200平成1 6  曜日

県「歳出を減らせ」、市「現実を示した」/赤字予算案編成・

県が平良市に改善指導

 平良市(伊志嶺亮市長)が2日に1次内示した2004年度予算案について波紋が広がっている。今回平良市は全国的に異例な、歳出が歳入を6億7000万円上回る「歳入欠陥内示」に踏み切った。3日には県から「適正ではない」との指摘が当局に示され、県は歳出を抑えて組み直すよう助言。これに対して当局は「県から指摘を受けたが欠陥額は歳出で抑制できるレベルではない。確かに異例だと思うが赤字を赤字として示しただけ、最終内示まで時間がある。今後についてはまだ決めていない」と述べた。

 平良市の来年度一般会計の予算は、歳入が151億9675万9000円(前年度比8%減)、歳出は158億6848万6000円(同比4%減)となった。
 厳しさを通り越した予算編成に当局は臨時職員の25%(45人)削減など各種歳出抑制を行う方針。また、新規事業については予算規模を縮小、継続事業についてはペースダウンしていくこととなっている。
 県が求めた「歳出の抑制」について当局は「もう抑制できる部分はない。あるとすれば人件費だけ」と八方ふさがりな現状を説明。
 人件費削減について当局は「現在の人件費は年間30億円でこれから不足額の6億7000万円を補てんすれば可能だが、実際には職員給与は条例に従って支給しなければならず、職員組合との話し合いや本人の承諾が必要で状況的に難しい。しかし、赤字団体になることを事前に避けるためには職員給与についても考えないといけないと思う」と述べた。
 また、県が04年度赤字分を「05年度予算から補うことは地方自治法に違反」と判断していることについては「決算時に翌年度予算から繰上充用することは可能であり、これまでもそうしてきた。決算でできるものを当初予算で出来ないということは疑問」と述べた。
 1997年度から2002年度まで6年連続赤字決算となっている平良市は、これまで当初予算で発生した不足額については「財産売り払い収入」などの項目で補てんし、歳入歳出の帳尻を合わせてきたが、今回は不足額が多額で帳尻合わせは不可能と判断した。また、基金も既に底を突いていることなどから「歳入欠陥」のままの内示に踏み切った。
 来年度予算は、長引く不況の影響で依存財源のうちで構成比が最も大きい地方交付税が6・3%減。地方交付税減に対する財政措置として設けられた「臨時財政対策債」の枠が約3割減となったことで借り入れ額も抑制され市債も13・3%の減額となった。また、自主財源の柱である市税の落ち込みなども影響。今回の歳入欠陥内示について当局では「国の三位一体改革のスピードが速すぎて市の財政健全化計画が追い付けなかった」と説明している。

top.gif (811 バイト)

住民投票条例を可決/下地町・合併是非めぐり3月末実施

 下地町議会(川満廣俊議長)の臨時会が3日開かれ、下地町の合併の意思を問う住民投票条例案を全会一致で可決した。町当局は製糖期を終えた3月28日に投票を実施したい考え。川満省三町長は「結果を尊重したい。反対が多ければ合併法定協議会を離脱する」と述べた。同町に先立ち行われた伊良部町、多良間村の住民投票ではいずれも「合併しない」が「合併する」を上回っており、宮古本島内4市町村での合併の可能性が高くなっていることから、下地町の住民投票結果が注目される。 
 同町が昨年6月に実施した住民アンケートでは「合併すべき」が51%、「合併すべきでない」が25%、「分からない」が24%だった。合併を賛成したうち半数以上が「下地町、城辺町、上野村の3町村合併」を選んでいる。川満町長、町議会はともに6市町村合併を推進する意思を示しており、今回、6市町村での合併是非を問う投票で住民がどう判断するかも注目される。
 しかし昨年、各部落を2巡して実施した住民説明会にはわずか数人の出席しかなく、住民の関心の低さもうかがえる。町当局は投票率が50%を超え投票が成立するよう、住民説明会を開き情報提供や参加を呼び掛けていく考え。日程は今後調整していく。
 投票では「合併する」「合併しない」のいずれかを選択する二者択一で行う予定で、投票資格者の2分の1の投票で成立する。投票資格者は20歳以上で同町内に3カ月以上住所を持つ住民および永住外国人。12月1日現在の同町の有権者数は2427人。
 川満町長は「1票でも上回った結果を尊重する。投票率が50%を超えるよう行政、議会としても努力が必要」と述べた。また伊良部町、多良間村の結果について「宮古6市町村での合併がベターとして協議会を立ち上げてきたので残念ではある」と話した。
 臨時会ではこのほか、一般会計補正予算案など2議案を原案通り可決した。

top.gif (811 バイト)

嵩原氏、今月11日に出馬表明/県議会議員選挙

 【那覇支局】6月6日に投開票される県議会議員選挙に平良市区から出馬の意欲を見せている市議の嵩原弘氏(49)=写真=と自民党平良支部有志の会の真栄城稔代表世話人、市議の与那覇昭雄氏らは3日午後上覇し、自民県連第4区支部長の西銘恒三郎衆院議員(秘書代行)に、党推薦の申請書を提出し受理された。党推薦は同支部から自民県連、同県連から党本部への推挙を経て、決定される。同氏は今月11日午後2時から平良市のホテル共和で正式に出馬表明する予定。
 嵩原氏はすでに今月1日、西銘衆院議員に会い、党推薦の推挙を依頼したという。嵩原氏は「平良市政が混乱している。県政との強いつながりで市民の生活安定と豊かな宮古をつくっていきたい」と決意を語った。
 嵩原氏は公明党宮古連合支部を通じて、公明党県本部へも推薦の要請をしていく予定で、自公体制を構築していく考え。 平良市区では現職の坂井民二氏(54)が自民県連からすでに公認を受けている。定員1人の同選挙区で党公認と党推薦の両立が成り立つかについて疑問の声もあるが、嵩原氏らは「過去にも例があり、可能」とし、1988年6月の県議選宮古郡区でも元上野村長の芳山弘志氏が自民公認、会社代表の福里一郎氏が自民推薦で立候補した例を挙げた。

