行雲流水

 教育が声高に論議されている。例えば、教育再生会議は「ゆとり教育」の見直しを打ち出している。それに対して中教審のある委員は、ゆとりは現場が「もう持たない」というところから出てきた。それを無視し、授業時数をただ増やせばいいということだけは避けてほしい、と述べている。また、現場からは「現場の声、教員の実情を把握してほしい」という声が聞こえてくる▼現在の教育についての検証は不正確で、求める人間像も見えてこない。こういう混迷の中にあっても、教育の原点に立って、「子どもの諸能力を全面発達させる」ための教育実践は主体的に、着実に推進すべきである▼教師は教科と児童・生徒の発達についての専門家である。授業に規律を確立、内容を工夫して、子どもたちの知的・身体的能力の発達を保障すると共に、人格の完成を図る崇高な使命を負う▼家庭に求められていることは、基本的躾を行い、生活のリズムを整えて勉強に集中できる状態で子どもたちを学校へ送り出すことである。しかし、朝食抜きで登校する子どもや朝から居眠りする子どもがいるなど、問題が山積している▼教師も、父母も目的は一つである。しかし学校は家庭のことを、家庭や社会は学校のことを案外分からないものである。相互信頼をもとに、理解を深めることが重要である▼二月十八日(日)は宮古島市の設定した第一回の「教育の日」である。学校、行政をはじめ地域、市民が学校に集い、生徒の活動状況を参観、話し合うことで、共通理解と連帯感を深め、望ましい教育環境創造に資する機会となる。

(2007/02/14掲載)

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