行雲流水

 宮古島市総合博物館友の会が設立された。同会は旧平良市総合博物館友の会の成果を引き継ぐかたちで発展的に結成された。友の会は、会員自らが郷土の自然や歴史を学ぶとともに、博物館の充実発展を願い、その活動を支援するための活動をする▼総合博物館は「宮古の自然と風土」をメーンテーマに、宮古の自然・歴史・民俗・美術工芸の四部門の調査研究・資料収集・展示・保存・教育普及を展開している。また特別企画展や講演会の開催、年報・研究紀要の発行、さらには教育普及活動として毎年「子ども博物館」を開いている▼同館はこれらの活動を通して、地域住民に開かれた学習の場および文化活動の拠点となることを目指している。博物館を地域に開かれたものにする上で、友の会の果たす役割は大きい▼同館では現在特別企画展「宮古のチョウと食草」が開催されているが、友の会では早速、砂川博明同館専門員を講師に学習を深めた。宮古に生息するといわれる四十四種の蝶の美しい映像、それぞれの食草、体を枯葉などに見せかける擬態などの生きるための巧妙な策略等、自然の豊かさを改めて考えさせられた▼蝶はそれぞれの食草を持つので、多様な蝶の生息には、多様な食草が必要である。安定した生態系を保つ雑木林こそが多様な蝶の生育にも必要である。雑木を伐採してフク木やアカギなど単相木の植林をすることの愚は改めなければなるまい▼「宮古のチョウ」展は学校等の要望で十七日まで延期される。多くの子どもたちに感動を与え、知的好奇心を刺激する機会にしたいものである。

(2006/09/06掲載)

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