行雲流水

 第二十回全宮古吹奏楽祭が二月十一日(日)にマティダ市民劇場で開催された。宮古島市民総合文化祭としては第一回目の記念すべき吹奏楽祭で、幼稚園、小、中、高、OB含めて総勢三百十名による大演奏会▼会館ロビーでは演奏を前に喜々と飛び回る園児や小学生たちの元気な衣装姿が目に飛び込んできた。カメラやビデオカメラを手にした父母や祖父母らしき人たちの姿も見える▼参加団体は、花園幼稚園、北小、久松小、平一小、南小、東小、平良中吹奏楽部、宮古農林吹奏楽部、宮古高校吹奏楽部、金管合奏団「響」の十団体▼開幕は花園幼稚園のかわいい園児たちによる「栄光の架橋」と「ライディーン」の演奏だ。園児たちは指揮者の大きな動きのタクトに合わせてリズミカルに調子をとって二曲とも堂々と演奏した。改めて幼児たちの能力のすごさに舌を巻いた▼小、中、高とプログラムが進行するにつれて金管バンドの醍醐味が伝わる。曲目もトップオブザワールド、旅立ちの日に、「惑星」より木星(ホルスト)、ピッコロマーチ等ポピュラーなものが多く気軽に鑑賞できた。OBの友利憲昭氏のホルンが奏でるオーバーザレインボウは牧歌的な田園風景を堪能できた。初参加の宮古農林高校吹奏楽部の演奏はとくに聴衆の関心を集めた。県内実力派の宮古高校吹奏楽部の演奏はさすがは華麗で貫禄ものだ▼圧巻は総勢二百六十五名による全体合奏だ。舞台は両袖を埋め尽くすほど。舞台前の通路には園児たちが大きなポンポンを持って演奏に合わせてダンスを披露。金管バンドと吹奏楽の織り成す大演奏に会場は興奮と感動のるつぼと化した。余韻は宮古地区吹奏楽連盟の二十年間に亘る音楽活動の情操教育への影響と重なった。

(2007/02/16掲載)

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