200平成18  1220 水曜日

実効性高い計画の策定を/男女共同参画懇話会が提言
宮古島市/年度内に策定「人権」「自立」など4本柱


伊志嶺市長に提言書を手渡す古波蔵会長(左)=19日、宮古島市役所平良庁舎

 宮古島市男女共同参画懇話会(古波蔵小夜子会長)は十九日、宮古島市役所平良庁舎で伊志嶺亮市長に対し、市男女共同参画計画策定に向けた素案を提言した。「人権」など四つのキーワードを掲げて実効性の高い計画を策定するよう求め、男女共同参画の考え方が反映された各事業の実施を提案した。市では、年度内の計画策定を目指している。

 同懇話会は、十二人の委員が市の委嘱を受け今年八月に設置。これまで計八回にわたり協議を重ねてきた。
 提言の内容は「人権」「参画」「自立」「多様性」が四本柱。男女共同参画社会基本法、旧平良市の「ゆいプラン」などを基にまとめられ、男女共同参画行政の推進強化、活性化を求めている。
 また、▽男女平等を推進する教育・学習の充実▽人権意識の意識育成▽政策・方針決定過程への女性の参画拡大▽家庭・地域における男女共同参画▽男性・女性の自立支援策として▽多様なライフスタイルに対する支援策−など各分野の施策において、男女共同参画の観点に立った事業の導入を検討するよう求めた。
 古波蔵会長は同計画について「法律に基づきながら緩やかな多様性を根底に据えており、宮古島の特性である『ゆいの心』をさらにはぐくむことになる」と意義を強調。「男女共同参画の考え方は、今後の街づくりを進める上で新しい価値観をつくると同時に、社会全体の活力につながる」と話した。また、各委員の任期が二年と定められていることから「今後も宮古島市の計画策定に協力し、男女が互いの人権を尊重し合う社会づくりに役割を果たしたい」と意欲を示した。
 市では、計画策定後、男女共同参画条例の制定を目指している。提言を受け伊志嶺市長は「旧平良市でも男女共同参画社会の実現に取り組んできたが、宮古島市においてはさらに素晴らしい社会づくりを目指す。貴重な提言に感謝する」と述べた。
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製糖操業開始/本島2工場は年明け10日
多良間は7日から 全体で26万d超見込む

 宮古に四つある製糖工場の今期操業開始日が十九日までに決まった。いずれも年明けの一月から本格的な操業を実施する。キビ生産農家によっては、今月末ごろから繁忙期に入る。 
 宮古製糖伊良部工場の一月四日を皮切りに、同製糖多良間工場が七日、同製糖城辺工場と沖縄製糖宮古工場が十日から開始する。
 宮古全体の二○○六−○七年産のサトウキビ生産量は約二十六万六千dを予想。宮古製糖伊良部工場が四万八千二百d、同多良間工場が一万九千二百d、同城辺工場が八万八千五百d、沖縄製糖宮古工場が十一万dをそれぞれ見込んでいる。
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重機使い砂不法採取/狩俣地区
自然林伐採して海岸侵入


砂浜には、タイヤ痕とショベルで採取された跡が残っていた=19日、平良字狩俣

 平良字狩俣地区内(通称カンナラ)で、何者かにより普通林が無断で伐採され、浜辺の砂が大量に採取されていたことが十九日までに分かった。付近に畑を持つ農家は「伐採により海からの潮風が農作物に影響を与える。また、無断伐採をし、砂を大量に採取するとは何事か。一体、誰がどんな目的でこんなことをやったのか」と憤る。
 付近に畑を持つ農家の男性によると、同日午前九時ごろ、現場を通りかかったところ自然林が伐採され、砂を採取された痕跡を発見。砂浜には小型ショベルカーのものと思われるタイヤの跡とショベルで砂をすくった痕跡が残っていた。現場にはコンクリートの塊なども捨てられていた。
 この普通林は作物を守るための「防潮林」として、周辺に畑を持つ農家から重要視されているという。男性は「以前は人一人が通れるような道で、穴場として地元住民や観光客に人気のある浜辺。約三b近く伐採されると、海からの風が直接農作物に影響を与えてしまうし、観光客にも悪い印象を与えかねない。コンクリートも捨て、防潮林も伐採し、砂を盗むとは悪質だ」と語気を強める。
 県によると、この普通林は市町村が管理。伐採には、市町村に理由を明記した届け出が必要だという。保安林の場合だと、無断伐採による処罰は五年以下の懲役または五十万円以下の罰金が科せられる。
 また、無許可で砂を採取することは砂利採取法で禁じられている。砂利採取を行う場合は、県に申請を行う必要がある。防災や農作物を守る目的で県知事が指定する「海岸保全指定区域」で無許可に砂を採取することも海岸法で禁じられており、採取する場合は県知事の許可が必要となる。宮古では、城辺の新城海岸、下地の前浜ビーチ、来間海岸などが指定されている。
 県関係者は「海辺の砂は、国土財産として全国民が等しく共有できるもの。個人で楽しむ範囲内での採取は認められるが、一体どれぐらいの量からが違法なのかは現場を見て判断しなければ分からない。自由使用範囲内の範疇での利用は構わないと思うが、まず相談してほしい」と呼び掛けた。
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渡久山さんがNDC賞/NDC秋冬コレクション
初のグランプリに驚き


