200平成1 6  1 29 曜日

年1200万円の減 見込む/一部事務組合報酬・議会の対応が焦点

 各市町村が運営のために負担金を拠出している一部事務組合(宮古広域消防組合、宮古広域圏事務組合、宮古清掃施設組合ほか)の管理者および議会議員などの2004年度報酬見直しについて、宮古地区自治研究会(会長代理・砂川隆夫下地町助役)は、1月23日付けで各組合管理者、組合議会議長などにあて意見書と報酬改正案を提案した。市町村の負担金が1185万2000円軽減される報酬削減案で、昨年12月22日にまとめられたもの。3組合の管理者・代表理事を務める伊志嶺亮平良市長も各議会に提案する方針を固めている。昨年、提案された03年度案は各議会議員の強い反対を受けて議会に提案されなかったが、今回は各議会がどのような反応を示すかが注目されている。

 提出された意見書は、全国的な不況の影響で国の交付税削減や台風被害による市町村民税の落ち込みなど各市町村ともひっ迫した財政状況であり、来年度の予算編成では民間への負担金・補助金等を前年比マイナス10%としているが歳入の落ち込み額との乖離は多大であることから報酬削減の見直しに協力を求めている。
 報酬削減案は昨年も提出され宮古市町村会の会長、副会長の年収は12分の1となり、その他組合の管理者、代表理事、副管理者、理事、収入役については月額1万円の減額となった。しかし、各組合議会の議長、議員らの報酬削減については強い反発を受けて提案されなかった。
 今回は管理者、副管理者などについてもこれまでの月額報酬を年額にして報酬額は現行の12分の1となる。また、3組合の議長、副議長、議員、監査の報酬も毎月固定の月額支給から議会ごとの日額となり、各議長に関しては現行の年額33万6000円から年間の報酬2万4000円か3万6000千円と大幅に削減される。
 改正案では、宮古広域消防組合が現行の381万6000円から33万4000円に、宮古広域圏事務組合は473万8000円が41万4000円に、宮古清掃施設組合は427万2000円が27万1000円になり、3組合の合計では1282万6000円が101万9000円となる。
 議会のない宮古土地改良区については理事長、理事、監事の給与が年額で1万円から5000円カットされ削減額は4万5000円となっており、今回の改正案トータルでは現行よりも1185万2000円が削減される。
 昨年の改正案では「すぐに判断することは難しい」との意見などで議長、議会議員らの報酬削減には至らなかったが、さらに厳しさを増す市町村財政の中で1年間の議論を踏まえた3組合の議会判断が注目される。

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賛否両派が運動展開/多良間村合併住民投票・

不在者投票 初日44人

 27日に告示された多良間村の市町村合併の是非を問う住民投票の不在者投票が、28日から始まり、初日は44人が投票した。2001年に行われた村長選挙の不在者投票初日の投票者数百25人と比べると少ないが、投票時間の短さ(午前9時―午後3時)を加味すると、住民の関心の高さがうかがえる。

 投票は2月1日の午前8時から午後5時まで多良間小学校体育館で行われ、投票率が50%を超えた場合は即日開票される。50%に満たない場合は開票されない。有権者数は1003人(男526人、女477人)。
 合併の是非を問う住民投票に向けては賛成派が「多良間の未来を考える会」を、反対派が「多良間村の自治と自立を推進する会」をそれぞれ結成し住民運動を展開している。
 「未来を考える会」の西平幹会長は「村当局は合併しない場合の財政シミュレーションを示しているが、10年間持つかという厳しい推計である。その後は赤字団体に転落し、増税や公共料金の値上げなど、住民福祉の劣化は避けられない。住民の安定した生活を守るには、合併して充実した自治体を形成することが必要」と訴えている。
 一方、「自治と自立を推進する会」の高江洲常功会長は「合併したら多良間村がどのように変わり、今まで以上の住民サービスが受けられるのかが不透明で、何ら有利な面がない。積立金7億5000万円も、先人が90年間積み上げてきた村の財産も新市のものとなり多良間村には何も残らない」と強調している。
 告示を受けて兼濱朝徳村長は「村の将来は、村民の責任で決断しなければならない。住民投票の意義をご理解いただき全村民の投票をお願いする」と呼び掛けている。
 市町村合併を問う投票はすでに、伊良部町で25日に行われ約7が反対に投票。多良間村に次いで3月下旬に下地町が予定しており、宮古地区の市町村合併の枠組みはその後に輪郭を表すことになる。

