行雲流水

 大型連休には、旅行に出掛ける者、海や野山に繰り出す者、さらには、各地でグラウンドゴルフに興ずる者と、それぞれに楽しい日々を過ごしたことだろう▼ここ宮古島市在の特別養護老人施設でも恒例の運動会が去る日曜日に開催され、施設を利用しているご高齢のみなさんは、赤と白のはちまきを頭にきりりと巻いて、張り切って参加、楽しい一時を過ごしていた。会場には、家族やボランティアの方々が駆けつけ、笑顔と拍手で激励していた▼五色の風船で飾られた入場門から、車椅子で入場する一人びとりが紹介される。「歌の好きな○○さん」、「笑顔の素敵な○○さん」、「昔は陸上競技の選手だった」、「週一回、夫と会えるのが楽しみ」、「二度の骨折にもめげず頑張る○○さん」▼開会式では園長挨拶のあと、昔懐かしい「運動会の歌」を全員で歌った。競技では、玉入れやパン食い競争、それに職員の余興などが行われた▼施設では、専門的知識と技能を持った職員が親身も及ばぬ心遣いで介護に当たる。とはいっても生活は単調になりがちであり、各種の行事で生活にメリハリをつけることが大切であろう。実際には、手取り足取りで支えられる参加ではあっても嬉しいことに違いない。「食」と「人との触れあい」は基本的欲求である▼ところで、昨年十月から、施設利用者の自己負担額が全国平均で月二―三万円増えた。また、本市でも「入所待ち」が多いが、国の施設増設のための予算は抑制の方向にある。必要な時に、いつでも誰でも施設での介護サービスが受けられる状況を如何につくるか、自治体はもとより市民にとっての重要な課題である。

(2006/05/24掲載)

<<<行雲流水ページにもどる