行雲流水

 農林水産省は昨年六月二十三日「インド産マンゴウの生果実については、インド側からの輸入解禁要請を踏まえ(中略)病害虫の侵入のおそれがないことを確認したので、本日付けをもって、インド産マンゴウの生果実について、輸入解禁措置を講じることとする」と発表した▼しかし生産農家は「そのことが宮古産マンゴーの出荷量に影を落としているという事実はない。宮古産マンゴーは全国各地から注文が相次ぐほどブランド化しており見ばえも味も高い評価を受けている」と強調▼インド産マンゴーは現地で生果実の中心温度を摂氏四七・五度以上二十分間加温することにより害虫を殺す蒸熱処理を施すことが日本への輸入条件になっているので新鮮さや味覚において宮古産マンゴーは有利と胸を張る▼とは言え食する側にとって煩わしいのはあの巨大な種。果肉の三分の一はあり切るにもすんなりとナイフは入らない。生産農家に聞いてみた。種なしマンゴーが開発されたら消費は拡大するかと。答はどの生産者も無限に拡大するだった▼ならばわが宮古島から種なしマンゴーの誕生をと思いたくなる。宮古島住民には一大プロジェクトに参加協力した実績がある。フィラリア寄生虫の撲滅。ウリミバエの根絶。地下ダムの完成等々▼どれも世界的偉業と称えられている。国県の研究機関や教育・産業・生産現場の各界を束ねて東京直行便の運行を勝ち取った住民一丸の情熱が支援する研究所があれば誕生は夢ではないと心は踊るが合併市政の先見性は…?

(2007/03/09掲載)

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