行雲流水

 新生宮古島市では、市民としての誇りと郷土愛を育み、市の自立・発展を期して「宮古島市の歌」を公募によって制定し、市のシンボル歌として広く活用する。そのため、市ではさし当たり、歌詞を公募中で、募集期間は今月末日までである。曲は歌詞の選定後公募される。なお、完成する市の歌は十月一日の宮古島市誕生一周年記念式典で発表される予定である▼市では、多くの方が自由で斬新な発想で作詞、応募するよう呼び掛けている。ただ、新市のイメージにふさわしく、誰でも気軽に口ずさめる歌詞であることを求めている▼応募した歌が選定され、末永く市民に愛唱され、市の発展に寄与できることはこの上ない誇りであり喜びであるに違いない。そうでなくても、宮古の歴史や文化、自然や風土をふまえて、あるいは郷土愛にもとづいて描かれる市の理想像など、自分なりの思いを一つの作品に結実させてみる絶好の機会でもある▼歌で重要なことは、広く永く市民に愛唱され続けられることである。先例がある。打ちひしがれた戦後の日本国民に「りんごの歌」は希望を与えたが、宮古では仲元銀太郎作詞、豊見山恵永作曲の「新宮古建設の歌」が希望と理想の灯を高く掲げて、広く歌われた。現在でも集会などで歌われることが少なくない▼一番に歌う「はるかな海の彼方から/ひたひた寄せる潮の音は/夜明けの港漲水に/愛と信義を誓う歌」▼宮古島市が誕生した。新しい波は寄せては返す。制定される市の歌は躍動する未来を照らす。優れた歌の誕生は全市民の切なる願いである。多くの人の挑戦が期待される。

(2006/06/14掲載)

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