行雲流水

 今月十三日に行われた第一回宮古島市長選挙で当選した伊志嶺亮氏が初代市長に就任した。市長は就任に際して、憲法を守り、私心を捨てて市民福祉の向上、地域発展のため議員とともに頑張りたいと、決意を述べている▼言うまでもないことだが、選挙戦でどんなに苦労して勝ち取った市長の座であっても、一旦市長になれば、市民全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。特に新市をまとめるには市民の市政に対する信頼が不可欠であり、そのためには公正さが強く求められる。その意味でも、助役の選任はその行く手を占う試金石となる▼選出された選良による議会が、市政をチェックするのは当然の責務であるが、議員各位は市民の福利を最優先に考え、虚心坦懐あるべき姿を追求すべきである。地域住民の声を議会に反映させることはもとより大切だが、不当な「口利き」や圧力で市政を誤らせてはならない▼新市には重要な課題が山積している。三位一体改革で財政はいよいよ厳しくなる。行政の効率と住民サービスのうえでも課題が残る。伊良部島空港の軍事利用の危険性は消えていない。産業の振興による経済の活性化、雇用の創出は緊急な課題。環境の保全と住民の福祉、教育文化の振興のうえでも課題は多い▼その解決の成否は市長のリーダーシップと市職員の力量にかかっている。全職員は使命感を持って研鑚を積み、創造性と行動力で市民の付託に応えて欲しい▼市民はそれぞれの場で自助努力をしながら、希望を持って見守っている。監視している。

(2005/11/23掲載)

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