行雲流水

 同期生同士というのは不思議な人間関係である。会うのが久かた振りであっても、顔を見るだけで嬉しくなるし、声を聞くと懐かしさがよみがえる▼今年、宮古高等学校七期卒が、卒業五十周年を迎え、南秀同窓会の催す祝賀会で先輩や後輩の皆さんから、祝福を受けた。プログラムの冒頭、力強く鳴り響く母校バンド部の演奏に合わせて歌う「校歌斉唱」には、皆さん万感胸に迫る面持ちであった▼多感な青春時代を過ごした高校時代はおしなべて「暮らしは低く、思いは高く」(ワーズ・ワース)暮らしていた。その後、激動する社会の中で懸命に生きてきた。順風満帆な歩みがある一方で思うようにいかないこともあるのが世の常である。いずれにしても、一人びとりにとってはかけがえのない人生である。その尊厳の重さが響き合う▼同期だけの二次会(懇親会)の会場の中央には高校時代の全員の顔写真が掲示されている。今の自分も似たようなものだと錯覚した仲間たちは急に若がえり、はしゃぎだした。後は大変な盛りあがりである。終わりに、全員で輪をつくって「今日の日はさようなら」を歌った。歌詞にいわく「信じ合う喜びを大切にしよう」▼バス観光や文化歴史ロード巡り、ゴルフやグラウンドゴルフでも楽しく有意義な一時を共に過ごした。また「先輩、後輩、学びのリレー」をテーマに宮古高校生を対象にフォーラムを持った。パネラーたちは五十年の人生経験で得た思いや後輩に伝えたいことをあつく語った▼同期という輪がある。素敵な輪だ。永遠であれ。
 

(2005/11/16掲載)

<<<行雲流水ページにもどる