行雲流水

 太陽光線で温められた地表(地球の表面)から放射する熱は「温室効果ガス」(水蒸気・二酸化炭素・メタン等)に吸収されて大気を温める。もし大気中に「温室効果ガス」がなければ地球の平均気温はマイナス一八度にもなると言う▼「温室効果ガス」によって現在地球の平均気温は摂氏一五度前後を保ち生物の生存を可能にしていると言うのである。しかし近年この「温室効果ガス」が急速にしかも大量に大気中に排出されたため人類の生存は著しく危険な状況に置かれていると国連は厳しく警告▼国連「気候変動に関する政府間パネル」第一作業部会が地球温暖化の分析・予測についてまとめ先日発表した報告書はまさに警告書≠ナある。世界各地で頻発している大洪水・暴風雨・干ばつ・平均気温や海面水位の上昇▼これらの現象は人間活動による二酸化炭素など「温室効果ガス」の増加に原因があると報告書は警告し最も温暖化が進む化石燃料依存型社会をそのまま続けた場合地球の平均気温は最大で六・四度、海水面は五十九センチも上昇▼数十年後には北極海の氷山は消滅する。猛暑や熱波など異常気象も増え台風も大型化すると予測している。同時期日本では「三〇度以上の真夏日が二、三倍に増え、六、七月には豪雨が頻繁におきる深刻な異常気象が続く」と国立環境研究所などは指摘した▼その結果異常生育による米の生産量激減。沿岸砂浜九〇%の消失など、海浜に生きる沖縄観光産業の命運は今後数十年間の人間活動に託された。

(2007/02/09掲載)

<<<行雲流水ページにもどる