・伊良部島マラソン(主催・いらぶ観光協会)に出場する申し込み締切日は当初1月31日だったが、申し込みが相次いでいることからきょう5日までに延期された。2日現在の申し込み人数は、総勢585人。今大会には、本土からボランティアでマッサージを専門とする男女10人が初めて参加する。
 同マラソンは、風光明美な伊良部島の自然のだいご味を満喫しながら楽しく走ることにより、健康増進を図り、併せて地域活性化の促進に寄与することが目的。
 2日現在のコース別の申し込み人数の内訳は、ハーフコース(21・1キロ)149人、Aコース(13・5キロ)95人、Bコース(5・2キロ)227人、Cコース(ファミリーコース、1・6キロ)が114人(44組)。
 詳しい問い合わせは、同実行委員会事務局の伊良部町商工観光課(電話78-6265、内線331、332、ファクス78-3849)まで。

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