行雲流水

 先日ある一団は石垣島に渡った。空港で歓迎横断幕に迎えられた皆さんはホテルで荷を解くや空港滑走路に隣接する郊外地のグラウンドゴルフ場へと案内された。親睦交流試合に参加するためである。揃った数十名の地元参加者は元気な明るい声で迎えた▼片やコートに向かった一団は思わず立ちすくみ感嘆の大声を放った。目の前に広がるコートのけたはずれた面積と、新装の畳表にも劣らないほどみごとに刈り込まれ手入れされた芝面に驚いたのである▼かつては放牧場だったという。一と三ホール三十b。二と四ホール五十b。五と七ホール二十五b。六と八ホール十五bの、日本グラウンドゴルフ協会公式公認のコースがABCDと四組も連なる限りなく広大なコート面である▼最終Dコートには築山もある。径五十aほどの土管がトンネル状に埋められボールはその中を通過しなければホールにとどかない奇抜な趣向も施されている。土管設置のない通常の公式公認コートなら他にも三つあると言う▼すごいのはコートだけではなかった。ゲームに対する心構えも厳格で立派。ふだんから公式ルールはずれの行為は容認しないという。サントピアグラウンドゴルフ大会で石垣島の団体や個人が毎回上位に入賞している根拠がここにある▼同大会でよく指摘される地元宮古の参加者のルール違反やマナーの悪さは得点にのみこだわる執着心や遊び心優先のなれあいゲームに浸り過ぎたその延長線上の行為と言うことか。ふだんの心構えが肝要である。

(2005/09/02掲載)

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