行雲流水

 イノベーション担当相が配置されるなど、技術革新や経営革新が問われている。その理念は進歩(繁栄)と調和であり、特に地球温暖化防止など環境問題への対応が求められている▼「燃料電池」はその主役の一つで、産業革命以来の大革命がやってくるとさえ言われる。水を電気分解すれば水素と酸素になるが、その逆反応で水素と酸素から水をつくる過程で電気を取り出すという単純な原理である▼「電気をためる」従来の電池と違い「発電装置」としての機能の変革がある。また現在の火力発電などとは比較にならないほど発電効率が極めて高い▼実用化は、コストよりも性能を優先する宇宙開発の場で始まった。一九六五年にジェミニ5号、一九六九年月面着陸に成功したアポロ11号も燃料電池を積んでいた▼実用化へのコスト高の解消は、なお今後の課題だが、問題は自然界には存在しない水素ガスをどうやって供給するかである。現在主流の化石燃料の「改質」による方法は、温暖化や限りある資源にネックがある。太陽力、風力、水力発電などの自然エネルギーで、無尽蔵にある海水の電気分解がベストの方法である▼携帯電話などのモバイル機器用、家庭に一台置き必要な電力をまかなう、工場や自動車への利用など、また「バイオ燃料電池」の開発など、まさに社会・産業革命が起きるのだ。宮古島はバイオリンの開発、バイオアルコール・E3燃料事業の推進がある。将来構想として風力、太陽力発電で水素製造の拠点づくりはどうであろうか。

(2006/10/27掲載)

<<<行雲流水ページにもどる