200平成1 6  1 16 曜日

「夢あるプロジェクト」 国会として後押し/参院沖特委・

伊良部架橋予定地を視察

 宮古の台風被害などを視察するため14日来島した参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会の派遣委員(谷林正昭委員長)一行4人は15日、伊良部架橋建設予定地や下地島空港、台風14号の被害を受けた風力発電施設などを視察した。谷林委員長は同架橋について、「夢のある大きなプロジェクトだと思う。国会としても後押ししていきたい」と述べ、政府に対して早期実現を訴えていく考えを示した。

 一行は同日午前、伊良部町の牧山展望台から伊良部架橋建設予定のルートを視察。県宮古支庁の喜久川恵三土木建築課長が説明に当たった。
喜久川課長はまず、伊良部架橋の要請は、今年で30年目の節目であることを強調。その上で、1940年に宮古本島―伊良部を結ぶ定期船が伊良部島の沖合で高波を受け沈没し、乗客ら73人が亡くなった海難事故や、急患、妊婦らは定期船で宮古本島へ搬送することなど、離島の歴史や実情を報告し橋の実現がいかに重要かを訴えた。
 一行はこの後、下地島空港や台風14号で被害を受けた平良市中央公民館、沖縄電力の風力発電施設などを視察した。視察後、マスコミのインタビューに応えた谷林委員長は「台風被害個所をじかに見たり、住民の話などから、島なりの苦労が大変多いということが分かった」と感想を述べた。
 宮古市町村会から要請のあった電線の地中化については、「毎年台風が襲来するとなればライフラインの対策は必要」と述べ、電線地中化の整備は早急に進めていくべきだとの考えを示した。
 地元などから強い要望のある伊良部架橋の早期実現については、「救急医療の問題や過疎化の問題などを考えた場合、夢のある1つの大きなプロジェクトだと思う。国会としても後押ししていきたい」と理解を示した。
 沖特委の派遣委員は谷林氏(民主)を委員長とする理事の西銘順志郎氏(自民)と榛葉賀津也氏(民主)、委員の小泉親司氏(共産)の4人で、14日に来島。同日は宮古市町村会から・伊良部架橋の早期着工・電線類地中化の整備・離島航空運賃の引き下げ―など3項目の要請を受けたほか6市町村長とも意見交換を行った。

 写真説明・伊良部架橋建設予定ルートの説明を受ける参院沖特委の委員ら=15日、伊良部町牧山展望台

top.gif (811 バイト)

平均糖度14・8度/多良間・キビ操業 滑り出し好調

 【多良間】宮古製糖(新里光男社長)多良間工場の今期製糖操業が、15日から始まった。初日は195トンのサトウキビが搬入され、平均糖度は基準糖度帯(13・1−14・3度)を大幅に上回る14・8度と好スタートを切った。一方、生産量は夏場の干ばつなどの影響により前期比6600トン減産の1万8200トンを見込んでいる。操業は4月上旬までの82日間を予定している。
 初日は早朝から、大型トラックがサトウキビを運び込み工場は久々に活気付いた。午前11半からは関係者が集って製糖開始式が行われ、新里社長は作柄の説明に次いで無事故、無災害を祈念。
 兼濱朝徳多良間村長は「工場の煙のにおいは多良間のカネのにおい。多良間にとって製糖工場は一企業ではなく、島の産業そのもの。工場が永く存続するよう村も頑張る」と糖業の継続発展に決意を見せた。
 搬入された原料195トンの糖度の内訳は基準糖度帯内(13・1−14・3度)が44トン(23%)、14・4度以上が143トン(73%)、13・0度以下が8トン(4%)。全体の九割以上が基準内か基準を上回り、基準以下はわずかだった。最高糖度は16・9度を記録した。同工場では「まれに見る高い糖度」と話している。
 宮古地区での今期製糖操業は昨年12月28日の宮古製糖伊良部工場を皮切りに、この日の多良間工場に次いで、宮古本島の操業が21日から始まる。地区全体の生産量は干ばつや台風14号の被害を受け、平年比2万トン減の28万トンを見込んでいる。

 写真説明・新里社長や来賓がサトウキビの束を投入し操業開始を飾った=15日、宮古製糖多良間工場

top.gif (811 バイト)

車検切れ大量検挙/宮古警察署・行幸啓に伴い取り締まり強化

 宮古警察署(石垣用秀署長)では昨年12月から今年1月(15日現在)に行った計4回の街頭検査や検問で車検、保険切れ車両50台(二輪車含む)を発見、指導したことから「車検切れに伴う無車検、無保険が多い」と指摘し、24時間態勢で徹底した取り締まりを行う。同署では24、25の両日に控えている天皇、皇后両陛下の行幸啓に向け万全を期すため、犯罪などに使用されやすい車検切れ車両に対し「本来なら公道を走れない車なので、不審車両として判断する」と強い姿勢で臨む方針だ。
 整備不良や故障などをチェックする車検を受けていない自動車で公道を運行すると、重大な事故を誘発する恐れがあるとして、道路運送車両法で6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられ、道路交通法で免許停止処分となる。
 また、無保険車両は自動車損害賠償保障法で1年以下の懲役または50万円以下の罰金となる。
 昨年は無車検、無保険車両での人身事故は7件発生。無車検無保険のため、被害者に賠償することができないケースも実際に発生しているという。
 同署では今後、パンフレットを配布し運転モラルの向上を図るほか、24時間通して検問を行い、無車検、無保険を徹底して取り締まる方針だ。
 同署の東江善平交通課長は「現在、宮古地区には約3万9000台の車両があり、割合にすると大変多い数字。県内でも宮古以外にはそれほど多くないことから、無車検無保険車両が多いのは宮古の特徴といえるのでは」と指摘。「(無車検ということを)『知らなかった』『農作業に使用するから』などと安易な考えを持っている人もいる。運転手のマナーとしてルールを守ってほしい」と呼び掛けている。

