200平成1 6  1 15 曜日

伊良部架橋など3項目要請/参院沖特委が来島

 沖縄の振興開発及び基地問題等に関する実情調査のため13日来沖した参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会の派遣委員(谷林正昭委員長)の一行が14日午後来島し、宮古6市町村長と意見交換を行った。宮古市町村会(会長・伊志嶺亮平良市長)は委員に対し・伊良部架橋の早期着工・電線類地中化の整備・離島航空運賃の引き下げ―の3項目を要請。谷林委員長は「伊良部架橋の問題は町民の切実な願いと受け止め、政府に強力に働き掛けていきたい」と答えた。

 一行は、きょう15日は伊良部架橋建設予定地の視察や平良港湾、台風14号の被害を受けた平良市中央公民館、沖縄電力の風力発電施設を視察する。
 来島したのは、沖特委委員長の谷林正昭氏(民主)、理事の西銘順志郎氏(自民)と榛葉賀津也氏(民主)、委員の小泉親司氏(共産)の4人。
 意見交換会は午後5時半から、下地町の宮古島東急リゾートで行われた。
 宮古市町村会は要請で、下地島空港とその周辺残地の土地利用計画の推進に弾みを付け、若者にも夢と希望を与える事業だとして、伊良部架橋の必要性を強調。
 電線地中化については、台風14号の被害を挙げながら、ライフラインを確保するには電線の地中化が有効な手段であると訴えた。
 離島航空運賃の引き下げについては、羽田路線以外の本土線も含め、沖縄本島―本土と同様な軽減措置と沖縄本島―離島路線及び各離島間路線の軽減措置を求めた。
 意見交換の中で浜川健伊良部町長は、伊良部島は悪天候時には定期船が欠航し、住民の日常生活にさまざまな制約を与えていると指摘。その上で「伊良部架橋を早期に実現させ、宮古の発展につなげていきたい」と要望した。
 台風14号の被害も報告され、伊志嶺市長は風力発電施設の損壊を、仲間克城辺町長は電柱の倒壊をそれぞれ挙げて電線地中化の必要性を強調した。
 理事の西銘氏は「伊良部架橋や残地問題は沖縄県の問題として捉えていく」と述べ、委員会として前向きに取り組んでいく姿勢を示した。
 意見交換会終了後、マスコミのインタビューに応じた谷林委員長は「伊良部架橋問題は委員会審議の中で、(早期着工の)意見や要望があったことを伝えていく。台風被害の復興については、どのような支援が出来るか議論していきたい」と述べた。

 写真説明・参議院沖特委の派遣委員と宮古6市町村長が意見交換した=14日、宮古島東急リゾート

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堆肥センターを建設へ/上野村・家畜ふん尿を農地に還元

 上野村(川田正一村長)は2004年度の主要事業として地域資源リサイクルセンター(堆肥センター)を建設する。地域住民が快適な生活を送るため、地域の環境衛生の向上を重要課題とし、家畜のふん尿やバガス、生ごみなどを堆肥化して農地に還元し、有機栽培の推進を図る。総事業費は8億2000万円で、供用開始は2006年4月を予定。堆肥の年間生産量は3600―4000トンを見込んでいる。
 同事業は国庫補助事業を受け現在は実施設計の段階で、4月から着工したい考えだ。また、地域住民の理解を得るため、施設概要を説明したパンフレットを近々、同村内の各家庭に配布し理解を求める。建設場所は同村野原の村有地で、敷地面積は2万1500平方メートル。施設には試験ほ場を設け、生産した堆肥を使用し、施設栽培(マンゴー、パパイア、スイカ、メロンなど)、露地栽培(サトウキビ、トウガン、カボチャ)などをモデル栽培する。
 事業の基本構想は「資源循環型・有機の里づくりを目指して」―をスローガンに、農家と消費者との協力により相互理解を深め、環境保全型社会を形成する。それにより、有機資源のリサイクルを図り、地下水保全など環境改善と健康な食生活を生み出し、自然と人間の永続的な共存を目指すこと。
 基本目標として▽有機物の再資源化▽優良堆肥の生産▽土づくり・有機農産物の生産▽地産池消による農産物の流通▽農業の担い手育成―を掲げる。
 一方、一部の地域住民はにおいに伴う環境汚染を懸念。村側は「住民の理解を得た上で計画を推進していきたい」としている。11月には住民説明会を開催し、「優れた性能の脱臭機器を使用することでにおいを極力抑える」と説明している。今後、設計書が完成した時点で再度、説明会を開催する方針だ。

