200平成1 6  1 14 曜日

宮古本島、今月21日からキビ操業/台風被害で厳しい作柄

 宮古本島内製糖2工場(沖縄製糖宮古工場、宮古製糖城辺工場)の今期製糖操業が、21日から始まる。両工場合わせた03−04年期産サトウキビの生産見込み量は20万5000トンで、前期実績比3000トン、平年比2万5000トンそれぞれ減少。すでに操業を開始している宮古製糖伊良部工場と同多良間工場を合わせた生産量は28万トン(平年比2万トン減)を見込んでいる。今期は干ばつ、台風の被害が大きく2年連続の厳しい作柄となった。

 天皇皇后両陛下の車列が通る上野村の国道390号沿いの畑では、安全確保のためすでに収穫が始まっている。ある農家の人は「台風の被害は大きい。根がめくれたり、茎が折れたりしているキビが多い」と話していた。両工場では警察の依頼を受け、道路端から10メートルの部分のサトウキビを刈り取るよう農家にお願いしているという。
 03−04年期産サトウキビは、2−5月と7−8月の干ばつによって成育が阻害された。これに追い打ちをかけるように台風14号が襲来し、甚大な被害を与えた。しかしその後、適度な雨が降り順調に回復した。
 沖縄製糖宮古工場管内の生産見込み量は、11万3000トンで前期比1219トンの微増。同社は増加の理由として▽収穫面積の9ヘクタール増▽前期と比べ枯死茎が少ない―などを挙げている。ブリックス(12月中旬調査)は17・9度と平年同時期の19・0度より約1度低い。同工場は、台風で屋根トタンがはがれ、冷却水ポンプの操作盤が使用不能になるなどの被害を受けたが修復し、12月18、19の両日には試運転を終え、準備は万端整った。
 宮古製糖城辺工場管内の生産は9万2400トン(前期比4300トン減)を見込んでいる。12月中旬時点でのブリックスは平年の18・9度より1度弱低い18・0度。同工場では今後の冷え込みによるブリックスの上昇に期待している。同工場は台風14号で工場の屋根が飛ばされ、中の制御装置が破損するなどの被害を受けたが、迅速に対応し12月18、19の両日に試運転を終えた。
 同伊良部工場は、収穫面積が前期比103ヘクタール増え、これに伴い生産見込み量も前期比7300トン増と大幅に増えた。
 多良間工場管内は、台風の被害は少なかったものの、干ばつの被害が大きかった。

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佐良浜中、6年ぶりV/RBC旗中学新人バレー・平良中は4強

 【那覇支局】第35回琉球放送旗争奪中学校新人バレーボール大会は最終日の12日、本部町民体育館で男女の決勝リーグを行い、男子は佐良浜が3戦全勝で、第29回大会以来6年ぶり3度目の優勝を飾った。同じく決勝リーグに進んでいた平良は、11日の石垣戦に続き残り2試合も敗れ4位だった。女子は高江洲(具志川市)が、今大会3連覇を目指したあげな(具志川市)を破り、初優勝を飾った。
 佐良浜上地誠次郎主将は「優勝できてうれしい。楽しかった」と喜びの声。友利直喜監督は「しばらく優勝から遠のいていたので、本当にうれしく思う。重みのある優勝。地域の皆さんにも喜んでもらえると思う」と話した。

 写真説明・6年ぶり3度目の優勝を飾った佐良浜=12日、本部町民体育館

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「県4冠」へ最高のスタート/新人バレー優勝した佐良浜中

 事実上の決勝となった対石垣戦。勝利を決めた佐良浜のメンバーは、ガッツポーズで喜びを爆発させた。昨年は県大会ベスト4が最高。県での優勝は、池間智暖(伊良部高校)らを擁し全国8強まで進んだ一昨年の県中体連以来で、同大会では実に6年ぶりの優勝旗を手にした。
 第1セットはサーブカットでミスが多く、接戦を落とした。気持ちを切り替え臨んだ第2セット、主将の上地誠次郎と伊志嶺太基の2人がセッターとして組み立てる攻撃が機能し石垣を圧倒した。第3セットは互いに一歩も譲らない展開となったが、伊志嶺のサーブポイントなどで抜け出した。上地は「第1セットは堅くなってしまったが、残りの2セットは練習でやったことをすべて出せた」と笑顔を見せた。
 新チームの特徴は、150センチ台のレシーバー、国吉一真と久高彦太がボールに食らい付き、上地、伊志嶺、小禄基史、与那覇歩夢の170センチ台の4人が決める「分業制」(友利直喜監督)。マネージャーを含めて8人しかいない部員全員が、それぞれの役割を忠実に果たしたことが勝ちに結び付いた。
 これまで何度も頂点に立った友利監督も、今大会の優勝は自身初めてで喜びもひとしお。「(優勝決定戦は)1セットは取られたが、そこから気持ちを引き締めてできた。選手たちが頼もしかった」と目を細めた。
 「練習量はどこにも負けない。サーブカットなど課題を克服して、他のチームを引き離したい」と、さらなるレベルアップへ気を引き締めた上地。悲願の「県4冠」へ、最高の船出となった。次は2月のOTV杯。九州大会出場を目指す。
  (那覇支局・砂川拓也記者)
大きな収穫/4強の進出の平良中
 今大会、第1の目標に掲げたベスト4を達成した平良。久高三彦監督は「台風で2カ月練習できず、前年度優勝校というプレッシャーもあった。子供たちにとってはベスト4に進めただけでも大きな収穫。基本のプレーからきっちりやり直して、段階的に伸ばしていきたい」と話した。
 砂川裕哉主将は4強達成も、決勝リーグの試合内容に納得がいかず、言葉少な。相手の気持ちに負けてしまったという思いが強く、「これからの練習ではまず、元気に声を出すところからやらないといけない。1人ひとりが声を掛け合い、流れを引き寄せられるようにしたい」と巻き返しを誓った。

