行雲流水

 報道によると「ひらら市場」は新年も盛況だった由。去る八日の初売りでは家庭菜園で収穫した野菜・自家製のジャム・佃煮・手工芸品などが並び地元市民はもとより観光客も大勢訪れて好評を博している▼二〇〇二年六月九日。襲来した大型台風四号によって宮古島の農産物は五億一千万円の被害を受けた。中でもマンゴーは収穫の最盛期。生産者には大きな痛手となった。落下または出荷時期を逸したマンゴーの消費策として急きょ「フリーマーケット」が開かれた▼発案者は時の伊志嶺平良市長。二日間で三千名余の市民や観光客が押しかけ関係者は顔をほころばせた。生産者自らが手づくりの品を持ち寄り消費者と直接対面して販売する「ひらら市場」の先がけである▼昨年開設されたJA直売店あたらす市≠熕l気を呼んでいる。「少量栽培や規格外品で市場出荷できなかった農作物」が消費者に直接届けられるとあって生産者は販路拡大に燃えている▼宮古産和牛の地元消費も急増中。以前は年間五、六頭止まりだった消費が昨年度は百頭以上に伸びたと関係者は飛躍的な展望に明るい笑顔。宮古産和牛と銘打った料理メニューを誇らしく強調する飲食店も増えてきた▼食した人は「安くて焼肉の風味と食感よし。牛汁も抜群!」と満足顔する。「真心こめて育てた牛がおいしくないはずはない」と飼育農家も胸を張る。産物の確固たる品質向上に努める生産者。より多く食して富≠還流する消費者。地産地消の更なる進展をと願う。

 

(2006/1/13掲載)

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