行雲流水

 本紙「宮古毎日新聞」は一九五五年九月十九日に創刊、一昨日で満五十周年を迎えた。当日、「郷土色豊かに確かな視点」をモットーに五十周年を記念、一層の充実・発展を期して記念式典・祝賀会が盛大に催された▼思えば、この半世紀、世界は激変した。冷戦の終結と混迷する新たな世界秩序の構築、グローバル化とIT革命の衝撃などがある。本県では悲願の日本復帰が実現したが、基地問題と経済の自立はいまなお重い課題として残っている。さらに圏域には独自の望ましい地域づくりの課題がある▼こうした中で、本紙は紙面に世論を反映させると共に建設的な世論の形成に一定の役割を果たしてきた。もとより正確で公正な記事と責任ある論評によって公共的、文化的使命を果たすことが新聞の役割である▼また、ローカル紙には、地域に根ざした情報の提供によって共通理解と連帯を深め、住みよい社会の形成に資すると共に、読者の生活の向上と文化的要求に応えることが求められる▼紙面に対しては次のような評価も受けている。地域の出来事や活躍する人々の姿が紹介されている。一方で鋭い批判精神を発露、読者の信頼を高めている。次代を担う子供たちを暖かく励ましている。流れる雲や風のそよぎ、飛びかう鳥たちと咲き誇る花々が季節感を演出している。文化欄の充実も特筆される▼利害の錯そうする社会である。苦労も多いが、今後とも表現の自由を守って、確かな視点で、魅力ある紙面づくりに努めたい。五十周年を契機に本紙の一層の充実とローカル紙の使命達成を望む読者の声に応えたい。

(2005/09/21掲載)

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