行雲流水

 地球全体の平均気温は二十世紀中で〇・六度上昇したが、北極や南極などではここ五十年で三〜四度上昇し、氷河や海氷の融解がつづいているとの報告がある▼今年二月にイギリスで「温暖化ガスの安定化に関する国際会議」がひらかれた。どの程度であれば危険なレベルでないのか、二酸化炭素の濃度が産業革命前の約二倍の五五〇ppmで安定化され、二度間での気温上昇であれば危険な影響はないとするEU諸国の目標も、二度を超えるリスクが高いとの報告がなされた▼「京都議定書の目標をクリアし、さらに厳しい削減をアメリカや途上国を含めてやらないと危険な気候変動を避けることはできない」という▼ところで、あまりにもはやく地球温暖化が進むと海洋大循環が止まり、逆に寒冷化が進むとの指摘もある。映画「デイ・アフター・トゥモロー」のような氷河時代がやってくるのだろうか▼ともかく温暖化は海流にも影響を及ぼし、与那国の子どもたちがメッセージを書き込んだ木製のコマを流し海流を調べる、日本人黒潮ルート調査もあるいは海流の流れが微妙に変化していまいかと気になる▼「クールビズ」でジャケットとネクタイを外すことで体感温度が二度下がるとのこと。オフィスビルや家庭の温室効果ガスの排出量は二〇〇二年で一九九〇年の排出量の三三%増で三億六千三百万トンに達している。クールビズは夏期だけで約百六十万〜二百九十万トン削減できるという。その量の多寡よりも温暖化防止思想の広がりが大切であろう。

(2005/08/12掲載)

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