行雲流水

  平良市少年少女合唱団(団長・佐渡山力)の『結成三十周年記念誌』が発行された。同合唱団の活動には、その継続性と内容の豊かさ、高さにおいて、目を見張るものがある▼同誌に網羅された資料はその輝かしい歩みを詳細に記録にとどめている。同団で、心を合わせて練習に励み、美しい歌声をつくり出す喜びを体験した団員はのべ千二百人余に達している。また、団長や指揮者、伴奏者として献身的に活動を支えてきた指導者は初代団長の豊見山恵永氏をはじめ三十人にも及んでいる▼この合唱団は、毎年定期演奏会を催して、美しい歌声で市民に爽やかな感動を与えてきた。また、市民総合文化祭「音楽祭」や慰問演奏会など地域のイベントに参加、活躍してきた▼昭和五十四年には、沖縄県合唱祭で、高里千穂子原案、奥平潤作詞作曲の組曲「タカドーイ」を初演し好評を博した。その後、この曲は何度か演奏され、その素朴さ、温かさが郷愁を呼び、聴衆に感銘を与えている▼平成八年には、マティダ市民芸術劇場開館記念で、平野裕香里作詞、黒澤吉徳作曲の合唱組曲「海のまほろば」が初演された。平成十一年には、全日本ジュニアコーラスフェスティバルに参加、この曲を演奏して「そよ風賞」を受賞している。その他、岐阜県高山少年少女合唱団等との合同演奏会や、交歓で団員は貴重な体験をしている▼指揮者の宮国貴子さんは書いている「澄んだ瞳で高らかに歌う子供たちが、時代を超え、島を越えて、心のハーモニーの輪をどこまでも広げる事を、夢見ている」。

(2005/07/27掲載)

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