行雲流水

 みかんの皮の汁(リモネン)によるゴム風船割り、転がした空き缶が自動的に逆戻りするコロコロづくり、ペットボトルを利用したプラコプターづくりなど、子どもらの目はきらきらと輝き、成功の喜びであふれていた。それにも増して父母の皆さんが真剣だったようにも思う。先日宮古少年自然の家での「地域子ども教室」「楽しい理科の実験(工作)」に参加しての感想である▼「地域子ども教室」は地域の「大人の教育力」を結集して心豊かでたくましい子どもを育成するのがねらいである。文科省のいう「大人が変われば子どもが変わる」のフレーズは時代や社会の要請でもある▼「大人の教育力」とは社会教育団体、高齢者、退職教員等、PTAなどで、また企業等による人材派遣や地域貢献が要請されている。前述の子ども教室の主催団体が琉大同窓会宮古支部というのもユニークである▼子どもらのさまざまな体験活動と交流が主眼だが、「安全・安心」の活動拠点を確保することも肝要である▼思えば、かつて子どもらは連れ立って海に行き、セミやバッタ取りに野山を駆け、凧、こま、竹とんぼ、ギッチョなどの自慢の遊具作りに励んだものだ。木登りやアダンバラなど危険な遊びもあったが、先輩らの助言のなかで安全を学び様々なことを体験していった。それはまさに地域そのものが子ども教室であった▼安全の確保は大切だが、子どもらは冒険や自由な発想の中に新しいものを発見・体得していくことも忘れてはならないように思う。

(2005/07/01掲載)

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