賞状とトロフィーを手に喜ぶ渡久山さん=19日、平良西仲宗根のとくやま洋装店

NDCグランプリを受賞した渡久山さんの作品

 日本デザイナークラブ(NDC)九州支部が主催する「2006年秋冬NDC DINNERコレクション」がこのほど、福岡市のホテルで行われ、とくやま洋装店代表の渡久山和子さん(61)=宮古島市平良=がグランプリに当たるNDC賞を初受賞した。七十点余りの応募の中からグランプリに輝いた渡久山さんは、「シンプルな中にも流行を取り入れ、若さと品の良さのまとまりを考えた。最後まで(名前が)呼ばれなかったので、受賞は驚いた」と喜びを語った。
 今回のコレクションのテーマは「クラシカルフェミニン」。渡久山さんの作品は、スエード(ベルベッド状に起毛したなめし革)素材を生かしたカッティングを取り入れたクラシック調のコートに、ミニワンピースで女性らしさを出したという。製作には一カ月半を費やした。
 渡久山さんは同コレクションに一九九九年から出品。二〇〇一年の新人賞を皮切りに、六年連続の入賞が念願のグランプリとなった。「発表のコメントでは、喜び過ぎて何を言っているか分からなかった」と笑顔を見せた。「受賞に責任を感じる。これからも勉強を重ねながら、宮古に貢献したい。若手の育成にも今まで以上に力を入れたい。将来的には自分のブランドを立ち上げられれば」と抱負を述べた。
 また、NDCの会員として、来年十月ごろ、フランス・パリに行くメンバーの一人に誘われたという。「個人的に、パリとミラノには行ってみたいという思いがあった。西陣織や久留米絣での作品の話があるが、できれば宮古上布の作品をパリに持っていきたい」と、意欲に燃えている。
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「全島E3化」に本腰/衆院特別委
環境省22億円、経産省8億円を要求

 衆院沖縄北方特別委員会がこのほど開かれ、環境省が中心となり宮古島で実証しているバイオエタノールをガソリンに三%混合する「E3」事業の拡充に向けた同省および経済産業省の二〇〇七年度予算要求額などが分かった。環境省は二十二億円、経産省は八億円を要求。各省が連携し、宮古島で走るすべての乗用車の燃料をE3とする「全島E3化」を積極的に推進する方針だ。同委員会で、沖縄4区選出の西銘恒三郎氏の質問に政府参考人らが答えた。
 特別委で西銘氏は、安部首相が行った所信表明演説を引き出し「『自動車燃料にバイオエタノールを利用するなど、バイオマスの利用を加速化します』という形で明言をしている」と強調。その上で宮古島におけるバイオエタノールの生産および利用状況、次年度への予算要求について政府の説明を求めた。
 これに対し、政府参考人らは「〇七年度から関係省庁が連携し、全島E3化を目指す」と環境省の取り組みを説明。現在の実証設備を拡充した上で「全島E3化に必要なバイオエタノールの製造可能な施設の整備を支援していく」と述べた。
 経産省の取り組みとしては「エタノールとガソリンを混合する設備あるいはガソリンスタンドの整備支援といった形で、それぞれ必要な予算の確保に努める」と各省が連携して予算要求していることを報告した。
 今後については「原料となる高バイオマス量のサトウキビの反収なり、生産コスト、製品となるバイオエタノールの生産可能量や生産コスト、こういったものの把握をするための実証を引き続き進めていく」とし、宮古島におけるE3事業を拡充する方針を示した。
 宮古島におけるE3事業は、現在、宮古島市や県宮古支庁の公用車にE3を給油するなどして実証が行われている。サトウキビから取れる糖蜜を原料に、バイオエタノールを生産。このバイオエタノールを三%ガソリンに混合して「E3」燃料が製造されている。
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波名城さん全国大会へ/家の光県大会で最優秀賞


波名城さん(中央)の最優秀賞受賞を喜ぶJA宮古地区女性部長の与那覇さん(右)と事務局の狩俣直子さん=19日、JAおきなわ宮古地区本部

 JA出版物の活用体験を発表する第五十一回JAおきなわ家の光大会(主催・県農業協同組合)が十四日、JAおきなわ南風原支店ホールで行われ、宮古地区の代表の波名城瑞枝さん(JA宮古地区女性部)=宮古島市平良=が最優秀賞に輝いた。波名城さんは、来年二月に埼玉県で行われる全国大会へ県代表として出場する。
 波名城さんは十九日、最優秀賞の賞状三つを持ってJAおきなわ宮古地区本部を訪れ、長濱哲夫副本部長らに報告。「支えてくれた周囲の人たちに感謝したい。来年の全国大会に向け、原稿を練り直し上位を目指したい」と喜びと抱負を語った。
 大会には、県内五つの支店から代表五人が出場。波名城さんは「私たちの活動と『家の光』」と題し発表した。
 地下水を守るために、米のとぎ汁で野菜や花などに水やりをしたり、科学肥料を使わない家庭菜園を実践していることを紹介。「農の大切さや、環境を大切にすることは、地域や家族に対する愛につながる」と訴えた。
 また、家の光を読んで「手作り感」や「産地らしさ」などに共感し「個性あるネーミングで売れる特産品作りを目指していきたい」と発表。自身が所属するJA宮古地区女性部の活動も紹介し「女性パワーを生かした活発活動を展開していきたい」と、可能性への挑戦をアピールした。
 最優秀賞受賞の報告を受けた長濱副本部長は「全国大会でも力を発揮してほしい」と激励。与那覇愛子JA宮古地区女性部長は「部員たちの励みや、活発な活動へつながる」と大喜びしていた。
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