 写真説明・堆肥化のイメージ図

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空手の世界大会で優勝/城辺町出身、沖大の下地英作さん

 【那覇支局】空手の2004USオープントーナメントが3、4の両日、米国・ネバダ州ラスベガスで行われ、男子形で城辺町出身の下地英作さん(沖縄大学4年)が優勝した。アメリカ、ヨーロッパ、中南米など28カ国から約900人が出場した大きな大会で、県勢の同大会制覇は初。今大会では日本勢でも優勝したのは1人だけだった。8日に沖縄に戻った下地さんは「優勝できたのは良かった」と喜びながらも、「まだまだ満足のいく内容ではない。今年は県代表として国体に出て、良い結果を残したい」と、次の目標に照準を合わせている。
 下地さんは宮古高校時代に空手を始め、現在は沖大の空手部でけいこに励む。部員との練習は組手が中心。形の練習は1人で行っている。組手も形も両方好きだというが、1人で練習を続けてきた形の方で頭角を現した。大学3年の2002年、県学生空手道選手権の男子形で初優勝。昨年、同大会を連覇し、続く九州選手権で優勝、全日本選手権でも4位と躍進した。
 同大学空手部の賀数淳総監督の推薦で、USオープン初出場。願ってもないチャンスに「優勝は意識せず、大きな国際大会で自分がどのくらいやれるのか試したかった」。日本とは違う雰囲気に緊張したが「いかにリラックスし、集中するか」だけを考えての演武で、栄冠を勝ち取った。しかし下地さんはその結果に浮かれることなく、「結果的には大学4年間の集大成となったが、まだまだ課題は多い」と話す。
 卒業後は仕事をしながらけいこを続ける。今後は形に重点を置いて競技に取り組む。「今年は国体で結果を残したい。そのためにも、国体の選手選考会を兼ねた6月の県空手道選手権で勝つのが第一の目標。県代表にならないと九州、全国で勝負できないですから」と力強く話した。

 写真説明・空手の2004USオープントーナメントで優勝した下地さん=13日、那覇市の沖縄大学体育館

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阪神・藪投手ら来島/プロ野球自主トレ・

開幕1軍目指す近鉄・有銘も

 プロ野球、阪神タイガースの藪恵壹投手と県出身で大阪近鉄バファローズの有銘兼久投手らが14日午後、宮古島での自主トレーニングのため来島した。藪投手らは今月26日まで滞在。2月1日のキャンプインに備えて、下地町の前浜ビーチなどでランニングを中心とした基礎トレーニングを行う。
 藪投手は昨年、23試合に登板し8勝3敗の成績でチームの18年ぶりペナント優勝に大きく貢献した。宮古島での自主トレは今年で5年目と、すっかり定着。空港で出迎えた地元の人たちとも笑顔で再会を喜んでいた。
 宮古島の自主トレは昨年に次いで2度目となる県出身(浦添商高卒)の有銘投手は、昨年18試合に登板し0勝3敗の成績。有銘は「けがなくシーズンを終えたが、1軍では結果を残せなかった」と昨季を振り返りながら「自主トレでは下半身の強化をテーマに取り組む。開幕1軍が目標」と抱負を語った。
 自主トレにはそのほか、阪神の上坂太一郎内野手、近鉄の吉田豊彦投手、宮本大輔投手、谷口悦司投手、戎信行投手、西武ライオンズの高波文一外野手の計8人が参加している。

 写真説明(左)・自主トレのため来島した阪神・藪投手=14日、宮古空港
 写真説明(右)・開幕1軍を目指す県出身の有銘投手=14日、宮古空港
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島内の養鶏は異常なし/鳥インフルエンザ・県が全島調査

  山口県の養鶏場で発生した高病原性鳥インフルエンザ問題で、県は14日、県内で飼養されているニワトリなど鳥類の一斉検査を実施した。宮古本島や多良間島の調査は宮古家畜保健衛生所(友利和博所長)が行い、異常は見られなかった。また、宮古のスーパーなどで販売されている鶏卵や鶏肉は山口県から納品されていないことが分かった。ただ、同所では今回の鳥インフルエンザの感染経路が渡り鳥であるという説もあることから「油断しないで衛生面の強化に努めることが大切。異常が見られたら家畜保健所まで連絡してほしい」と呼び掛けている。
 宮古や多良間で飼養されているニワトリは計2万7234羽(一部ウコッケイ、1月14日現在)。計41戸が飼養している。市町村別の内訳は、平良市2万5609羽、城辺町290羽、下地町1530羽、上野村175羽、多良間村10羽―となっている。
 今回の調査は同所職員と各市町村担当職員が実施。3班に分かれて飼養農家を訪ね、臨床検査を実施してニワトリなど鳥類に異常が見られないか詳しく調べた。検査と同時にニワトリの導入経路を調べたほか、鶏舎入り口に踏み込み消毒槽を設置することや野鳥を鶏舎に入れないよう強く促した。

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13団体280人が出演/社会福祉芸能チャリティー公演

 第8回平良市社会福祉資金協力芸能チャリティー公演(主催・同市社会福祉協議会、同公演実行委員会)が11日、平良市のマティダ市民劇場で開催された。13団体280人余が出演し、歌や三線、日舞、琉舞などを披露した。会場は芸能ファンら大勢で埋め尽くされ、立ち見も出るほどの盛況ぶり。それぞれが同社協の福祉活動に理解を示しながら伝統芸能を楽しんだ。
 この公演は市社協が各種事業を展開していくために必要な財源を確保しようと開催。毎年、実行委員会が中心となって公演を盛り上げている。  公演は午後6時30分にスタート。野村流伝統音楽協会宮古支部による琉球古典音楽斉唱を皮切りに、舞踊研究所や琉舞道場などのメンバーが次々と出演し、伝統芸能を繰り広げた。
 会場の観衆は各演目にくぎ付け。出演者の歌や踊り、演奏の数々を堪能していた。
 今回のチャリティー公演について市社協の奥平玄孝会長は「皆さんから寄せられた浄財は皆さんの支え合い、助け合いの心を十分生かして有効に活用させていただきたい。目的達成のため社協職員一丸となって努力していきたい」と力強く話していた。
 公演を共催した平良市の伊志嶺亮市長も「市民福祉の向上と資金増強につながるものであり、大変意義深い。これを機会に多くの市民が福祉活動に対し積極的に参加することを期待している」とのメッセージを寄せた。

 写真説明・13団体280人が伝統芸能を披露したチャリティー公演=11日、マティダ市民劇場

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