 写真説明・初日の不在者投票には44人が訪れた=28日、多良間村選挙管理委員会事務所

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村長が「反対」誘導チラシ?/多良間村・

投票呼び掛けで「おかしい表現」

 市町村合併の是非を問う多良間村の住民投票で、同村が28日までに合併反対を誘導するようなチラシを村民に配布し、合併賛成派を中心とする村民の間で行政に対する不信感が強まっている。問題のチラシは村民に投票を呼び掛けるものだが、その一部に「合併し90年の歴史を終わらせ、宮古市の一地域になるか」などと記載。このチラシは村長名で配布されているが本紙取材に対し兼濱朝徳村長は「チラシを詳しく見ていないが、(指摘の部分は)おかしい」と当局側の非を認めた。
 問題のチラシは「市町村合併の賛否を問う住民投票の協力について(お願い)」という見出しで配布された。文頭には国や地方の厳しい財政事情などを紹介し「全国的に市町村合併が論議されております」と記載。次に問題の表記部分となるが、「合併し90年の歴史を終わらせ宮古市の一地域になるか」「合併せずに全村民が一体となって、多良間の特性を生かした村づくりと自信をもって多良間村民であり続けるか」などと記載されている。
 このチラシは兼濱村長も出席する村の課長会で村民への配布を決定。執筆は総務課職員が担当したという。ただ、出来上がったチラシは兼濱村長が目を通す前に配布されている。兼濱村長は「私自身、チラシを見ていないが、この書き方では『合併しないでおこう』という捉え方もできる。おかしい」と述べるなど、表現が不適切であることを認めた。
 宮古本島内のある首長は「行政として、この書き方はおかしい。住民に誤解を与える」と指摘している。

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飼育鳥にも異常なし/鳥インフルエンザ・

家保が各学校を調査

 東南アジアや中国、台湾、韓国などでまん延の傾向にあり、日本でも発生した高病原性鳥インフルエンザを受けて宮古家畜保健衛生所(友利和博所長)は28日、宮古地区の18小・中校で一斉検査を実施した。同日の検査は養鶏場を対象に実施した14日の検査に次いで2度目。116羽のニワトリやアヒル、カモなどを検査した結果、異常は見られなかった。
 各校を訪ねた職員らは、鳥の状態をチェック。学校の職員には▽異常鳥の早期通報▽野鳥が鳥小屋に入らないような網掛け対策▽飼育する子供たちの手洗いを励行―などを呼び掛けた。
 同病の広範囲な広がりは、感染した野鳥の侵入によるとみられている。同衛生所の慶留間智厚防疫課長は「宮古には、各地から野鳥が飛んでくる。鳥インフルエンザは宮古にとって対岸の火事ではないので、十分に対策してほしい。渡り鳥の多い春先が最も危険な時期になる」と、注意を促した。
 鳥インフルエンザは、アヒルやニワトリのほかにもいろいろな種類のトリに感染し、▽とさかの出血▽顔の腫れ▽脚の皮下出血―などの症状が出る。感染した鳥との接触で人に感染することもある。感染した場合、発熱や肺炎を起こし、死亡する例もある。27日までのアジアでの死者数は8人となっている。

