2005年 元旦特集・市町村合併 【新市誕生】
 10月1日、新市誕生へ

□ 枠組みは5市町村 /宮古地区市町村合併

 昨年1年は枠組みをめぐり二転三転した宮古地区の市町村合併協議。多良間村の離脱に続き下地町、上野村まで離脱となり一時は平良市、城辺町、伊良部町の3市町で法定協議会が発足した。しかしその後、合併再考となり昨年末に合併参加を決定。枠組みは5市町村でまとまった。また、45の協定項目も44項目を確認、残すは「議員身分」のみとなり、合併期日は今年「10月1日」、合併新市の名称は「宮古市」で決定した。
 今年10月1日の新市発足までのスケジュールとしては、1月から2月で県との新市建設計画の調整作業を行いまとめる。
 合併特例法期限の3月には▽合併調印式▽市町村議会の議決▽県への合併申請―と地元での手続きはほぼ終了する。
 6月には県議会の6月定例会で宮古地区の市町村合併に関する議案を議決し、7月には総務大臣の告示となり合併の事務的手続きは終了。10月1日に5市町村が1つとなった新市が誕生する。
 協定項目にほとんどが昨年12月までに確認を終えており、3月の議会で議決するだけとなっている。
 しかし、ここにきて合併後の議員身分に関する「在任特例」や市長選年議選の「同時選挙」をめぐり議員側と住民代表側の意向が衝突したほか、新市名称についても岩手県宮古市側から不満の声が上がり、熊坂義裕市長も「宮古島側からの説明次第では再考を要請したい」との意向が報道を通して伝わっている。
 同協議会会長の伊志嶺亮平良市長は1月17日ごろに岩手県宮古市を訪れて新市名称について経緯説明を行う予定となっている。
 5市町村が合併して新しい市が誕生すれば新市の人口は5万人を超える。今年の秋には新市市長選が行われる予定でこれまでのこれまでの市区、郡部が1つになった新しい選挙構図で展開されそうだ。
 また、協議会で確認された協定項目では分庁方式を採用する方針で現在の自治体に総務部、福祉部などの部署が振り分けられて住民サービスを展開。また、伊良部島には各部をまとめた総合的な機能を持った支庁が設置される見込みだ。


こころつなぐ結(ゆ)いの島 宮古(みゃーく) /新市建設計画

 枠組みで混迷した昨年の宮古地区市町村合併協議。新市建設計画については6市町村協議会時にほぼまとまっていたが、3町村の相次ぐ離脱などで協議は停滞、難航した。しかし平良市、城辺町、伊良部町の3市町法定協が立ち上がってから協議を再開。一時離脱はしたものの下地町、上野村の合併再参加を受けて、 5市町村で合併した場合の新市建設計画とリーディングプロジェクトなどを昨年末までにまとめた。
 新しい島づくりの基本方針は「こころつなぐ結いの島 宮古」をテーマに、「人もまちも美しい海や空も、宮古を形作るすべてがつながって、心が通い会う島づくり」を目指していく。
 また、住民一人ひとりが島づくりの「主役」になり住民本位のまちづくりを目指すとともに、宮古の個性を生かしながら住民誰もが誇りや愛着を感じて楽しく暮らせる島にすることを目標としている。
 一方、リーディングプロジェクトは▽住んでいる人が健康で誇れる安心、安全で美しい島づくり▽交流と連携による活力あふれる元気な島づくり▽地域の個性が生かされる結いの島づくり―を基本理念に進められる。
 具体的にはリーディングプロジェクト@が「みんなでつくる、環境に優しい島づくり推進プロジェクト」。内容は▽住民のまちの美化や地下水保全に向けた啓発活動▽適正な生活排水処理の充実▽ごみ処理、リサイクル体制充実―となっている。
 Aは「農水産業の振興及び観光・交流拡大プロジェクト」で、▽地域産業の基盤強化、安定的発展▽農水産業と連携した観光振興▽スポーツアイランド構想推進。Bは「人と人、まちとまちをつなぐネットワーク構築プロジェクト」で、▽新市内全域での高度な情報通信網整備▽ニーズに対応した文化・情報・交流拠点整備▽医療・福祉体制の充実▽伊良部架橋の早期実現―が示されている。
 また、リーディングプロジェクトの位置づけとしては、計画全体の中で行政施策全般の展開方向を示した「島づくりの基本施策」とは独立したものとし、その中から優先的に実施していく事業を設定する。内容としては島づくりの基本的施策と重複するものも含むが、これにより各分野を超えて横断的に施策の展開を示していくことが可能となっている。
 今回まとまった新市建設計画は、2月末までに県との調整作業が行われ、決定した計画が新しい宮古の未来を示す指針となる。
 

 

 
<<< 元旦特集トップページへ