・新委員長に友利氏/平良市選挙管理委員会
 平良市選挙管理委員会の臨時委員会が3日午前、平良市役所で開かれ、新しい委員長に友利和夫氏(71)=写真=を選任した。臨時委員会は委員となった4人で開かれ、全会一致で友利氏を選任した。友利氏は元平良市職員で1995年から2期8年選管委員を務め、今回の改選で3期目。友利氏は「選挙は正しく公正に執行されることが重要であり、投票率をアップさせるためにも有権者が快く投票できるようでなければならない。今年は県議会議員選挙、参議院議員選挙、県海区漁業調整委員の選挙があり、しっかりと取り組んでいきたい」と述べた。

top.gif (811 バイト)

名護市からサクラ100本/台風14号被害復興で

 名護市から台風14号復興植栽木としてサクラの苗木100本がこのほど、平良市に届いた。
 サクラの名所「名護城」の並木と同種で、生育年数は7−8年。高さは1・5−1・8メートル。中には開花している木もある。市みどり推進課では、鉢植えで養生した後、4月ごろに市内の各小・中学校への配付を予定している。
 苗木の提供については、市みどり推進課が「(台風被害を受けた緑は)復興しつつあるが、木が不足し、なかなか市民の要望に応えきれず苦慮している所」として、昨年12月名護市に協力を要請していた。
 宮國泰男経済部長は「財政の厳しい折りにもかかわらず、このような温かい志はうれしい」と感謝。その上で「子供たちに花に親しむ気持ちが育てば幸い。今回の台風では多くの方々の支援を受けた。今後どこかで何かあった場合は、市としても恩返しをしたい」と話した。
 県緑化推進委員会(高江洲重一理事長)からも台風被害復興支援目的の事業資金として80万8000円が交付された。
 市みどり推進課で同資金を活用しヤマモモやホーオーボク、クロキ、シークァーサーの苗木約220本を確保。現在、市内の各小・中学校に配付している。

 写真説明・名護市から届いたサクラの苗木。右が宮國経済部長、左が狩俣博三みどり推進課長

top.gif (811 バイト)

きょう立春/カンヒザクラも咲く

 きょう4日は24節気の1つ「立春」。節分の翌日に当たり、1年で一番最初の節気となる。この日から季節は春になるとされている。
 1月末から続いていた寒い日々からようやくぽかぽか陽気に戻ったかと思った矢先、再びぐずついた天気となった。3日の最低気温は14・4度(午後5時10分)、最高気温は17・3度(午前3時15分)。宮古島地方気象台の週間天気予報によると、今週いっぱいは雨天か曇りの天気が続く見込みで、気温も2日同様に推移するという。天気は10日ごろから回復する見込み。
 カンヒザクラが咲き始め、濃いピンク色の花が春の訪れを漂わせている。市内の小学校に植えられている木にはまだわずかだが、ちらほらと花が顔をのぞかせ、どんよりとした冬空を彩っている。これから3月にかけてピークを迎える。

 写真説明・咲き始めたカンヒザクラの花。春の訪れを告げる=3日、平良市内

top.gif (811 バイト)

オリックスキャンプ便り/強いチーム目指しキャンプに懸ける・

選手会長 三輪隆捕手

 選手会長としてチームを引っ張る三輪隆捕手(34)=写真。「昨年はチームにとって最悪の年になってしまった。この悔しい経験を生かし、応援してくれるファンのためにも強いチームにならなければならない」と今キャンプに懸ける。
 昨シーズン、チームは140試合を戦って48勝88敗4分で最下位。球団ワーストの勝率3割5分3厘を記録するなど不振を極めた。
 三輪選手は自己最多となる8本のホームランを放つなど3割0分8厘の好成績をマーク。しかし、「野球はチームプレーだからね。『自分の成績が良ければいい』という問題じゃない。勝利に反映できなければ・・」と選手会長としてあくまでチームの勝利に固執する。
 2軍スタートとなった今キャンプ。開幕1軍を目指し、日々順調にトレーニングを重ねている。「宮古島は暖かく、理想的な環境。体調管理がスムーズにできる」と練習メニューも精力的にこなしている。
 「今シーズンの最重要課題は勝つチームになること」。勝利を積み重ね、優勝を勝ち取るためプロ入り11年目のベテランは静かに闘志を燃やす。
 三輪隆(みわ・たかし) 1969年12月1日生まれ。千葉県出身。身長179センチ、体重81キロ。捕手。右投右打。関東一高―明治大―神戸製鋼を経て1994年ドラフト2位でオリックスに入団。過去10年間で557試合に出場し1222打数271安打、本塁打18本、通算打率は2割2分2厘。
   (福里賢矢記者)

top.gif (811 バイト)