 写真説明・職員らは宮古の各校を巡り、鳥の状態をチェックした=28日、狩俣小学校

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今年は5月22、23日開催/ビーチバレー宮古島大会

 「第5回ビーチバレー宮古島大会2004」の実行委員会総会が28日午後、下地町役場で開かれ、大会実施要項などを決めた。記念の5回大会は5月22、23の両日に開催し、会場は同町前浜ビーチ。過去4回の大会は1日のみの開催だったが、日没などを考慮して今大会は2日間の開催とした。大会長を務める川満省三下地町長は「全国的に認められる大会にもなった。今年も素晴らしい大会にしたい」と決意を話し、大会役員や実行委員に協力を求めた。
 総会は午後4時から開かれ、はじめに川満大会長が「今年は第5回という節目の大会になる。大会場所の環境も整っており、今年も皆さんの力を借りながら最高の大会運営に取り組みたい」と力強く話した。
 続いて川満町長が実行委員1人ひとりに委嘱状を交付し、大会での協力を求めた。
 引き続き議事審議を行い、第5回大会の要項と予算を決めた。5回大会の特徴は日程を2日間にしたほか、ビーチフェスティバルや後夜祭を開催するなどイベント的要素も盛り込んでいる。予算は1140万円。
 競技日程は22日は予選のみ。23日に予選および決勝を行う。種目は男女混成4人制と男女それぞれの2人制。いずれの種目もラリーポイント制で行い、予選リーグで勝ち上がったチームが決勝トーナメントで争う方式が取られる。申し込み定員は男女混成4人制が先着で96チーム、2人制は男女ともに先着24チームとなっている。申し込み期間は2月2日から4月22日まで。参加料金は男女混成4人制が1チーム1万円、2人制は男女とも1チーム5000円。詳しいことと申し込みはビーチバレー宮古島大会実行委員会(電話0980-76-3900)まで。

 写真説明・第5回ビーチバレー宮古島大会の大会要項などを決めた総会=28日、下地町役場

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冷え込み続き売れ行き好調/暖房器具、冬物衣料 売れる

 今月21日ごろからここ1週間ほどの冷え込みで、暖房器具や冬物衣料の売れ行きが好調だ。平良市内の家電量販店や衣料品店には、この寒さを暖かく乗り切ろうとする人たちが訪れ、にぎわいを見せている。
 市内の家電量販店では、入り口のすぐそばに暖房器具コーナーを設置。今月に入り徐々に気温が下がりだしてから売り上げが伸び始めた。担当者によると、1万8000円前後の電気カーペットがよく売れているという。「去年の倍ぐらい出ているのではないか」とのことで、品薄状態にうれしい悲鳴を上げている。
 扇風機型のハロゲンヒーターは、使用しやすさに加え、5000−8000円台という低価格で、最近人気が高いという。同担当者は「12月は全然売れなかったので、ほっとしている」と胸をなでおろした。
 同コーナーを訪れていた60代の男性は「ストーブは1台あるが、家が海の近くで寒い。暖房はいくつもあった方がいいから」と、熱心に品物を見定めていた。
 一方、市内の衣料品スーパーでは、冬物衣料が絶好調。1月下旬は春物衣料の入荷時期のため、冬物はセール商品となるが、そこに寒さが訪れ売り上げがアップした。性別、年齢を問わず、ダウンジャケットやフリース素材の服など、厚手で暖かい衣類がよく出ている。
 ある店員は「12月はTシャツやハーフパンツなどが売れるほど(の暖かさ)だったので、この寒さで冬物がまんべんなく売れて良かった。冬将軍さまさまです」とホクホク顔だった。
 中学生の子供にマフラーを購入した女性は「とにかく寒いので、暖かくして風邪を引かないようにしないといけない」と、寒さ対策に万全を期していた。
 宮古地方気象台によると、きょう29日には平年並みの気温(最低15度、最高19度)に戻る見込み。凍える寒さは一段落つきそうだが、2月にもう一度寒さが戻ってくる可能性はあるという。

 写真説明・暖房器具コーナーで熱心に商品を見定める客=28日、平良市内の家電量販店

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