 写真説明・優勝決定戦・佐良浜―石垣の第3セット、レフトからスパイクを決める伊志嶺太基=12日、本部町民体育館

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1人当たり最大4000円/平良市・国保税率アップを諮問

 伊志嶺亮平良市長は13日、同市国民健康保健運営協議会(藤村明憲会長)に保険税率改正案を諮問した。今回の諮問は、国保税引き上げによる単年度の赤字幅を縮小することが目的。5つの案が提示され、1人当たりの税額は現行より最大で約4000円、1世帯当たりでは約9000円のアップになる。
 同市は、保険税調定額や収納額の伸び悩みなどから赤字幅は年に約4000千万円の増加傾向にあり、今年度の赤字額は累積で10億円を超える額が見込まれている。
 伊志嶺市長は「市町村合併を控え、平良市の国保財政の赤字額の拡大が他の行政運営の足かせとならないよう、出来る限り、国民健康保険制度の財政運営は保険税で賄うことが公正、適切である」と述べて、医療費に見合う財源の確保に努めていくことが必要と理解を求めた。
 同協議会では今後、現行通りにするか、税率改正するかを審議。早ければ今月末にも伊志嶺市長に答申する。
 出席した委員からは、「税率アップは納税者にきちんと分かるような説明が必要」などとした意見が出された。
 同市の国保税の財政状況は、医療費の増加傾向と景気低迷による所得割対象総額の減少に伴い、保険税調定額や収納額の伸び悩みなどから単年度赤字が2000年度は1億1600万円、01年度は1億6600万円、02年度は2億800万円となっている。

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ネット心電図サービス試運転/城辺町が事業化検討

 城辺町(仲間克町長)は13日までに、モバイル心電計を使用して不整脈チェックを行うシステム「インターネット心電図サービス」の試験運用を開始した。今年度は町内における利用状況を把握し、2004年度の事業化を目指す。同システムは那覇市のメディカルデータ社が開発、現在は個人会員向けにサービスを実施しているが、自治体規模での運用は県内初。「電子自治体」の形成を強調する城辺町の取り組みが注目される。
 同システムは「いつでも、どこでも不整脈の有無を調べられる」ことが魅力だ。システムで使用されるモバイル心電計にはPHSカードが内蔵されており、同心電計で測定したデータを同社のメディカルデータセンターへ送信。これを同社契約専門医が見て「不整脈は見られません」などのコメントをパソコンや携帯電話にメール送信するという仕組みだ。
 城辺町は今年度、3台のモバイル心電計を使用して町内における利用状況を把握する方針。現在はデイサービスなどで多くの高齢者が訪れる社会福祉センターに1台、医療事業が充実している保健センターに2台を置いている。04年度事業では保健師が実施する訪問介護の中でも心電計を活用していく方針だ。同町企画振興課の下地達男課長は「町民の医療費の軽減を図りたい」と話しており、今年度中に会社側と利用料金など予算面について調整を進め、次年度の事業化にこぎ付けたい考え。
 同システムは平良市の中村循環器科・内科の中村貢医師が98年の「宮古ウェルネスアイランド構想」の中で考案したPHS(簡易携帯電話)を利用した遠隔医療システムが基礎。死亡要因として高い割合を占める心疾患について同社は、同サービスを健康管理の一助と位置付けている。

 写真説明・ネット心電図サービスの試験運用がスタートした=13日、城辺町福祉センター

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民族衣装でガイド/うえのドイツ村に新制服

 上野村のうえのドイツ文化村で活躍する観光ガイドらの制服がこのほど出来上がった。新制服はドイツの民族衣装をイメージしたもので観光客からの評判も良いという。新制服に袖を通した観光ガイドらは「新制服で気持ちを新たにして頑張りたい」と決意を新たにしていた。
 新制服は、白いブラウスの上から色鮮やかなベスト、長いスカートでドイツでは一般的な民族衣装という。案内ガイド5人のほかキンダーハウスなど、ドイツ文化村の各施設の女性職員が着用。装いを新たに案内サービスや展示物の解説などを行い、訪れる観光客にドイツと上野村の魅力を発信している。
 案内ガイドとして活躍している同村出身の上地晴香さん(20)は「かわいくて気に入っている。これからもドイツのことをもっと勉強して生まれ故郷とドイツの魅力を伝えていきたい」と話した。

 写真説明・新制服で決意を新たにする案内ガイドら=うえのドイツ文化村

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