top.gif (811 バイト)

植裁樹木、管理ボランティアは30団体/年々増加、住民意識高揚

 宮古地区で県道や国道に植栽されている樹木などの維持・管理に努めるボランティア団体は2003年度現在で30団体と、年々増加していることが宮古市町村会のまとめで分かった。県内5地区の中では八重山の45団体に次いで2番目。窓口となっている宮古市町村会では「地域の道路や緑は地域住民の手で改善を図っていくという意識の高揚が図られている」と喜んでいる。
 ボランティア団体は、地域の老人クラブや子供会、婦人会などが中心で、定期的に道路清掃や除草、樹木の剪定、散水などを行い道路緑化に貢献している。
 同ボランティアの団体数を市町村別に見ると▽平良市6▽城辺町5▽伊良部町10▽下地町4▽上野村5―となっている。
 県では、こういった団体に対し道路植栽樹木管理会が94年から助成制度を開始。管理する道路の延長や面積を勘案して年額2万5000円から5万円ほどの助成を行っている。宮古地区では、昨年度実績で30団体に計132万5000円が助成されている。
 宮古地区のボランティア団体数は、県内他地区に比べて増加数が高く、96年の5団体に比べて現在は6倍の30団体に増えている。宮古市町村会では、「地域住民らの道路に対する愛護精神や緑への意識が年々高まっている証拠」と話し、緑づくりへの輪が広まることを期待。今後も同制度の普及、啓もうを図りながらボランティア団体を増やしていきたい考え。
 宮古地区のボランティア団体は次の通り。
【平良市】▽狩俣地区▽福山地区▽すみれの会▽スガラス会▽サンキュー会▽ひまわり会
【城辺町】▽長南子ども育成会▽加治道部落子ども育成会▽ひが愛花会▽砂川小学校男子バスケット部▽うるか大好き
【伊良部町】▽さしば▽ILOVE伊良部の会▽国仲青年会▽ニューさしばの会▽佐良浜小学校PTA▽ひまわり通り会▽桜の会▽響心会▽新風の会▽サンゴの会
【下地町】▽川満部落▽下地町子ども会▽下地町ヨーンシー愛好会▽金栄田里
【上野村】▽博愛ボランティア▽上野部落婦人会▽うるかやークラブ▽コスモス会▽豊原婦人会

top.gif (811 バイト)

冷え込み一転ポカポカ陽気/最高気温22・9度

 宮古島地方は15日、高気圧の影響で最高気温が22・9度(午後3時32分)と、平年より2・7度高く、ポカポカ陽気に包まれた。最低気温も16・6度までしか下がらず3月中旬並みの気温。
 この陽気に誘われるかのように平良市のパイナガマビーチでは、女子高生が制服のブレザーを脱いで日なたぼっこする姿が見られた。
 宮古島地方は最近、気温の変化が激しく、13日は最低気温14・6度を記録。市内に住む20代の女性は、寒くなったり暑くなったりの気候に「着るものを選ぶのが難しい」と苦笑していた。
 宮古島地方気象台によると、この陽気はしばらく続く見込み。

 写真説明・ポカポカ陽気の下で日なたぼっこする女子高生=15日、平良市・パイナガマビーチ

top.gif (811 バイト)

熱くじゃれあう/ヘラサギとクロツラヘラサギ

 くちばしの先が同じへら状のヘラサギとクロツラヘラサギ(いずれもトキ科)が15日午後、伊良部町入り江でじゃれ合っている珍しい生態が観察された。互いにくちばしを当てて愛情を表現している様子だった。
 2羽を見分けるには、ヘラサギはくちばしの基部から目までが黒い線でつながっているが、クロツラヘラサギは目の先の黒い部分が幅広い。
この日確認されたのは、ヘラサギが2羽、クロツラヘラサギが3羽の計5羽。
 積極的にじゃれ合っていたのはクロツラヘラサギ。くちばしが熱くなったのか、何度も水の中にくちばしを入れてはヘラサギのくちばしに当てていた。
ヘラサギの成鳥の体長は86センチ。クロツラヘラサギは環境省のレッドデータリストでは希少種に指定されおり、成鳥の体長は約74センチになる。

 写真説明・熱くじゃれ合っていたヘラサギ(左)とクロツラヘラサギ=15日、伊良部町入り江(伊良波彌記者撮影)

top.gif (811 バイト)