行雲流水

 去る二月十八日(日)は宮古島市教育委員会が設定した初の「教育の日」。近くの小学校を訪ねて二年生の授業を参観した▼一つの教室では一人の教師が車椅子の児童一人を相手に指導に当たっていた。モンゴルの楽器馬頭琴を説明しているところであった。モンゴルの所在地を世界地図で確かめ、馬頭琴を拡大写真で示し、さらに図鑑を開いて、モンゴルの家屋が組み立て式になっている理由を考えさせていた。確かこれから進める本テーマの背景を理解させる狙いだったと思われる▼孤立することがないよう、この児童は週何時間かは他のクラスに合流、授業を受ける。また、休み時間などに他のクラスから友達がきて一緒に切り紙などして遊べるように、テーブルの上に色紙やハサミ等が準備されている▼つぎの時間は算数の授業である。児童は袋に入った米を持っている。これから米粒の数を数えるのだという。方法は、米粒を十粒ずつまとめる、そのまとまりを十個並べて百とする。次に百のまとまりの個数、十のまとまりの個数、一粒の個数をそれぞれ算用数字の百の位、十の位、一の位に対応させる。いわゆる十進法の位取り記数法を理解させるための取り組みである。隣の教室では「数の大小比べ」で、この位取り記数法の仕組みを理解させる授業がなされていた▼ちなみに、位取り記数法は、人類の文化を進めた最大の発明だといわれている▼「一人びとりを大切にする」、「文化に即して、内容を豊かに、段階を踏んで、丁寧な授業」がなされている。この学校の真摯な教育実践に感銘を受けた。

(2007/02/21掲載)

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