行雲流水

 昨年、なりやまあやぐ発祥の地≠ニして城辺トムス・ムトズマのインギャー東隣に歌碑が建立された。そして今年は第一回の「なりやまあやぐ大会」を来月の八日に開催するという▼同大会の運営費捻出の一つとして、去る二十四日にチャリティーゴルフコンペが行われた。その表彰式・懇親会の席で同大会の運営や「なりやまあやぐ」に関するいろいろな話を伺った。また同委員会の「調査報告書」などから歌詞の内容などに関する興味あることを知った▼歌は世につれと言うが、自然発生的に歌詞も馴染みよいものへと洗練され定着して行くもののようだ。「サー馬(ぬーま)ぬ美(かぎ)さや 白(しる)さどかぎさ」は白馬を称えた詞だが、もと歌は赤馬だったという。今上天皇が皇太子の頃、宮古から献上された馬が白馬だったのに因んで今の歌詞に変えられた由、また「みやらびかぎさや 色(いる)どかぎさ」は「みやらびかぎさや 十七・八の頃」であったという▼この歌の生い立ちそのものが比較的新しく、昭和十八年頃に友利明令氏らが立ち上げた民謡研究会にその起源があるといわれる。まだまだ進化の途上といえようか▼また八重山の「トゥバルマー」がそうであるように、この歌は即興的に謡うのに適し、なお男女のペアなどで謡い合う要素を秘めていると思う▼親しみやすい柔らかなメロディーや歌詞のイメージが歌心をそそり、今や全県的に愛唱されている民謡の一つである。ともあれ「なりやまあやぐ大会」が宮古の一大イベントとして定着・発展することを祈念したい。

(2006/09/29掲載)

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