行雲流水

 生活習慣病などのリスク要因とされる「喫煙」「肥満」「運動不足」の三つ全部に該当する人は、全く該当しない人に比べ医療費が四割余高くつくことが先月厚労省研究班の調査で分かった▼自分自身の肥満が気になるので、昨年の人間ドック表のBMI【肥満度指数=体重s÷(身長m×身長m)】を見ると二八・六とあり、かなり高い(二五以上が肥満、一八・五以下は痩せ)。ただこの指数は筋肉質の人でも高くなりうる。肥満で問題なのは脂肪のようだ▼最近の研究で特に要注意なのは内臓脂肪のようで、そのメカニズムの解明がすすめられている。近頃「内臓脂肪症候群(メタボリック・シンドローム)」なる用語をメディアなどで見聞きする▼ウエストが男八十五センチ以上、女が九十センチ以上で、さらに血圧、血中脂質、血糖の三項目のうち二項目の数値が高い人が該当する。一項目だけの場合は予備軍となる。厚労省の発表によると、中高年男性(四十〜七十四歳)の二人に一人は該当者か、その予備軍だそうである▼内臓脂肪は血液を固める物質や血糖値の調節に関わるたんぱく質の分泌などに関与していて、内臓脂肪がたまると、そのメカニズムが壊れるようだ。脳卒中や心筋梗塞などの病気はこのことと深く関わりあっているという▼年間三十兆円を超える国民医療費の削減に向け、今国会の医療制度改革関連法案でも生活習慣病対策が焦点の一つ。先の厚労省研究班は、喫煙の有無や肥満度などによる応分の保険料負担の導入を提言している。

(2006/06/09掲載)

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